原油相場は5営業日振りに反発です。前日引け後の時間外取引は API 統計の原油在庫大幅減少で底堅い展開となりましたが、EIA 統計の数字は予想の範囲を越えず一旦落ち着いています。

12月17日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比67セント高の$55.94/bblで、引け後の時間外取引は$56/bbl台後半です。

 

$55/bblはサポートとして機能してきただけに、その水準からの一段の下げにもきっかけが必要でしょう。

ベネズエラ情勢などもあり、一気に下放れる展開が予想し難い環境であることも確かです。

 

第3四半期以降の下げトレンドの推移と比較してここ2~3日の下落は少し行き過ぎの感があり、心理的な目標達成からの修正の戻りは自然な流れです。

とはいえ、大局的には弱含みであることに変化はありません。

 

米国エネルギー情報局 (EIA) の週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は110~220万バレルの減少予想に対し前週比127万バレルの減少、クッシング原油在庫は同74万バレル減でした。全米在庫は2週連続の減少、クッシング在庫は前回5週振りに増加しましたが、再度減少に転じました。

 

原油処理量は日量1,700万バレルに達し、コロナ禍以降の需要最盛期のピーク水準に入りました。原油輸入量は前週比日量6万バレル減で、輸出は同66万バレル増となっています。

 

 

石油製品の総出荷量は日量2,000万バレル大台を維持しているものの、前週比日量51万バレル減で前年比もマイナスとなりました。

2025/12/17
NYMEX WTI Jan: $55.94/bbl ( +0.67 )
20日移動平均: $58.10 ( -0.23 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.46/ -2σ: $55.74
 幅: $4.72 ( +0.06 ) / 100日平均: $5.42
ボラティリティ
 20.43 ( -0.18 ) / 100日平均: 25.37

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米国エネルギー情報局(EIA)が12月17日に発表した週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は110~220万バレルの減少予想に対し前週比127万バレルの減少です。前回に続く減少となりました。

原油処理量は日量1,699万バレルで前週比同13万バレル増加、輸入は日量653万バレルで前週比同6万バレル減少となっています。国内原油生産量は日量1,384万バレルで前週比同1万バレルの減少でした。

WTI 原油先物の現物受け渡し地オクラホマ州クッシングの原油在庫は前週比3.4%減で、前回の増加から再び減少です。

石油製品の総出荷量は日量2,057万バレルで、前週比日量51万バレルの減少。日量2,000万バレル大台は維持していますが、前年比も3週振りにマイナスです。

ガソリン在庫は、120~210万バレル増加の予想に対し前週比481万バレル増加です。
生産量は日量961万バレルで前週比同3万バレル増、出荷は日量908万バレルで前週比同62万バレル増でした。

中間留分在庫は、30万バレル減少から200万バレル増加の予想に対し前週比171万バレル増加です。
生産量は日量520万バレルで前週比同23万バレル減、出荷は日量379万バレルで前週比同37万バレル減となっています。

 (参考図表)

米国エネルギー情報局(EIA)発表の週間統計(単位:1,000bbl)
              2025/12/12  前週比  前年同期比
在庫
 原油             424,417   -1,274  +3,401
 ガソリン           225,627   +4,808  +3,590
 ジェット燃料         43,576   +1,007  +2,244
 中間留分          118,500   +1,712  +345
 重油             22,135   +450  -2,215
 クッシング原油在庫      20,862   -742  -2,140

原油輸入量(日量)       6,525   -64  -124
原油輸出量(日量)       4,664   +655  -231
国内産油量(日量)       13,843   -10  +239
原油処理量(日量)      16,988   +128  +377
製油所稼働率         94.8%  +0.3ppt +3.0ppt
製品輸入量(日量)       2,251   +427  +250
製品輸出量(日量)       7,500   +317  +435

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原油相場は4営業日続落で、2021年2月以来の$55/bbl割れとなりました。前日引け後の時間外取引は頭重い展開で始まり、その後終日軟調に推移しています。

