公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用ポートフォリオについて考えてみたいと思います。GPIFのホームページに掲載されている円グラフにある通り、GPIFのポートフォリオは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式の4つのカテゴリーを全て25%に設定し、定期的にこの配分率に各資産が収まるようにリバランスを行っています。
そして、運用資産額約177兆円の内、約85兆円が2020年度第3四半期時点での収益額となっています。単年度で見るとマイナスが出ていることもありますので野党からの批判もありますが、累積で85兆円以上の収益を上げているため、野党の批判は国民には響いていないかも知れません。一方、2020年は何しろ空前の株価上昇がありましたからGPIFとしては助かったというのが正直なところでしょう。
<年金積立金管理運用独立行政法人HPから抜粋>
GPIFの基本ポートフォリオはこれまで徐々に国内債券の比率を下げ、外国債券、国内株式、外国株式の比率を上げて4つのカテゴリーを2020年4月から均等配分としました。
僕の考えでは、この比率を今後も維持していくのはリスク管理上危険だと思います。2019年をベースに取引所に上場している主な株式時価総額の割合を見ると凡そ以下の様になります。
米国 50.6%
日本 7.0%
上海 5.2%
香港 4.8%
ユーロ 4.8%
ロンドン 4.7%
深圳 3.1%
カナダ 2.6%
インド 2.5%
ドイツ 2.3%
世界の金融は圧倒的に米国を軸に動いています。市場にマイナスインパクトが起きた場合、資金の流れが急激に変化して米国へ還流することは、資金の出どころとその量を考えた場合当然と言えるでしょう。そのような場合は、世界で最も信任が厚い米ドルも需要が高騰しますので、米ドル資産の比率が高い方がRisk - Rewardが健全になると思います。日本人の年金を運用しているからといって運用構成で日本の資産比率を大きくすることは僕としてはリスク管理上の問題だと思います。日本の企業が競争力をつけられるように国として取り組むことは是だと思いますが、もしも株価を下支えするのが厚労省管轄下のGPIFということになってしまえば国民として不安を感じます。2020年は日本株も大きく上昇しましたので結果は良かったと思いますが、今後もその幸運が続くと想定するのは危険だと思います。
