年金2000万円問題とあわせて、人生100年時代、というフレーズを目にする事が増えました。公的年金だけでは足りないから、投資をしよう、という風潮です。実際に、将来に備えて貯蓄だけではなく積み立てNISAなどを活用して株式投資を始めたひ人も増えたようです。
そこで、令和2年版厚生労働白書を見てみました。平均寿命は2019年くらいでほぼピークアウトなのかなあ、と思いきや2040年でもまだ伸びていますね。老化に関する医学的な研究もどんどん進んでいますから、複数の老化因子に対する働きかけを効果的に行えばもう少し寿命を延ばすことも可能なのだろう、と思います。
少し驚いたのが、次の資料です。2019年時点で65歳だった人の中で男性の16%、女性の62%が90歳まで生存し、2019年に44歳だった人になると男性の20%、女性の68%が90歳まで生存するという予測です。女性の場合、2割が100歳まで生存するという予測になっていますから、本当に人生100年時代と言っても良さそうです。
<令和2年版厚生労働白書から抜粋>
株で稼いでFIRE(Financial Independence, Eraly Retire)を目指すことはよいかも知れませんが、株式の運用は慣れれば時間をそれほど使わなくても可能なので、やはり投資以外の仕事も続けるた方がよいと僕は思います。
巷では年率4%で資産運用をすれば年間予定支出額の25倍の資産でやっていける、だからセミリタイアを目指そう、と言われているみたいですね。予定支出が400万円なら1億円あればよいことになります。ただ、人生100年時代の場合、65歳でリタイアしても30年くらいはありますね。30年間、年率4%の運用実績を毎年コンスタントに達成すりことはそれほど簡単ではありません。
株式市場ではある年はマイナス、その次はトントン、そして暴騰、暴落、というような事態はこれまでの歴史でも何度もありました。この4%というのはS&P 500の平均リターンが7%程度で、米国の物価上昇率が概ね2~3%という前提に立っています。過去30年のS&P 500の平均リターンを見る限り、現実的な想定かも知れません。しかし、バブルがはじけた場合は複数年の間、下落が続いて50%~60%くらいになることもあり得ますし、同時に円高が進行することにでもなれば資産が半分以下になるかも知れません。その後に元の投資額に戻るまでに5年、10年を要することも過去の歴史ではありました。資産収入だけで暮らす場合、相当なプレッシャーと不安に苛まれると思います。
それから現在の世界的に未曾有の規模で進行している金融緩和を経た先に起こり得るバブル崩壊について、その規模と各国へのインパクトを予測するのは難しいです。日本の財政状態、人口動態予測、日銀の国債買い入れの程度などまで考えると、マクロでもミクロでもやっぱりややこしいですね。収入源の何に、どのような影響が出るのか。。。日本の物価や日本円の価値がどのようになっていくのか、等々。
どうしても自ら進んでリタイアしたいなら予定支出額にリスク係数を更にかけて、例えば400万円ならそれを2倍にして800万円として計算するなどした方が良いと思います。すると2億円あればリタイアOKという感じです。2億円あれば400万円を使いきるのに単純計算で50年になりますね。40歳代でリタイアした場合、物価上昇のリスクも考えると安心できるかはまだ微妙ですが。僕ならばリスク係数は5倍にしてから徹底したリスク分散をして管理します。
FIREを夢見て投資をするのは良いと思いますが、収入源も多様化(分散)することが生き生きとした生活をおくる上では大切だと思うのです。
