多種多様な樹脂の世界〜表面カバーやパーツに使ってます〜 | SP館のブログ 空間づくりのおてつだい

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昨日はパネルに着目しましたが、
パネルやスタンドで、表示物を掲示する際に透明なカバーではさむ仕様が一般的です。

その際、商品のスペックを見てみると、
アクリルやら塩ビやらPET樹脂やら、
いろんな材質があります。

これらは全て樹脂、いわゆるプラスチックの種類であり、使用する場所や価格、加工条件によって最適なものが選ばれています。


もちろん当社の商品のパーツにもたくさん使われており、商品そのものがまるまる樹脂なんてものもあります。


このエントリーでは、当社商品で使用している樹脂材質を中心で、それぞれの特徴をまとめてみます。




◼️樹脂の種類

化学的な細かい説明はここでは省略します。

単純な性質として、
熱処理で溶かせて加工できる種類と、
熱を加えて変形させた後に固い物質に変化する種類の二つに分けられるそうです。

後者はシリコン樹脂、エポキシ樹脂などの種類で、コーティング補強などに使われます。


われわれが一般的にプラスチックと認識してるものは前者の加工してあるもの。

板にしたり、型に流して固めたり、風船みたいに膨らましたり、糸状にして編んだりして製品となっています。

ここで、それぞれの樹脂の特性がいきており、私たちのようなメーカーが協力企業様の経験とノウハウのもと、材質を決定して開発を進め、商品やパーツが出来ていきます。




◼️多種多様な樹脂ごとの特性

それぞれの樹脂の特性と長所、短所をまとめてみましょう。




塩ビ(ポリ塩化ビニル)
安価で、化合物の配合で軟質・硬質が作れて加工もしやすいので、包装資材や雑貨などに良く使われています。燃えやすく処理もしやすいです。
当社の商品だと着色しやすい利点を活かしカラーBサインの面板(現行は黒のみ)、パーテーション用のカラーパイプなどに使用。
【長所】
着色しやすい。接着しやすい。安価。
硬さの調整ができる。
【短所】
高温、低温に弱い。劣化が早い。





ポリエチレン
水より軽くて成形がしやすく、水まわりの家庭用品、バケツやコップの材質です。
当社の商品だとウォーターウエイトに使用。
【長所】
水より軽い。成形しやすい。
【短所】
接着性が弱い。印刷しにくい。





アクリル
透明度がガラスより高く、加工性、コストパフォーマンスのバランスも良いので、ディスプレイの世界では非常にメジャーな材質です。レンズや医療の分野でも使われています。
当社の商品だとパネルの表面カバー、スタンドの表面カバーの大半を占め、電飾看板の面番やライトパネルのカバー、サイネージの防護面などにも使います。
【長所】
透明度が高い。耐候性。合成強度が強い。
熱加工、成形しやすい。耐薬品性。
曲げ加工できる。接着できる。
【短所】
耐衝撃性に弱い。摩擦に弱い。
燃えやすい。





PET樹脂
透明度、機械加工性が高く、熱処理により有害物質なしに融解できるので、代表的なPETボトルを始め、再利用前提の包装資材に使われてます。
当社の商品だと軽いポスターパネルの表面カバーで使用。軽量化と価格を下げるために薄く作れるPET樹脂を使用してます。
【長所】
再利用可能。透明度が高い。機械加工性が高い。
【短所】
衝撃性に弱い、変形する。
耐熱性。





ABS
耐熱性のアクリロニドル、耐衝撃性のブタジエン、成形しやすいスチレンを組み合わせた化合樹脂。それぞれの頭文字とってABS。スーツケースやヘルメットなどに使用。
当社の商品だと、力が加わるパーツや、樹脂成形のスタンド、パーテーションなどの材質に。スタンドは耐候性の高いグレードを使用しております。
【長所】
軽くて強い。メッキができる。耐熱性。
耐摩耗性。成形しやすい。
【短所】
折り曲げると白くなる。
グレードにより耐候性。




ポリカーボネート
エンジニアプラスチックと呼ばれる種類で、工業用機械などの特殊部品や乗り物などの安全品質が要求される部品にも使われます。
強度が非常に高く、寸法安定性、耐寒性なども優れています。比例して価格は高くなります。
当社の商品だとR看板用のカバー。湾曲状態でテンションのかかる状態で固定するので、前からの衝撃でも破損しないための強度が必要だからです。
【長所】
耐衝撃性が非常に高い。寸法安定性。
耐寒性。
エンジニアプラスチックの中で、透明性がある。
【短所】
高価。耐薬品性が悪い。

その他、キャスターに使われるナイロン、ネジ頭に使われるユリヤなども同じくエンジニアプラスチックで、用途として強度が必要な部分材質として使われています。






◼️樹脂の世界

種類だけ勉強してみても、これだけの特性があります…。
さらに加工方法、例えばアクリルですとローラーでところてんみたいにして作るのと、型に流しこんで固めるのでは、強度や寸法取り、変形率なども変わってくるそうです。私たちも樹脂専門の協力業者様とのお付き合いでその知識を都度現場で確認します。

他にも、塗装取り寸法、接着、溶着などのノウハウ。価格の相場

ここがポイントで、餅は餅屋。
どれだけ勉強しても、毎日商材として扱っている専門の方にはかないません。素直に教えていただくのが一番確実で早いです。

今回のエントリーはあくまで情報をまとめただけです。
これに経験ノウハウが無ければ物は作れません。

私たちも別注のご依頼があった際や、
新商品の開発の際は、
専門の協力業者様と打ち合わせをし、
仕様を決めていきます。

たくさんの知識を持っていることでなく、
たくさんのブレーンとつながりがあり、それを的確に組み合わせられるのが、プロフェッショナルです。
私たちはそうありたいと願っております。
なので、ご所望ありましたら何なりと。
自信を持ってご対応できるスタッフと協力業者様でお応えします!






参考になりましたら幸いです。


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