噴水のある中庭を眺めていた。
気配を感じて顔を向ける。
「あなたがガイド?」
優しく微笑んで頷いたのは、猫か何か、動物が擬人化されたような女の子だった。
肌が薄紫で目が緑なのか、肌が薄緑で目が紫なのか、いや、肌は水色か…色はよく分からない。
人間の肌色でないのは確か。
「いつもの、ハルマンやヨーコじゃないんやね」
(ハルマンとヨーコはハイヤーセルフの名前)
「未来の私なの?」
尋ねながら、ああ宇宙人なんだ、と思った。
彼女は微笑んで曖昧に頷いた。
導かれたのはエリア5、窓際のソファー。
エリア5は何の場所だっただろう。
渡された本を開きつつ、こんなふかふかのソファーではすぐ眠くなってしまいそうだと思った。
自動ドアが開いて、さっきの少女が飲み物を運んできてくれた。
「飲み物、好きでしょ?」
聞かれて、今度は私が黙って頷く。
コーヒー、紅茶、ハーブティーにチャイにコーディアル。
私は集中したいとき、いつもたっぷりの温かい飲み物を用意する。
用意されたのが何か分からなかったけど、私はそれをすすりながら本を開いた。
真っ白だった。
心をニュートラルに、ゼロポイントにしないと読めないのだろうか。
コツが分からないけれど、目を凝らすとなんとなく、鳥が見えてきた。
鳥の設計図?
翼を広げた鳥の図に、細かい線や角度が書き入れられているように見えた。
鳥は恐竜から進化したのだと知っている。
ウロコから羽へのメタモルフォーゼ。
私は何度もそれを絵に描いている。
ウロコは羽毛に。
体は小さく軽く。
凶暴性は穏やかに
設計図を見ながら、この変化は意図して行われたものだったと知る。
地球上から凶暴性を取り除きたかったのだ。
飛ぶ特性を与えることで、体が小さく軽く進化することを分かってやったのだ。
次のページは極彩色だった。
尾長鶏やクジャクや南国の鳥達。
それらの設計者たちは、デザインを楽しんだことが伝わってくる。
デザインだけではない。
クジャクの尾羽には仕掛けが施されていたことを知る。
ひとつひとつでも成り立つけれど、集団となったとき全体で別のプログラムが始動する。
私はそれを見たことがある。
絵にも描けない美しさだった。
そして、絵に表現できないと知りつつ描いた。
「歌う銀河」だ。
妙に惹かれ、何度も描いたクジャクの尾羽。
クジャクの尾羽が次から次へと溢れ出し、渦を巻くビジョンだった。
あれは人と人の繋がり、血縁や世代交代と時間の関わりを表している。
尾羽ひとつにひとつに構造色を与えたことも、メッセージであったことに私は気づいた。
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一回目はここまで。
これは、「22を超えてゆけ」を第3章まで読んだあと、私も宇宙図書館へのビジョンが見れるか試して見たものです。
私の過去のブログが
「22を超えてゆけ~宇宙図書館をめぐる旅~/辻 麻里子 著」
に似ていると葉月さんに教えていただき、
早速購入して読みはじめたところなのですが…
確かに似ている!
この感覚を知っている!
お話の始まりが2体の渦巻く龍ですからねー
私も見たことありますよ…
さらにですねー、
主人公が宇宙図書館へ訪れる前の表現がこうです。
ひたいの裏側には青紫の炎をあげる渦巻きがあらわれた。
青紫の渦巻きと、その外を囲む白金の雲が別々の方向へ回転して、宇宙図書館へと通じる扉が徐々に開きはじめた。
まさに私の描いたこの作品!!!
脳裏に映るビジョンを、
言葉とアートで表現してゆく。
2年前、このブログのスタートするきっかけとなったパステルアートを、
このタイミングで教えてほしいと声をかけていただいたこともすべて伏線なのだろうか。
2年前、超えてゆけという22、22:22にブログをアップしていること…
何か関連している?…
しばらく、宇宙図書館を楽しみたいと思います。