僕が投資を始めた頃、リスク分散の本を読んで取り組みましたが、深く掘り下げなかったので、間違った分散投資をしてしまいました。今日は分散投資の要諦を僕なりに述べたいと思います。
先ず、統計的にリスク分散する銘柄数は30銘柄を超えても効果は頭打ちと言われています。でも僕はこのような一般論は信用していません。但し、管理上の理由で20銘柄程度でも良いな、というのは経験上あります。質の高い多くの銘柄を定期的に組み替えているから米国S&P 500のETFは安全で人気があるのです。このETFを20銘柄の一つに入れると、実際には何百社への分散投資をしているのと同じですね。
さて、リスク分散をする際、考慮する点は大きくは五つあると思います。
① 投資カテゴリー分散
② セクター分散
③ 地域分散
④ 景気循環型分散
⑤ 投資手法分散
経済危機が発生すると、急速な現金必要性に対応するために、全ての資産について売却圧力が増加します。要するに、全ての資産価格が下落します。であればリスク分散に意味はない?というとそんなことはありません。危機が通過する過程で、カテゴリー毎に値動きが変わるからですね。この時にリバランスをして悲観から楽観へ、経済危機から経済回復・成長へと変遷する過程で資産を増やすのです。
ですから、投資家は今、自分がどこに立っているか、経済サイクルのどのフェーズにいるかを突き詰めて把握することは非常に大切だろうと思います。
①のカテゴリー分散は貴金属、商品、株式、国債、社債、土地、などという風に分散することですね。例えば、経済危機の始まる局面では全ての価格が下落しますが、その後、国債、そして貴金属の価格が上昇します。ですから負の相関関係があるカテゴリーをポートフォリオに組み込むことでダメージを軽減できるという考えです。
②のセクター分散は、株式というカテゴリー内でもIT関連だけに投資をしていると、ITバブル崩壊で即死するようなことも起きるということで、強弱があったとしても、電気電子系、化学系、エネルギー系などのように、セクター分散することでダメージを軽減できます。
③の地域分散は世界各地の成長に投資するというものです。また、下の表にある通り、各国の株式市場の時価総額の比率を見ると、日本だけで投資をするのは一点集中型になってしまい、グローバル時代にも関わらずローカライズしているということになってしまうのです。頭の中には絶えず地球儀を入れておくことですね。
米国 50.6%
日本 7.0%
上海 5.2%
香港 4.8%
ユーロ 4.8%
ロンドン 4.7%
深圳 3.1%
カナダ 2.6%
インド 2.5%
ドイツ 2.3%
④の景気循環型分散は、①~③の分散が出来ていると自然にできていることが多いものです。例えば、貴金属に投資をしている場合を考えてみましょう。金、銀、プラチナは景気後退後にどのような値動きをするでしょうか?これまでの歴史を見ると、金が先に上がり、次に銀、そして最後にプラチナが上がります。それぞれの値動きの間には数か月以上のタイムラグがある場合が多いようです
ハイテクは経済の回復局面、次に素材関係、エネルギーと来て、最後に生活必需品、というように株価の上がり方には一般的な循環があります。要するに水平的なリスク分散と時間軸的なリスク分散を考えながら立体的なポートフォリオを構築し、比率も循環的に調整するとあらゆる状況でダメージを低減できる可能性が増大します。僕の場合は、比率調整を短中期投資で行うようなイメージで活動しています。長期投資については殆ど「ほったらかし投資」の状態でひたすら設定比率に従って購入を続けているだけです。
ここ数年のように資産価格上昇局面が続く中では物足りなさを感じるかも知れませんが、何十年にも亘って生き残り、生涯で資産を何十倍にも増大させる投資家は年率10%の投資リターンを良い時も悪い時もコンスタントに稼げる人達なのです。ウォーレン・バフェットなど天才と言われる人でも年率20%程度です。しかし、これを50年、60年と達成し続けるのは普通はマネのできない偉業です。それはメンタル面の強靭さ(軸がぶれない、周りに流されない)を要求されるからです。
ところで、僕が長期投資一辺倒ではなく、短期投資や中期投資も盛り込んでいるのは、一つのアイディアにAll INしないというリスク分散が背景にあります。投資手法自体の分散をしているのです。これが最後にあげた⑤の投資手法分散です。
この辺りのことを上手く伝えるのは難しいのですが、是非、自分なりに考えを深めてみてください。参考になれば嬉しいです。