原油相場は小幅続落です。前日引け後の時間外取引は底堅く始まりましたが、上昇の機運が盛り上がらないまま軟化しました。

12月12日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比16セント安の$57.44/bblで、引け後の時間外取引は$57/bbl台半ばです。

 

ベネズエラ情勢は緊迫化していますが、元々制裁で供給の細っている同国の動静が世界的に大幅な供給過剰が続く市場に与える現実的な影響は軽微です。

 

今月の各機関の需給予測は EIA が若干緩む方向、OPEC は横這いで IEA はわずかに引き締まる方向で修正されました。

変化がわずかなので、大幅な供給過剰が続く大局的な見通しは変わりません。

 

そして、供給の予想はもし大きく変わるとしたらウクライナ和平進展による増加の方向であり、まとまった縮小の可能性は高くありません。

一方、中国経済に対する不安など需要側には大きな潜在的リスクが存在します。

 

インフレによるベースの上昇はあったとしても、原油価格を取り巻く環境は余り楽観的なものとは言えないでしょう。

 

ベーカー ヒューズによると、12月12日時点の米国の油井リグ稼働数は前週比1基増の414基でした。前年比は68基減少です。

2025/12/12
NYMEX WTI Jan: $57.44/bbl ( -0.16 )
20日移動平均: $58.85 ( -0.15 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.56/ -2σ: $57.14
 幅: $3.42 ( +0.27 ) / 100日平均: $5.42
ボラティリティ
 20.63 ( -0.04 ) / 100日平均: 25.48

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原油相場は反落です。前日引け後の時間外取引は軟調に始まり、$57/bblで支えられたところで一服しています。

12月11日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比86セント安の$57.60/bblで、引け後の時間外取引は$57/bbl台後半です。

 

ウクライナ和平交渉進展に対する期待感が重石となる一方でベネズエラを巡る緊張が一定のサポートを提供し、決定打の無い中で原油相場は世界的な供給過剰を背景にした下げトレンドを脱することができません。

 

この日発表の需給予測は IEA が前月の数字に比べて若干供給過剰の縮小、OPEC はわずかに拡大となりました。

国際エネルギー機関 (IEA) の12月月報によると、2025年の世界の石油需要見通しは日量1億383万バレルで前月の予想から同5万バレルの上方修正、2026年の需要予測は日量1億469万バレルで前回から同10万バレルの上方修正でした。

 

2025年の世界の石油供給見通しは日量1億620万バレルで前回から同10万バレルの下方修正、2026年の供給予測は日量1億860万バレルで前回から同20万バレルの下方修正となっています。

 

IEA 推定による11月の世界の総石油供給量は、日量1億750万バレルで前月比同61万バレル減でした。

11月の OPEC 加盟12か国の推定産油量は日量2,899万バレルで前月比同25万バレル減、OPEC+ 全体では日量4,325万バレルで前月比同36万バレル減少となっています。

 

OPEC の12月月報によると、2025年の世界の石油需要見通しは日量1億514万バレル、2026年の需要予測は同1億652万バレルで共に前月の予想と変わらずでした。

 

2025年の OPEC+ 原油を除く世界の石油供給見通しは日量6,278万バレル、2026年の供給予測は同6,354万バレルで、揃って若干の上方修正です。

 

二次ソースによる11月の OPEC 推定産油量は日量2,848万バレルで前月比変わらず、OPEC+ 全体では日量4,307万バレルで前月比同4万バレル増でした。

 

OPEC 推定の今年第3四半期の OPEC+ 原油必要量は日量4,193万バレルで、供給実績は同50万バレルの余剰となりました。第4四半期の推定必要量は日量4,304万バレルで、11月までの供給実績によると同120万バレルの不足となっています。

 


2025/12/11
NYMEX WTI Jan: $57.60/bbl ( -0.86 )
20日移動平均: $58.99 ( -0.15 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.57/ -2σ: $57.42
 幅: $3.15 ( +0.23 ) / 100日平均: $5.43
ボラティリティ
 20.67 ( -4.01 ) / 100日平均: 25.50

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原油相場は3営業日振りに小幅反発です。前日引け後の時間外取引は動意が薄く、ニューヨーク時間帯の朝方に一旦下げたものの、$57/bbl台半ばで支えられ切り返しています。

12月10日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比21セント高の$58.46/bblで、引け後の時間外取引は$58/bbl台後半です。

 

市場の空気が弱気に傾いているわけではないため、下げが続くと安値を拾う展開となります。

ただ、需給バランスの大幅な供給過剰が続く限り、下げトレンドの転換には全く新しいストーリーが求められます。

 

米国エネルギー情報局 (EIA) の週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は160~170万バレルの減少予想に対し前週比181万バレルの減少、クッシング原油在庫は同31万バレル増加でした。全米在庫は3週振りの減少で、クッシング在庫は5週振りの増加となっています。

