かもめ食堂

「かもめ食堂」
2005年 監督・脚本・・・荻上直子
サチエ(小林聡美)はフィンランドのヘルシンキで「かもめ食堂」という名前のレストランを始める。
おにぎりと和食をメインにしたレストランは開店して一カ月たってもお客がまったく入らない。
ある日、初めてのお客として日本かぶれの青年トンミがやってくる。
トンミはサチエに「ガッチャマン」の歌を教えて欲しいというが、サチエは「誰だ、誰だ、誰だ…」
までしか思い出せない。
サチエは偶然本屋で「ムーミン」を読んでいるミドリ(片桐はいり)を見かけ、歌の続きを教えて
もらう。ミドリはそれが縁でサチエの家に泊まるようになる。
おにぎりと和食をメインにしたレストランは開店して一カ月たってもお客がまったく入らない。
ある日、初めてのお客として日本かぶれの青年トンミがやってくる。
トンミはサチエに「ガッチャマン」の歌を教えて欲しいというが、サチエは「誰だ、誰だ、誰だ…」
までしか思い出せない。
サチエは偶然本屋で「ムーミン」を読んでいるミドリ(片桐はいり)を見かけ、歌の続きを教えて
もらう。ミドリはそれが縁でサチエの家に泊まるようになる。
「バーバー吉野」というとんでもなく面白い映画を作った荻上直子さんの映画三作目の作品。
カモメの飛ぶヘルシンキの港、青い空、市場、のんびりと散歩をする人々・・・どこまでものどか
でありふれた光景が流れ、大きな出来事が起こる訳でもない、一見ごく普通の日常を描いた映画か
と思ってしまうが、これは日常的な顔をしたファンタジーなのだ。
でありふれた光景が流れ、大きな出来事が起こる訳でもない、一見ごく普通の日常を描いた映画か
と思ってしまうが、これは日常的な顔をしたファンタジーなのだ。
だいたい、なぜ舞台がフィンランド?そこからしてもう非日常的。
サチエはなぜヘルシンキで食堂を開こうと思ったのか、
ミドリは一体何があってフィンランドに来ることになったのか
(雰囲気で何か辛いことがあったようなのだが詳細はまったく語られない)、
(雰囲気で何か辛いことがあったようなのだが詳細はまったく語られない)、
荷物が行方不明になってしまいヘルシンキに滞在することになったマサコ(もたいまさこ)の荷物の
中身はどこに行ってしまったのか
(トランクの中身が昼間森でキノコ狩りをした時に落としてしまったキノコにすりかわっていたのだ)、
中身はどこに行ってしまったのか
(トランクの中身が昼間森でキノコ狩りをした時に落としてしまったキノコにすりかわっていたのだ)、
言葉もわからないはずのマサコはなぜ夫が失踪して悩む婦人の話を聞くことができたのか・・・。
理屈で考えると不思議なことばかりなのだが、見ている間はその不思議さをほとんど感じないのも
不思議。そしてなんとも魅力的。
不思議。そしてなんとも魅力的。
サチエは食べることが大好きなようで、明日で世界が終わるという時に何がしたいかとミドリに
聞かれて「美味しいものが食べたい」と言う。
聞かれて「美味しいものが食べたい」と言う。
サチエの作るレストランのメニューは「豚の生姜焼き定食」「塩鮭定食」「とんかつ定食」と晩御飯
の献立そのものなのだが、これがとても美味しそうなのだ。
特におにぎりは、アツアツのごはんを握ってパリっとしたのりをまいて、本当に美味しそうで見ていて
思わず食べたくなってくる。
の献立そのものなのだが、これがとても美味しそうなのだ。
特におにぎりは、アツアツのごはんを握ってパリっとしたのりをまいて、本当に美味しそうで見ていて
思わず食べたくなってくる。
トンミが自分の名前を漢字で書いてくれとミドリに頼み、ミドリが書いた当て字が
「豚身昼斗念(トンミ・ヒルトネン)」
思わずふき出してしまった。トンミ君は「おお!カンジ!」と喜んでいたけれど。
コーヒーを美味しく入れるには、コーヒーの粉の真ん中に指を少し突っ込んで「コピ・ルアック!」
と唱えるのだそうだ。サチエのお店の元の持ち主が教えてくれた。
と唱えるのだそうだ。サチエのお店の元の持ち主が教えてくれた。
私もそれから指を突っ込み「コピ・ルアック!」と唱えているけれど、味のほうは、どうも・・・。
ナイロビの蜂

「ナイロビの蜂」
2005年 イギリス
アフリカのナイロビで外交官として働くジャスティン(レイフ・ファインズ)は、講演会で
知り合った弁護士テッサ(レイチェル・ワイズ)と結婚し、彼女のたっての願いでナイロビ
勤務へ伴う。救援活動家のテッサはナイロビである事件を調べているうちに、何者かに殺さ
