西日本鉄道西日本鉄道貝塚線乗りつぶし | 乗りつぶしに行ってきた!

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JR全線完乗が目標!(現在は99%乗車済)

2023年10月29日(日)

11時50分 貝塚駅

 

 

福岡市の東部・貝塚と新宮町の西鉄新宮を結ぶ西鉄貝塚線

路線距離は11.0kmで全線単線となっています。

 

西日本鉄道(以下、西鉄)には今回乗車する貝塚線の他に天神大牟田線太宰府線甘木線とあって、

貝塚線を除く3路線は西鉄福岡(天神)が起点となって線路がつながっているわけですが、

貝塚線だけは福岡市営地下鉄箱崎線の終点・貝塚からが起点で他3路線とは接続しない完全に独立した路線となっています。

線路幅は狭軌で他路線(標準軌)とは異なっていて、他路線と接続していないことも含めて前身会社の違いによるもので、

過去の歴史を記すと長くなるのでここでは割愛します。

 
車両は600形の2両編成。
 
 

貝塚12時2分→西鉄新宮12時26分

 

単式ホーム1面2線の1番のりばから出発してすぐ右手に車庫(多々良車両基地)が広がっていて、

少し進んで多々良川を渡るとJR鹿児島本線の線路が近づき、

 
 

さらに左からはJR貨物の線路が並び、貨物線は一瞬で貝塚線をオーバーパスして鹿児島本線と合流していきます。

島式ホーム1面2線の名島に到着すると対向列車との行き違いを行い、それでも1分かからずに出発。

地上区間から高架区間へと入り、鹿児島本線を高速走行で小倉方面へと向かう特急ソニックに追い抜かれたところで西鉄千早に到着。

 
 

島式ホーム1面2線で2004年に高架化されたことからかなり近代的な駅で、

鹿児島本線でも同じ2004年に駅を設置したことから乗り換えも可能で利便性が高いせいか、駅周辺はマンションが多く立ち並んでいました。

引き続き高架区間を進み、単式ホーム1面1線の香椎宮前を過ぎて、

同じく高架駅の西鉄香椎に到着。島式1面2線のホーム構造で対向列車との行き違い待ちをしてから出発。

 

貝塚線では西鉄香椎香椎花園の間に新駅を設置して博多湾に広がる人工島(福岡アイランドシティ)へ延伸させる計画も一時期あったそうですが、西鉄バス路線が充実している影響で、実現の可能性は低くなっているそうです。

つい先日、博多バスターミナルから福岡アイランドシティまで西鉄バスで移動したわけですが、

道路は混雑していて、定刻通りから10分程度遅れて到着したほか、

アイランドシティは高層マンションが多く建てられているもののまだまだ更地が多く、一方で建設中のマンション(おそらく)もあって、

もしもアイランドシティの人口が多くなった場合は西鉄バスだけで賄い切れるのか、

または自家用車でもさらに交通渋滞が増す恐れがあるような気がしたので、今後の動向が気になるところです。

 

 

高架を下りきって地上区間へ入って香椎花園前に到着。

単式1面1線のホーム構造ながらも線路はもう一本敷かれていて、かつてのホーム構造は2面2線の相対式でした。

1986年に福岡市営地下鉄箱崎線貝塚まで延伸される前は香椎花園止まりの列車が設定されていたそうで、

後述しますが2007年に西鉄新宮津屋崎間が廃止されたタイミングで現在のホーム構造にしたそうで、

それでも貝塚線内で試運転を行う際に折り返しで使われるために線路は残されていて、

貝塚線で新車が投入されればひょっとしたら使われるかもしれません。

島式ホーム1面2線の唐の原を過ぎて、進行方向右手から近づく香椎線と並走して和白に到着。

 
 

香椎線との乗り換えが可能で、ホーム構造は2面2線の相対式となっていて、3度目の対向列車との行き違い待ちを行って出発。

貝塚線は15分間隔で単線上を運行していることから、わずか24分の乗車時間で3度も行き違うことになります。

途中区間では複線にできそうな用地が確保されていて、昨年乗車した京成千原線を思い出しました。

 

 

香椎線の線路をオーバーパスしてしばらく進むと下り勾配を経て相対式2面2線の三笘に到着。

オーバーパスするところはジェットコースターに乗ってるような感覚を味わえました。

香椎線はかつては西鉄が保有していて太平洋戦争中に国有化された路線で、オーバーパス部分のジェットコースターのような乗り心地は戦前の偉人によって作られたものかもしれません。

 
 
三苫を出発するとここまで立ち並んでいたマンションなどは姿を消し、急にのどかな車窓が広がるようになって、
 
 
島式1面2線の西鉄新宮に到着。
 
 

現在は終点ですが、西鉄新宮からは9.9km先の津屋崎(福津市)まで1951年に路線が伸びていました。

当時の路線名は宮地岳線といい、光の道で有名な宮地嶽神社の最寄り駅の宮地岳から旧路線名が採られています。

 
 

その昔、西鉄では博多中心部に路面電車(福岡市内線)を走らせていて、

当時の宮地岳線は市内線の貝塚線に接続する形で、博多から直接行き来できるようになっていました。

しかしながら1979年に市内線は交通渋滞解消のため貝塚線含めて全線廃止となり、一時的に起点の貝塚では他の路線へ乗り換えできない状態となっていました。

(途中駅の和白では香椎線の乗り換え可能で、1986年に福岡市営地下鉄箱崎線貝塚まで延伸されたことで貝塚から博多中心部への鉄道での移動は再び可能)

2007年には西鉄新宮津屋崎間が並行して走るJR鹿児島本線の新駅設置、車両やサービスが向上したために利用客が減少したために廃止となっています。

 

また、途中駅の西鉄福間から筑豊電気鉄道(かつて西鉄が保有)の筑豊直方を経て、最終的にかつて路面電車を走らせていた北九州まで線路をつなぐ計画があったそうで、

先に国鉄篠栗線を開通してしまい石炭が取れなくなったことにより筑豊地方の人口が減少したために実現には至らなかったそうですが、

もしも博多から北九州まで一本で線路がつながっていればJRとの価格・時間などの競争が勃発していたんだろうなと西鉄新宮の静かなホームから感じることができました。