これはデザインされたネジになります。
ネジそのものも非常にデザイン性が高く、便利なモノ。それについて、少し知識を整理してみましょう。身近にも使ってますしね。
◼️そもそもネジの違いって？
製造業はわりと慣れしたんでますが、
それ以外の方はネジそのものに種類があることをあまり意識する機会がないですね。
用途によって、つくりが違ってきます。
⚫️ネジ本体の形状
本体の形でまず何種類かに分けられます。
【おねじ】でっぱってるタイプ
ボルト
一般的なネジのタイプです。
小ねじ
外径が8mm以下のボルト
止めねじ
頭のないネジ
タッピングねじ
ねじ先がとんがっていて、そのまま相手側にネジ切りしながら打てる。
木ねじ
木に打つのに特化したタッピング。
その他
座金付きボルトなど。特殊なもの。
【めねじ】うけるタイプ
ナット
ボルトを受ける側です。六角など、形状はいろいろあります。
【関連部品】
座金
ワッシャーです。平、スプリング、割れなど用途別でいろいろあります。
他にも、
止め輪、ピン、リベット などもネジまわりの部品です。
⚫️ネジの頭の形状
頭の形状が何種類かあります。
相手側に留めた後の仕上がりが変わってきます。
なべ
頭部分の角が鍋底みたく丸味がある平頭。
皿
上面がフラットで、下面がネジ部に向かい円錐型。相手面に皿もみがあれば仕上がりがフラットになります。
丸皿
上面に丸みを持った皿。
皿もみがあると表面に丸み部分が出る。
トラス
半球上でなべや皿より直径が大きい。下面がフラット。相手側の穴が大きい場合や、しっかりと固定したい時に使用。
バインド
トラスよりやや小さめ。なべ、皿よりやや大きめ。
低頭
頭の厚さが薄いタイプ。
その他マニアックなものだと、
チーズって呼ばれる、横から見ると台形のタイプなんかもあります。
⚫️ネジ頭のみぞ穴
留める時の工具が変わってきます。
すりわり
一般的にマイナスと呼ばれるタイプ。
一文字。マイナスドライバーを使います。
十字穴
プラス。十文字。
規格として実は3種類あります。みぞの深
さや幅で1番から3番まであり、それぞれドライバーが変わります。一般的なのは2番になります。ちなみに1番が細くて深いんで、1番のみぞに2番のドライバーは入りません。逆に3番は太くて浅いので強引にいけば回りますが、俗に言う「なめる」可能性があります。
プラスマイナス穴
プラスとマイナスのみぞが両方あります。
六角穴、四角穴
レンチで締める仕様。
一般的にはネジ径ごとにレンチの大きさも決まってます。
その他、
スパナを使用する平頭タイプ、
蝶ネジなどの手回しタイプ、
アイボルトなどのひっかけ部分がつくようなタイプ、
特殊な工具がいるいじり止めネジと呼ばれるタイプ などなどたくさんあります。
◼️ネジ径の概念
ネジの一番大事な部分。
ねじねじした部分の構造を理解しましょう。
物理学的なものは難しいので省略します。
ちゃんと検証され、ISOやJISなどで規格に適合したものが一般的に流通してるものになります。
規格としての違いとして、
基本は
種類、呼び径、長さ、ピッチ。
種類は日本の現行では、
ISOメートルネジの並目ねじが標準。
Mというアルファベットで表します。
他にも当社でも一部キャスターなどに使ってるインチネジ。
Wで表すウィットねじと、
Uで表すユニファイねじがあります。
ユニファイはアメリカの航空機部品などで使用してます。
呼び径は大きさを表す数字。
メートルねじはねじ山の大きさになります。そのままミリ換算です。
インチネジも同じくですが、単位と呼び名が独特。1はそのまま「イチインチ」、それの8等分を基準にするんで、W3/8の時は「サンブ」、W1/4(2/8)「ニブ」となります。大きさはネジ外径がサンブの場合、1インチ=25.4mm÷8×3で約9.53mmとなります。
長さはねじ部の長さですが、
皿のネジ頭の仲間は、頭の上面からネジ部先端までの長さ。
それ以外は、頭の下面(ネジ部の根元)からネジ部の先端までの長さになります。
相手側に入り込む部分の長さということですね。
ピッチは隣合う山同士の距離です。
マニアックな知識で行くと、メートルねじとインチねじのユニファイねじはねじ山の角度は60°、ウィットねじは55°って決まりです。なのでピッチが狭くなると谷の部分が浅くなります。
メートルねじで出回ってるのは、
並目ねじって種類が一般的でピッチは決まってます。ホームセンターなどで売ってるものはこちらなんで、そんなにピッチの概念を気にすることはありません。
インチねじはピッチの単位の概念が少し違い、1インチにある山数で数えます。
最後に普通に使うメートルねじの表記。
M6 × 20mm p=1.0 の場合
6mmのねじ山で長さが20mm、
ピッチが1.0mmは並目ネジの規格です。
以上ざっとネジの知識の一部です。
マニアックなところもありますが、
普段わたし達の身近で役立っているネジについて、少し注目してあげてください。
健気に生活を支えてくれてますんで^_^
参考になりましたら幸いです。