12月16日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比$1.55安の$55.27/bblで、引け後の時間外取引は$55/bbl台前半です。

 

ウクライナ和平交渉に対する楽観的な見通しが、需給の一段の緩和観測を生んでいます。

 

$60/bbl大台が節目の通過点としての意味しか無いのに対し、$55/bblは明確なサポートとして何度か機能してきました。

それを割ることは、相場展開が新しい局面に入ったことを象徴する出来事と言えるでしょう。

 

現在の原油相場の基調は足元で日量300万バレルともされる大幅な供給過剰による重石がダウントレンドを維持させており、一方ロシアやベネズエラ、イランなどへの制裁は更なる需給の緩みを抑制することで対抗要因となっています。

 

そのサポート要素の一角が崩れると、下げは加速することになります。

もちろん和平交渉が期待されるほどスムーズに進む保証もなく制裁が緩む見通しも不明瞭なので、一時的な下げが一服したら修正もあって然るべきでしょう。

 

しかし、トレンドを転換させ得る材料が1つ萎みつつあることで、大局的なダウントレンドの継続は動かし辛くなっています。

引け後に米国石油協会 (API) が発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は110~220万バレル減少の事前予想を大幅に上回る前週比932万バレル減、クッシング原油在庫は同51万バレル減でした。全米在庫は2週連続の減少、クッシング在庫は前回5週振りに増加した後再び減少です。

 

ガソリン在庫は予想を超える増加で前週比484万バレル増、中間留分は同251万バレル増で6週連続の増加となっています。


2025/12/16
NYMEX WTI Jan: $55.27/bbl ( -1.55 )
20日移動平均: $58.33 ( -0.32 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.66/ -2σ: $56.00
 幅: $4.65 ( +0.94 ) / 100日平均: $5.42
ボラティリティ
 20.61 ( +1.82 ) / 100日平均: 25.41

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米国石油協会 (API) が12月16日発表した週間統計によると、先週末の全米の原油在庫は110~220万バレル減少の事前予想を大幅に上回る前週比932万バレル減でした。原油在庫は前回に続く減少となりました。

WTI 原油先物取引の現物受渡し地クッシングの原油在庫は前週比51万バレル減。前回の小幅増から再び減少に転じました。

ガソリン在庫は120~210万バレル増加の予想に対し前週比484万バレル増、中間留分在庫は30万バレル減少から200万バレル増加の予想に対し前週比251万バレル増となっています。

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原油相場は3営業日続落です。ウクライナ和平交渉の進展への思惑を受けて支えが弱まり、10月以来の低水準となりました。

12月15日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比62セント安の$56.82/bblで、引け後の時間外取引は$56/bbl台半ばです。

 

長期的なダウントレンドに従って軟化を続ける原油相場ですが、$50/bbl大台前半はコロナ禍後に経験しておらず、一定のサポートが見込まれます。

 

とはいえ、世界的な需給バランの供給過剰を覆すような状況にならない限り、相場の大きな方向性が変わる可能性は高くありません。

中国国家統計局によると、11月の同国の原油処理量は日量1,486万バレル相当の6,083万トンで前年比3.9%増でした。6か月連続の増加で、年初来の累計は同4.0%増加です。


11月は原油輸入量も前年比4.9%増で、月間の国内原油需給バランスは769万トンの供給過剰と4月以来の余剰幅を記録しました。

 

今回の指標では鉱工業生産指数が14か月振りに5%を割った前月から更に低下し、また、2022年に統計発表の始まり大幅な成長を続けてきた EV 生産台数が初めて前年割れとなっています。


2025/12/15
NYMEX WTI Jan: $56.82/bbl ( -0.62 )
20日移動平均: $58.65 ( -0.19 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $60.51/ -2σ: $56.80
 幅: $3.71 ( +0.29 ) / 100日平均: $5.41
ボラティリティ
 18.79 ( -1.84 ) / 100日平均: 25.44

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