 

原油処理量は前週比小幅減少ですが、製油所稼働率が94.5%と需要最盛期に向かっています。原油輸入量は前週比日量61万バレル増で、輸出は同40万バレル増でした。

 

 

石油製品の総出荷量は前週比日量89万バレル増で、6週振りに同2,100万バレル台となっています。

2025/12/10
NYMEX WTI Jan: $58.46/bbl ( +0.21 )
20日移動平均: $59.14 ( -0.07 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.60/ -2σ: $57.68
 幅: $2.92 ( -0.43 ) / 100日平均: $5.45
ボラティリティ
 24.68 ( -0.64 ) / 100日平均: 25.60

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米国エネルギー情報局(EIA)が12月10日に発表した週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は160~170万バレルの減少予想に対し前週比181万バレルの減少です。原油在庫は3週振りの減少となりました。

原油処理量は日量1,686万バレルで前週比同2万バレル減少、輸入は日量659万バレルで前週比同61万バレル増加となっています。国内原油生産量は日量1,385万バレルで前週比同4万バレルの増加でした。

WTI 原油先物の現物受け渡し地オクラホマ州クッシングの原油在庫は、前週比1.4%増で5週振りの増加です。

石油製品の総出荷量は日量2,108万バレルで、前週比日量89万バレルの増加。6週振りの日量2,100万バレル台で、前年比も前回に続きプラスとなっています。

ガソリン在庫は、200万バレル増加の予想に対し前週比640万バレル増加です。
生産量は日量958万バレルで前週比同18万バレル減、出荷は日量846万バレルで前週比同13万バレル増でした。

中間留分在庫は、80万バレル増加の予想に対し前週比250万バレル増加です。
生産量は日量543万バレルで前週比同38万バレル増、出荷は日量416万バレルで前週比同73万バレル増となっています。

 (参考図表)

米国エネルギー情報局(EIA)発表の週間統計(単位:1,000bbl)
              2025/12/5  前週比  前年同期比
在庫
 原油             425,691   -1,812  +3,741
 ガソリン           220,819   +6,397  +1,130
 ジェット燃料         42,569   -1,376  +662
 中間留分          116,788   +2,502  -4,547
 重油             21,685   -1,204  -2,018
 クッシング原油在庫      21,604   +308  -1,290

原油輸入量(日量)       6,589   +608  +605
原油輸出量(日量)       4,009   +396  +910
国内産油量(日量)       13,853   +38  +222
原油処理量(日量)      16,860   -16  +201
製油所稼働率         94.5%  +0.4ppt +2.1ppt
製品輸入量(日量)       1,824   +67  +278
製品輸出量(日量)       7,183   -324  +277

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原油相場は続落です。特に目新しい材料は無く、需給バランス見通しも緩和寄りに修正されて頭重い展開です。

12月9日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比63セント安の$58.25/bblで、引け後の時間外取引は$58/bbl台半ばです。

 

米国エネルギー情報局 (EIA) の12月短観によると、2025年の世界の石油需要見通しは日量1億394万バレルで前月予想から同20万バレルの下方修正、2026年の需要予測は日量1億517万バレルで前回から同3万バレルの下方修正でした。

 

一方、2025年の世界の石油供給見通しは日量1億618万バレルで前回から同20万バレルの上方修正、2026年の供給予測は日量1億743万バレルで同6万バレルの上方修正となっています。

 

EIA 推定の11月の世界の総石油供給量は日量1億870万バレルで前月比同45万バレル増、OPEC 推定産油量は日量2,873万バレルで同8万バレル減でした。

 

EIA によると、今年第4四半期の世界の石油需給バランスは日量335万バレルの供給過剰で、第3四半期の同310万バレルから余剰幅が拡大しています。来年第1四半期は同270万バレルの余剰と、供給過剰が続く見通しです。

 

 

米国シェール オイル生産地の11月の掘削済み未仕上げ坑井数は4,997基で前月比33基減。11か月連続の減少です。

掘削済みは同2基減で4か月振りの減少、仕上げ済みは同1基増となりました。

 



引け後に米国石油協会 (API) が発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は160~170万バレル減少の事前予想を超える前週比478万バレル減、クッシング原油在庫は同5万バレル増でした。

 

ガソリン在庫は前週比696万バレルと予想を大きく超える増加、中間留分は同103万バレルの増加です。

2025/12/9
NYMEX WTI Jan: $58.25/bbl ( -0.63 )
20日移動平均: $59.21 ( -0.10 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.88/ -2σ: $57.54
 幅: $3.34 ( +0.01 ) / 100日平均: $5.47
ボラティリティ
 25.32 ( +0.10 ) / 100日平均: 25.78

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