新聞記事や雑誌記事によると、個人投資家の大多数である7割から9割の人は株式投資で損失を抱えているということです。この数字が正しいなら「損失を出すのは普通」ということになります。大多数の人が高く買って、安く売る、という本当はしたくないことをする羽目になっているということになりますね。そうせざるを得ない状況に追い込まれた、ということかと思いますが、どうしてそうなったのでしょうか?
私の経験からすると、多くの場合は下がった株の「塩漬け」ではないでしょうか。株価が下がって損失が出るのを見るのは嫌なものです。画面を見たくない気持ちになりますし、市場が間違っているんだ、なんて考えたりもします。ナンピンをして更に下がることもしばしばで悪循環が止まらないこともあるでしょう。別の機会に僕の失敗談なども交えて対処法を書いてみたいと思いますが、その前に以下の話が参考になるかも知れません。
昨日のブログでウォーレン・バフェットのことに触れたので、僕が考えるバフェットの長所について述べたいと思います。一般に流布されているバフェットの投資スタイルは「買った株を永久保有」というものです。しかし、これは事実ではないと思います。公開されている彼の保有銘柄を追っていくと、過去20年程度を見ても、バフェットは購入した銘柄の半分以上を3年以内に売却しています。最近ではとうとうGold嫌いのバフェットが金鉱山株を買った、と騒がれました。しかし、バリックゴールドの株は既に全株売却されています。航空株もどんどん売却しましたし、永久保有銘柄と言われていたウェルズファーゴも売却しました。銀行株の売却を進める少し前には買い増しさえしており、テレビのインタビューではパンデミック下でも売却するつもりはない、と言っていました。ところが、その後、あっと言う間に売却してしまったのです。バフェットの長所は人になんと言われようが、自分で決めたら、昨日までのコメントをひっくり返しても実行するところだと思います。そして、長期投資家としての自分のイメージや過去の自分のコメントなどにも拘らない柔軟性と強情さ?です。彼は別に忍耐強い訳ではなく、よい意味で(?)自分勝手で短気なのかもしれません。短気な人が長期投資をするにはゆるぎない確信がなければできないでしょうね。
昨日も書いた通り、過去20年のバフェットのS&P500に対する成績は勝敗が半々程度です。買った後に値下がりするような事態もあり本人もしばしば失敗を認めていますしMarketはTimingできない、最安値で買って、最高値で売るなど不可能と認めています。彼は状況に応じて損失を出すことを恐れず、利益をつかみ損ねることも恐れていないようです。ウェルズファーゴは売却後に大きく値上がりし、バフェットは失敗したと言われました。私はバフェット自身は本音では失敗したとは考えていないと思います。何故ならば退場しない限り、チャンスは何度でもやってくることを知っているからです。彼にとってはパンデミックの初期段階におけるリスクが未知の状態では、お気に入りのバンカメを残してウェルズファーゴを売却することが合理的だと判断したと思われますし、その判断が後からフラフラと変わることはないと思うのです。これがバフェットが70年に及ぶ長期間、株式市場から退場せずに現役を続けている秘訣ではないでしょうか。