れてしまう。失意の中ジャスティンは、妻が追っていた事件がイギリスの薬品会社による現
地の人々を使った人体実験であることを突き止める。
知り合った弁護士テッサ(レイチェル・ワイズ)と結婚し、彼女のたっての願いでナイロビ
勤務へ伴う。救援活動家のテッサはナイロビである事件を調べているうちに、何者かに殺さ
れてしまう。失意の中ジャスティンは、妻が追っていた事件がイギリスの薬品会社による現
地の人々を使った人体実験であることを突き止める。
「アフリカでは人の命はとても安い」
診療所で治療を受ける代償として、書類にサインさせられ治験薬を投与される…ここ、アフリカ
の人々にとっては生きるために選択の余地がないことに付け込んで、政府ぐるみで人体実験を繰り
返す製薬会社を追い詰め、なんとかやめさせようとするテッサだったが、相手が大き過ぎ、
逆に無残にも殺されてしまう。
の人々にとっては生きるために選択の余地がないことに付け込んで、政府ぐるみで人体実験を繰り
返す製薬会社を追い詰め、なんとかやめさせようとするテッサだったが、相手が大き過ぎ、
逆に無残にも殺されてしまう。
ジャスティンはガーデニングが趣味で、穏やかな事なかれ主義の外交官だった。
生前妻はそんな夫に自分の活動内容を一切明かさず、秘密で調査をしていた。
妻の殺された真相をさぐるうちに、一度は妻の不貞を疑うが、テッサの従兄ハムを通して、
彼女のジャスティンへの強い愛情を確信し、妻の死の真相を暴こうとするようになる。
生前妻はそんな夫に自分の活動内容を一切明かさず、秘密で調査をしていた。
妻の殺された真相をさぐるうちに、一度は妻の不貞を疑うが、テッサの従兄ハムを通して、
彼女のジャスティンへの強い愛情を確信し、妻の死の真相を暴こうとするようになる。
<かなり評価の高い映画ではありますが…>
冒頭のジャスティンの講演会で、テッサは彼に詰問し、興奮して泣いてしまうという場面があり、
ここでかなりテッサに対し興ざめしてしまい、「美しい妻」という大事な設定を受け入れられな
くなり、テッサへの感情移入が難しくなってしまいました。
ここでかなりテッサに対し興ざめしてしまい、「美しい妻」という大事な設定を受け入れられな
くなり、テッサへの感情移入が難しくなってしまいました。
なぜかその直後二人はすっかり意気投合して、テッサはその日のうちにジャスティンを自分の
アパートへ招いてしまうのですが、これも自分でも言っているように「尻軽女的」でどうも
テッサを好きになれないまま、物語が進んでいったのでした…。
アパートへ招いてしまうのですが、これも自分でも言っているように「尻軽女的」でどうも
テッサを好きになれないまま、物語が進んでいったのでした…。
その後もテッサの、外交官の夫の立場を考えることも無く、パーティーで製薬会社の役員や
夫の上司にずけずけと物をいう態度、土砂降りの中夜遅く帰って来た妻を気遣う夫に、
活動内容を秘密にしているとはいえつっけんどんな態度で接する所など、どうにも好感を持て
ないのです。
夫の上司にずけずけと物をいう態度、土砂降りの中夜遅く帰って来た妻を気遣う夫に、
活動内容を秘密にしているとはいえつっけんどんな態度で接する所など、どうにも好感を持て
ないのです。
<この映画のジャンルは「恋愛」なのでした…>
この映画ではテッサが愛する夫を巻き込まないために真実を隠し通したこと、妻の秘密を暴く
うちに妻の自分への強い愛情を知ったこと、それにより自分がいかに妻を愛していたかに改めて
気がつき妻の果たせなかったことを果たそうとする・・・という妻から夫へ、夫から妻への愛情
に重きを置いているため、本来の冒険小説のハラハラドキドキ感がほとんど出ていなかったのが
物足りなさの原因でしょうか。
うちに妻の自分への強い愛情を知ったこと、それにより自分がいかに妻を愛していたかに改めて
気がつき妻の果たせなかったことを果たそうとする・・・という妻から夫へ、夫から妻への愛情
に重きを置いているため、本来の冒険小説のハラハラドキドキ感がほとんど出ていなかったのが
物足りなさの原因でしょうか。
映画のジャンルが「恋愛」ですから、もうはっきり原作とは違うのでしょうね。
ジョン・ル・カレの原作を読んだことはないのですが、恐らく本はとても面白いのではないかしら…。
ジョン・ル・カレの原作を読んだことはないのですが、恐らく本はとても面白いのではないかしら…。
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ラストでテッサの殺されたトゥルカナ湖で、ジャスティンは追手が自分を殺しにくることを
