不機嫌な占い師さん-『視えないものを見えるように』

さて、20代の頃の私のお話を聞いてください。

あの頃の私は本当に自分自身が変な人間だと思い続けていましたので、いつも自分を責めていました。

書籍にもバッチリ書いてますが、妖怪やらお化けという存在も、見ていたのです。
不幸ばかり続くし、怖いモノも見るし、
自分を悪魔の子だと思っていましたから、しかも、本気で、私の体の細胞はまるで卑下細胞でできているかのように自分自身を抱えて生きていくには苦しい日々を送っていました。

その占い師は、ちょうど今の私と同じくらい、中年の女性で、尖らせた長い爪に赤いマニキュアを塗っていました。

その手は、タロットカードを並べてみたり、私の手をいきなり何も言わずに引っ張って、手相を見たり、数字を書いて計算をしたり、あらゆる占いをしてくれたのでした。

『あんた 一体何を聞きたいのかい?』

経験豊富な大人たちが、若い子を小馬鹿にするような、冷たい空気が漂っていました。

口は、への字。重たそうなまぶたに、長いつけまつげ。私の顔をまともに見ることもなくジロリと睨んでみてくるのです。

タロットカードを
手品師のように長年やってます風にシャッフルしたり、机の上にトントンとカードの裾元を当てて何度も音を立てたりして、
だるそうにされるのです。

私のところには、お仕事が占い師さんの方が多いのですが、

『Rinさん よく、どうでもいい人の話聞けますね?』

なんて
言われることがありましてね。
そのときに、大阪で会ったこの不機嫌そうな占い師さんのあのときの顔を
ふと思い出すのですが、

占い師さんは、ブラックウィルスに感染されやすい環境です。
病院のお医者さんや看護師さんと同じです。
風邪をひいてる人のそばにいると、免疫が下がっていると風邪が移ってしまうように、ブラックウィルスも体調が悪い時は感染されてしまうのです。
イライラしてる占い師さんはその症状が出てるといってもよろしいでしょう。

普段穏やかな人が居ても立ってもいられなく、そんな状況で
心を自分でコントロールできないから尋ねてこられるのです。
人には良い時だって悪い時だってありますから。
そんなダメなときを私たちは見る時があります。
その時に誰よりも目の前の人を心から冷静に愛してあげるのがこの仕事だと私は思うのです。

聞く方もかなりのスタミナがいります。
愚痴や嫉妬などは、毒性がとても強いのです。

『あんた 一体何を聞きたいのかい?』

そんな、お客様のことを、あんた呼ばわりするのは数十年前の占い師さんには、
多くいたような気がします。

少々、そんなお強い言い方をされる人の方が、ブラックウィルスを跳ね除けられるのでいいのですが、

人が弱ってるとき、まともな思考回路じゃなかったりしますから、

それを、わかってあげるため、
イライラしてブラックウィルスに感染されながらも、
更なるステップアップに、
占い師さん自身も魂の修行で、悩んでるのだと感じるときもありました。

相談者を自分の様に、大切に思えるようになったとき、
乗り越えた向こうの景色が見え、
まったく違って見えてくる時があります。

とにかく、コツコツどんなことでも
継続は力なりで、悩みながら情熱をかけてこの仕事を継続するからこそ、
パワーアップしていくと思うのです。

そうやって、その人らしい占い方法が見つかるのだと思います。

『はいはい。あんたも同じような悩みだろ?』

そんな言葉が、占い師さんから聞こえてきそうな。
感じの悪い対応をされたのですが、その占い師からふんわりと
ホワイトエネルギーを感じたのです。


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スピリチュアルカウンセラーや占い師さん、日々、いろんな方の話を聞いて、気持ちが落ちてしまう時がありますよね。ですが、初めてこの仕事をつこうと思った時、誰よりもその人の笑顔を見たいと思って始めたと思うのです。

この本には敏感で繊細で、エンパシーの強いあなたにぜひ読んで
いただきたいのです。きっと心の支えなると思います。