経済成長と自殺率 | spider-thread-21のブログ

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警察庁のまとめによると日本の2020年の自殺者数は21,081人となっています。1998年には前年比35%増の30,000人を超えて大きなニュースとなりました。ただ、2012年、2013年ごろから減少しています。これは安倍政権での経済浮上に対する期待値の高まり、そして、2012年末の政権発足後のアベノミクスによる実質的な効果、という趣旨の論調もありました。ちなみに、交通事故による死亡者数も減少傾向で、最近は年間3,000人くらいで推移しています。自殺者は減ったとは言え深刻な問題だと思います。日本では長らく出生率が低水準にも関わらず10歳から19歳の自殺者数は逆に増加していることも悲しい事実だと思います(警察庁自殺統計原票データより厚生労働省作成の資料から)

 

最近、自殺者数増加とコロナ下での景気減退をリンクさせている記事を見かけました。しかし「景気がよくなれば自殺は減る」ということについては注意が必要かも知れません。安倍政権の前の小泉政権でも「いざなみ景気」と言われ、好景気が続きました。しかしその頃の自殺者数は30,000人を超えて高止まりの状態でした。

 

警察庁の資料によると2020年の自殺の原因や動機のトップ3は以下の通りです。

 

① 健康問題(48.4%)

② 経済・生活問題(15.3%)

③ 家庭問題(14.8%)

 

一般的には生活に余裕がある場合は健康意識が高まるそうです。生活の余裕度は家庭問題にも影響を与えそうですが、裕福な家庭が円満とも限らないので難しい問題です。家庭問題は社会全体が「つながり」を担保し、親やこどもが極端な行動を取る十分前に少しづつ軌道修正できる学びの機会が身近に存在する必要があるかと思います。

 

ただ、景気がよくなると間接的効果が期待できそうです。起業が増えたり、個人の選択肢が増えるからです。ボランティアに対して報酬をきっちりと支払うことができるようになるかも知れません。精神論をおしつけるのではなく、ボランティアが継続できる、または、継続的に人員を確保できる環境を整えることも大切だと思います。社会問題を解決するためにITやAIを駆使した新たな「つながり」を模索するベンチャー企業がいくつも誕生することもあり得ますね。そういった意味では、日本のGDPが成長していくということは日本社会での可能性が増大することにつながりそうです。何しろGDPの半分は雇用者報酬なのですから。過去30年間、GDPがほとんど変わらないのは他国と比較するとびっくりしてしまいます。

 

自殺者の多くはうつ病を発症していると言われますが、その一つの現れが「トンネル・ビジョン」だと言われています。視野狭窄(トンネルの中にいるように視野が狭くなってしまう)は鬱にならなくても誰にでも起きるとも言われていますね。人生経験がこれからの若い人たちに多いのかも知れませんが、たとえば、学校でいじめに遭ったら「自分はもうおしまいだ」と悲観しすぎるよう場合です。「いじめ」は「いじめられる本人」の問題ではありません。痴漢と同じです。「痴漢されるのは派手な服装が理由だ」というようなことは間違いです。服装は関係ありません。痴漢をする方がおかしいのです。「いじめ」についても、どのような状況であっても「いじめられる側」ではなく「いじめる側」に問題があるのです。「いじめられる側」にたとえ何等かの理由があったとしても、それに対して「いじめる」という手段をとる側を正当化できないからです。「いじめる側」も親子関係などからくる心の問題を抱えているのかも知れません。これは成長して様々な経験をすると実体験で納得できるようになることが多いと思いますが、特に未成年者には「いじめられた人」にも「いじめた人」にも温かい周囲のヘルプが不可欠だと思います。

 

自殺に関する話題で、投資の話を持ち出すのは不謹慎だと思われるかも知れません。でも、僕は金融リテラシーの向上は自殺を含む様々な社会問題を減らす助けになると本気で考えています。シカゴ学派経済学者ミルトン・フリードマンは自殺も合理的選択のひとつと言って物議を醸しました。フリードマンは極端で変わり者かも知れませんが、一つ言えることがあります。人は沢山の選択肢から自分の進む道を自分で選ぶことができます。もちろん周囲の助けを借りても、社会の助けを借りてもよいのです。環境でさえ少しづつでも変えることは可能です。何かで落ち込んだり失敗してもそれで終わりではありません。退場しなければ必ずすばらしい出会いやチャンスはめぐってくると思うのです。投資をしているとそのことを痛感することが多々あります。視野をひろくもってAll-inしなければ、将来への楽しみも増えると思うのです。