「僕は勉強ができない」 | 蘭のブログ

「僕は勉強ができない」

「僕は勉強ができない」     山田詠美




「ベッドタイムアイズ」を大昔に読み、山田詠美はすっかり生理的に受け付けない作家に入って
いました。

最近、中高生へのお勧めの本のリストだったか何だったか忘れましたが、このタイトルを見かけ、
「高校生の話」という点でしっかり私のテリトリーに入ってきたので、今更ですが読んでみました。



主人公の時田秀美クンは17歳、サッカー部に所属している高校生ですが、年上のショット・バーで働く桃子さんという恋人がいます。
お母さんはシングルマザーで秀美クンを育て、「イイ男になりなさい」というのが彼女の教育方針です。
一緒に住むおじいちゃんも、未だに女性を追いかけ、「枯れる」などという言葉なんて知らない、洒落たおじいちゃんです。




短編が9編はいっているのですが、最初の三篇ほどはやはり「山田詠美は生理的に合わない」と思わせられるような内容でした。(・・・だってこんな高校生の息子がいたら嫌ですよ。桃子さんとはお母さんも公認の仲なのですが、もう信じられない!と一人息巻いてしまいました。どうでもいいのですけど)


でも、「時差ぼけ回復」あたりから、面白いかもと思うようになり・・・。
これはごく普通に学校生活を送っていた友人が突然飛び降り自殺をしてしまう話です。人間は本来25時間のサイクルで過ごしているものだったが、それを24時間に合わせるように体を調整してきたのだ、という説があり、この友人はそのサイクルに上手く自分を合わせていくことができず、常に時差ボケ状態で、とても生き辛かったのではないか、というようなお話です。
私の表現の仕方が上手くないので伝わりにくいと思いますが、なかなか良い作品でした。
その後の「賢者の皮むき」も良かった。
私にはこういう表現、こういう発想は全くできないなと思いました。



やはり、相変わらず好きではないですが、その才能は認めざるを得ない・・・です。
(なんて、何をエラソーに言っているんだか…ですね)



因みに、秀美クンには惚れませんでした。(一応、念のため付け加えますと…)