覚悟して、一人湖畔で幻のテッサと会話します。
護身用に持っていたピストルの弾をすっかり抜いて…。
覚悟して、一人湖畔で幻のテッサと会話します。
護身用に持っていたピストルの弾をすっかり抜いて…。
これから起こることとは裏腹に、夕日が沈んでいくオレンジ色の静かなトゥルカナ湖がとても美しい。
「僕は勉強ができない」
「僕は勉強ができない」 山田詠美
「ベッドタイムアイズ」を大昔に読み、山田詠美はすっかり生理的に受け付けない作家に入って
いました。
最近、中高生へのお勧めの本のリストだったか何だったか忘れましたが、このタイトルを見かけ、
「高校生の話」という点でしっかり私のテリトリーに入ってきたので、今更ですが読んでみました。
主人公の時田秀美クンは17歳、サッカー部に所属している高校生ですが、年上のショット・バーで働く桃子さんという恋人がいます。
お母さんはシングルマザーで秀美クンを育て、「イイ男になりなさい」というのが彼女の教育方針です。
一緒に住むおじいちゃんも、未だに女性を追いかけ、「枯れる」などという言葉なんて知らない、洒落たおじいちゃんです。
短編が9編はいっているのですが、最初の三篇ほどはやはり「山田詠美は生理的に合わない」と思わせられるような内容でした。(・・・だってこんな高校生の息子がいたら嫌ですよ。桃子さんとはお母さんも公認の仲なのですが、もう信じられない!と一人息巻いてしまいました。どうでもいいのですけど)
でも、「時差ぼけ回復」あたりから、面白いかもと思うようになり・・・。
これはごく普通に学校生活を送っていた友人が突然飛び降り自殺をしてしまう話です。人間は本来25時間のサイクルで過ごしているものだったが、それを24時間に合わせるように体を調整してきたのだ、という説があり、この友人はそのサイクルに上手く自分を合わせていくことができず、常に時差ボケ状態で、とても生き辛かったのではないか、というようなお話です。
私の表現の仕方が上手くないので伝わりにくいと思いますが、なかなか良い作品でした。
その後の「賢者の皮むき」も良かった。
私にはこういう表現、こういう発想は全くできないなと思いました。
やはり、相変わらず好きではないですが、その才能は認めざるを得ない・・・です。
(なんて、何をエラソーに言っているんだか…ですね)
因みに、秀美クンには惚れませんでした。(一応、念のため付け加えますと…)
「ベッドタイムアイズ」を大昔に読み、山田詠美はすっかり生理的に受け付けない作家に入って
いました。
最近、中高生へのお勧めの本のリストだったか何だったか忘れましたが、このタイトルを見かけ、
「高校生の話」という点でしっかり私のテリトリーに入ってきたので、今更ですが読んでみました。
主人公の時田秀美クンは17歳、サッカー部に所属している高校生ですが、年上のショット・バーで働く桃子さんという恋人がいます。
お母さんはシングルマザーで秀美クンを育て、「イイ男になりなさい」というのが彼女の教育方針です。
一緒に住むおじいちゃんも、未だに女性を追いかけ、「枯れる」などという言葉なんて知らない、洒落たおじいちゃんです。
短編が9編はいっているのですが、最初の三篇ほどはやはり「山田詠美は生理的に合わない」と思わせられるような内容でした。(・・・だってこんな高校生の息子がいたら嫌ですよ。桃子さんとはお母さんも公認の仲なのですが、もう信じられない!と一人息巻いてしまいました。どうでもいいのですけど)
でも、「時差ぼけ回復」あたりから、面白いかもと思うようになり・・・。
これはごく普通に学校生活を送っていた友人が突然飛び降り自殺をしてしまう話です。人間は本来25時間のサイクルで過ごしているものだったが、それを24時間に合わせるように体を調整してきたのだ、という説があり、この友人はそのサイクルに上手く自分を合わせていくことができず、常に時差ボケ状態で、とても生き辛かったのではないか、というようなお話です。
私の表現の仕方が上手くないので伝わりにくいと思いますが、なかなか良い作品でした。
その後の「賢者の皮むき」も良かった。
私にはこういう表現、こういう発想は全くできないなと思いました。
やはり、相変わらず好きではないですが、その才能は認めざるを得ない・・・です。
(なんて、何をエラソーに言っているんだか…ですね)
因みに、秀美クンには惚れませんでした。(一応、念のため付け加えますと…)