新世代リーダーに贈る、スピーチ・コーチング。 -5ページ目
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「正解」だと思わせるのがリーダー

第一稿では、レーガン米国元大統領を取り上げた。第二回目となる今回は、我が国首相、鳩山総理大臣のリーダーシップについて一言。


20%の支持率を割って鳩山首相の迷走ぶりが際立っている。何といっても、麻生自民党総裁との党首討論で発言した「私は哀れな首相かもしれない」発言だ。西欧でこんな弱気な発言をしようものなら、即刻辞任に追い込まれることだろう。


迷走ぶりはそれだけでとどまらない。 29日、東京・新宿御苑で開かれた、2010年の国際生物多様性年を記念するイベントで、首相は首を前後に動かしながら「ハトマネを披露してしまったのだ。


支持率80%なら、この手のパフォーマンスも「国民の目線に近い首相」と持ち上げられたに違いない。しかし、20%を割った時点でのこのような行動は、落ち目のお笑いタレントが全裸になってメディアの注目を集めるような愚行以外なにものでもない。これが前回の「愚かな首相発言」と共に映像で流されたらどうだろう。本物の愚か者に映りはしないだろうか。


普天間基地の移設問題をはじめ、現政権が抱えている政治課題は複雑でなにが正解かだれも自信を持って言える人間はいない。そんなことは国民みんなが理解している。このような事態でリーダーが取るべき行動は何か。それはずばり、自分の下した決断が正解だと思わせる「認識」を作ること以外にない。


よきにつけ、あしきにつけ、米国大統領選挙に出馬する候補者たちは、みなこの「認識づくり」のつわものだ。ある意味、日本人は政治家に限らず、先般のトヨタ社長の米国公聴会への呼び出しも含め、「認識づくり」に対する戦略もなければ、予防策もない。人は事実ではなく「認識」で動く。こんなことは米国のコミュニケーションにかかわる人間なら、誰もが知っていることだ。


とはいうものの、民主党にはメディアコンサルタントもついているといううわさを聞く。もしかしたら、一連の迷走ぶりは、政治決断により被害をこうむる国民に向けた道化の役割を演出しているのかもしれない。「この程度の首相が下した決断だ。選んだおれたちにも責任がある」と。


もし、そうなら日本の政治家は、メディアの使い方について、ある意味、米国の政治家を超えているのかもしれない。あっぱれ!


新世代リーダーに贈る、スピーチ・コーチング。

リーダーの言葉

1986年1月28日。米国テネシー州で留学していた私は、朝目を覚ますと、いつものようにテレビのスイッチをオンにした。するとそこではニュースキャスターが悲鳴にも似た声で声を震わせながら、その日起きた悲劇を報じていた。米国の夢を乗せて打ち上げられた、宇宙探査機スペースシャトルが打ち上げ後爆発したのっだ。


すべてのチャンネルがシャトル爆発の映像で埋め尽くされていた。「9.11米国同時多発テロ」を想像してもらえるとわかるだろう。当時日本がどの程度の扱いで報じていたかは不明だが、少なくとも米国は、国中がひっくり返る位の扱いだった。


日本人留学生の私は、このような大惨事にも当初どこかデソシエイト(客観視)し、一歩引いていたところがあった。しかし、その晩、メディアから聞こえてきたレーガン元大統領のスピーチでその態度は一変する。


「(前略)私たちが忘れていたであろう勇気を、シャトルの乗組員たちは奮い起したのです。彼ら(Challenger Seven)は、明らかに彼らの挑戦がどれほど危険かを意識していましたが、それらに打ち勝って、仕事しました。 私たちは7人の英雄を悼みます(後略)」


英語力に問題のある私はすべてを聞き取れたわけではなかった。しかし、彼ら7人を包み込むようなレーガン元大統領の温かいまなざし、そして声のトーンで、すべてを感じ取ることができたのだ。


そのとき初めて、極東の留学生である私は自分ごととしてその惨事をとらえることになった。そして1週間後、レーガン元大統領が発したその弔辞は、音楽を載せたスペースシャトル爆発の映像とともにMTVから流れ出た。


涙が止まらなかった。しかしその涙は、米国民が流したそれとは必ずしも同じではなかった。もちろん、惨事に対する悲しみもあった。しかし、それ以上に、こんな局面であっても、すぐにそれをプラスに解釈し、被害者を英雄に仕立ててしまう米国大統領のリーダーシップに対する感動の方が大きかったと言えよう。


上昇する局面において、リーダーシップは問われない。このような危機的で不利な局面においてこそ、リーダーシップが問われるのだろう。その際に重要になるのが言葉である。危機的局面を打開するのに、何が正解かなんてわからない。リーダーが下した決断を「正しいと思わせる」こと、「この人と心中しよう」と思わせることができるか。その一点。

今後、このブログではそのあたりを解説してゆきたい。


新世代リーダーに贈る、スピーチ・コーチング。

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