蘭のブログ -59ページ目

戦場のピアニスト

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2002年  監督:ロマン・ポランスキー

1940年、ナチス・ドイツがポーランドへ侵攻した翌年、ユダヤ系ポーランド人でピアニスト
のウワディク・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は家族と共にゲットーへ移住する。
ゲットーのレストランでピアノを弾き生活費を稼いでいたが、42年には一家を含む大勢のユダヤ人
が収容所へ送られた。列車に乗り込もうとしていた最中、ウワディク一人が助けられ収容所へ送られ
ることを免れる。しかし「早く捕まった方がましかもしれない。今捕まらなくても生き延びるのが少
し長くなっただけだ」というように、地獄のような日々がはじまる。


シュピルマンの自伝的小説がもとになっています。
はじめ裕福に暮らしていたシュピルマン一家ですが、どんどん戦況が悪化し住む場所を奪われ、持ち物を奪われ、人間としての尊厳を奪われていきます。
偶然居合わせた知り合いに助けられたウワディクも、虫けら同然のような扱いの中なんとか生き延びようと収容所を逃げ出しますが、「逃げるのは簡単だ。生き延びるのが難しい。」といわれます。
その言葉通り、逃げ出してからも隠れる生活は困難で、餓えと病気に苦しめられます。

ただただ逃げるウワディクのサバイバルを淡々と描き、ナチスの残虐な蛮行も派手な演出をせずにありのままを映していくところが逆にリアルでとても恐ろしさを感じました。
逃亡生活でウワディクは何人もの反ナチ活動をしている人々に助けられます。これがこの映画でのささやかな救いです。

終戦間近、隠れていたシュピルマンはドイツ人の将校に見つかりますが、職業を聞かれピアニストだと答えるとピアノを弾くよう言われ、将校は彼を見逃してくれた上に食糧まで渡してくれます。
彼の弾くピアノに心を動かされたというよりも、ナチ軍の中にもこの将校のように芸術を愛し人間の心を持った人もいたということなのでしょう。

この映画のほとんどがナチスがユダヤ人を虫けらのように簡単に銃で撃ち殺していく場面なので、見ていてかなり気が重くなりました。
映画では自伝に基づく事実を描いていくだけで、ウワディクの感情表現も抑えられていますが、こういうことが過去に現実にあったのだということを知ることにより、見た人の心には作り手からのメッセージがしっかり伝わってくるのではないかと思いました。

サマータイムマシン・ブルース

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2005年  監督:本広克行

夏休みのどこかの大学。炎天下の中「SF研究会」の男子学生たちが野球をしている。
その様子を写真に収めるカメラクラブの女子学生。野球を終えて男子学生たちは洗面器を抱えて
銭湯に出かけて行く。寄り道をして帰りが遅れた甲本(瑛太)に皆が「洗面器持ってるじゃない
ですか。やっぱり盛り上げるなぁ。」と訳の分からないことを言う。
騒いでいる拍子に曽我の持っていたアイスの中身が飛び出しその連鎖反応でクーラーのリモコン
にコーラがかかって壊れてしまう。SF研究会顧問の工学部助手保積(佐々木蔵之介)にリモコン
を直してもらいに行き部室に戻ると、マッシュルームカットの見知らぬ男が立っている。
彼が慌てて立ち去ったあとにはまるでタイムマシンのような不思議な機械が置かれている。
まさか、タイムマシン?

この映画は、京都の劇団「ヨーロッパ企画」の芝居「サマータイムマシン・ブルース2003」を映画化したものだそうです。脚本が秀逸。

のんびりした大学生たち。地方の国立大学(…恐らく)はあのような感じなのでしょうか。
芝生のグランドの後ろに立つ古い部室。大学を囲むようにそびえる山々。古い町並み、お寺、さびれた映画館。こんなのんびりした街並みでこそ非現実的なタイムマシンが活きるのでしょう。
このタイムマシンがまたドラえもんに出てくる機械のようにいかにもという感じのレトロな作りになっていて非現実感を漂わせるのにぴったりです。

まったりとした野球の試合の写真撮影のシーンから始まり、タイムマシンが現れるまでの間に、フィルムがキュルキュル巻き戻るような音が入り、画面が何度か暗転します。最初に見た時には意味がわかりませんでしたが、全部見終わってもう一度はじめから見てみると・・・はじめ見た時には見落としていた場面に気が付きます。

最初に見た時には、冒頭の結構長いまったり野球に少々うんざりしてしまうのですが、実はここにとても大事な場面が隠されているのです。これは映画館で一度見ただけでは絶対に気がつかないので、DVDで見直して見ることをお勧めします。「あ~!」と思うところが何箇所かありとても面白いです。用務員さんとのちぐはぐな会話や部室での意味のわからなかったやり取りにも納得がいきます。

良く見ていると、細かいところにも仕掛けが隠されていて、何度か見直すとそのたびに新しい発見があるかもしれません。そういうところは「運命じゃない人」に似ているかも。

所々矛盾しているように思われる個所もあるのですが、タイムマシンの理屈自体よくわからないので良しとしましょう。逆にこれを舞台ではどのように表現したのか興味があります。

プロデュース(ヘアカラー)CM

昨日あたりから盛んに流れる「プロデュース」というヘアカラーのCM。


イントロに聞き覚えがあるなぁ、と思っていたら
「あ~、私の恋は~、南の風に乗って走るわ~」松田聖子ですね!
しかし、その歌声、え!
車の窓がス~っと開くと、歌っているのはなんと、郷ひろみではありませんか!

なんですって~!とビックリ仰天です。

もうあの二人の間には確執はないということですかね。
ってもう何十年前の話ですか、ということですね。

でも、このCM引き受けるにあたって、郷ひろみさんの心境はいかがなものだったんでしょうか。

それもこれも話題作りですね。
丁度この「プロデュース」で美しく白髪を染めなければならない年代の人たちじゃないと
ピンとこない、というこの組み合わせの妙・・・。
CM作りが上手いですねぇ。

と、すっかりこのCMの術中にはめられてしまった私でした。ガックリ。