インフレ懸念や金利上昇などから長らく低迷していた銀行株に注目が集まっているようです。ですが、今日は少し違った角度から銀行株を見てみたいと思います。
新聞報道などで目にした方もいるかと思いますが、東京証券取引所は2022年4月から市場区分を再編します。現在の4区分(一部、二部、マザーズ、ジャスダック)から3区分(プライム、スタンダード、グロース)に移行するそうです。
何かが変化する時にはどこかに歪が発生することがあります。以前のブログ「リスクと利益の関係」で書いたように歪があるところには往々にして利潤が発生します。
この東証再編では何が起きる可能性があるのでしょうか。東証のホームぺージを見ると「東証一部」に代わって最上位市場となる「プライム市場」の上場要件に、流通株式時価総額100億円以上というものがあります。現在、東証一部上場企業をみると2,191社あり、その内で時価総額が100億円以下は261社、150億円以下に拡大すると443社ありました。株価が何かのきっかけで下落するとこれらの会社も100億円を切ってしまう可能性は十分にありそうですね。
日本では一部上場の会社は信用がある、というイメージかと思います。一部上場の時価総額が小さな会社が東証側の再編で「スタンダード市場へどうぞ!」と微笑みかけられても「そんな殺生な・・・」となりそうですね。中でも銀行は、それこそ「信用第一の世界」でしょうから地方銀行にとって「格下げ」に取られかねない事態は避けたいと思うのです。時価総額が基準以下であっても当分の間は経過措置がとられるようですが、これは地方銀行の再編を促すかも知れません。
ということで、僕は日本の銀行株にはあまり関心がなかったのですが、銘柄スクリーニングをしてみました。時価総額が150億円以下の銀行は12行あり、100億円以下は4行でした。そして、その4行の内、なんと3行でSBI系の会社が筆頭株主になっていました。そこで、ニュースを検索してみると、SBIが先週の5月13日時点で地銀連合を8行まで増やしており、資本業務提携は10行程度まで進め、メガバンク3行に続く第4勢力を構想している、とありました。恥ずかしい気もしますが、あまり関心のない分野ではニュースが頭に入ってこなかったようです。
続いて、関連ニュースを見てみると、そのSBIはフィンテック系のシステム開発会社であるソルクシーズという会社の筆頭株主でもありました。メガバンクや再編狙いの地銀への投資もわるくはないでしょうが、僕はSBIの構想にソルクシーズが関与しているらしいことの方に関心を持ちました。
僕はトヨタ自動車に投資するよりも、デンソーに投資する方がよいと考えるタイプなのです。トヨタが世界の車のシェアで50%を獲得することは難しいでしょうが、デンソーが部品で50%のシェアを獲得することは可能だと思うからです。そしてビジネスのリスク分散はデンソーの方が柔軟に対応できそうだと思うのです。
同じ発想で、銀行に直接投資するよりも再編や業務提携に絡むことができるシステム開発会社に投資したいと思うのです。ソルクシーズは昨年末から業績の割には株価が下落トレンドです。時価総額は本日時点では130億円弱ですので、夢があるかも知れません。もちろん、投資は自分でよく考えて判断してくださいね。