白い陽射しのさす町中
アスファルトがねつをだす

じりじりとトーストされる肌
夏がちかづいてる

入道雲のようなほわほわとした
煙をはきだす君と
葉月の空のような色の
スカートはいたわたし

とおくでゆらゆら蜃気楼
いやそれとも陽炎なのかな

甘いにおいのする夕刻
夏がちかづいてる

あまったるい砂浜のような
髪の色をした君と
色付いたトマトのように
頬あからめたわたし

手をつなぐには
暑すぎるけど
すこしくらいなら我慢していいかな
夜風が開けっ放しにした窓から
暗く静かな部屋に入ってくる
わたしとあなたの隙間にある
なまぬるい柔い肌を撫でるように

いっそのことひとつになってしまえば
こんな事で泣かずにすむのに
いっそのこと嫌いになってしまえば
こんな事なんでもないはず

月の光りだけがぼんやりと
暗く静かな部屋を照らしている
わたしとあなたの背中にある
夜露のような汗を輝かせるように

いっそのこと貪ってしまえれば
こんな事で泣かずにすむのに
いっそのこと嫌いになってしまえれば
こんな事も笑えてしまうはず
昨日の夜はあつかった
きみの指先がかすかにふるえていたから
そっと中指にキスをした

耳のすみっこでは君の声と
誰かがうたう恋のうた
ああ これは恋人がでていった唄だっけ?
切ないから好き と君はいう
なぜだか胸がきしんだ

わたしはここにいるよ
わたしはでていかない
でていかないから 
君が恋人になってよ

昨日の夜は夏だった
蛍光灯の下の君は発光していたから
思わず抱き締めていた

腕のさきには君の背中がある
誰かの映画をおもいだす
ああ 恋人同士が逃げる映画なんだっけ?
悲しいから嫌い と君はいう
なんだか瞳潤んだ

わたしはここにいるよ
悲しくなんてさせない
させないから ねえ
君の恋人にしてよ