見えないものを視える - 続編

見えないものを視えるように、伝えるにはどうしたらいいか。そのことについてブログを書いていたら、とても長くなったので分けてお届けしています。

私たちの『思い』をないがしろにしないことで、不思議と願いが叶っていく基本的な要素があるのです。あたりまえに誰でも持つ『思う』という行為。これには、素晴らしい力が宿っています。

それらを共有することが、言葉であったり、創作品、美術品だったり、料理、踊り、歌など、さまざまな形で表現されているように思うのです。

今回は、若い頃の私の恋愛事情についてお話しします。当時の私は、周囲に合わせようとして自分らしさを失い、どこか浮いたような感覚を抱えていました。面白く脚色するのではなく、ありのままをお伝えします。

見えるもの、聞こえるもの。

見える、聞こえる、話す言葉。時に何を言っているのかわからなくても、その人の内側から溢れる暖かさや冷たさ、魂のエネルギーの姿を感じることがあります。もしかしたら見なくてもよいものを見ているのかもしれません。

でも、私の魂は心の底から好きなものを刻んでいて、この世に生まれている意味があると確信しています。私が感じるものは、心底私の魂が大事にしてきたものだと信じているのです。

8年の恋愛は長いよね…あの頃はわからんかったんよ…なはなし。

その時の私は高校2年生から社会人になって、広島と東京の遠距離も通過して8年間交際していた人とお別れしたばかりでした。私が広島にいる時は彼が東京、私が東京にいた時は彼が広島という具合に、いつも行き違いがありました。

私は仕事を辞めてほしいと3年間ずっと言われ続けていました。「結婚したら仕事を辞めて、家庭を守ってほしい」という彼の考え方に違和感を感じていたのです。

幽霊のような自分、ほんじゃけー
生きるのが辛かった…ワケか
嘘つきなわたしのはなし

まっすぐに自分の気持ちを伝えてくれる彼のことを嫌いではありませんでした。しかし、彼の願いを叶えていくための「誰でもない幽霊のような自分」だったようにも思うのです。自分の本質が薄れ、ただ彼の望みに応えるための存在になっていくような感覚がありました。わたしはあの頃とても嘘つきだったのです。それは、

彼のエネルギーを見ている時は、私を思うというよりも、自分のことだけを思っている人のようなエネルギーに感じられました。「人を好きになるということは、結局自分のことを思っているだけなのか?」と、私の中でぐるぐるモヤモヤとする日々が続いたのでした。

あの頃は言葉にできなかったけれども、「自分らしさとは何か」という問いが常に私の中にありました。

愛されていれば幸せになれると思っていました。けれども、必ずしもそうではないということも感じました。自分が自分でなくなるようなお付き合い、まるで幽霊のように透明になっていく感覚は、息苦しいものだと痛感したのです。

お付き合いをしている時も、私の着る洋服や行動についていつも縛り付けるようなことを言われていました。だからこそ、お別れをしても不思議と寂しさよりも開放感の方が強かったのです。

現実は重くて暗い家庭の事情があったんですね。

ですが、結婚を考えてもおかしくない年頃でもあり、お店で疲労で倒れて入院をたびたびしている母のことを思うと、「もうそろそろ自分の好きな仕事はやめて腹をくくらなきゃいけないのか」と悩んでいる時期でもありました。

家の借金のことを考えると、家庭を持つということ、結婚することは、私には無縁の世界のように思えたのです。

彼には借金があることを言えませんでした。

「いつも仕事ばっかりして、俺よりも仕事をいつも優先している。そんなに働いていたら、体も壊すし、家庭のこともできないと思うよ」

そんなことを言う彼に、もし借金の金額を伝えたら、「家族から離れろ!」と強く反対されるだろうと思ったのです。そして、腰を抜かして逃げていくのに、決まってると勝手に思っていました。

衝撃的でずっと忘れられんかったんよ。その占い師の言葉を思いだして、それがきっかけじゃったんよ、ね。

最後列の札を持った人の前に私は並びました。その男性に「1時間は待ちますよ」と言われましたが、私は「はい、わかりました」と素直に並びました。実際は30分でした。思いのほか早く順番が来たので、なんだかついていると感じていました。多くの人は1人数分で鑑定が終わっていたようです。

私の順番になりました。占い師の前に座った私は、心の奥底にある問いを口にしました。

「私は本当に人を愛することができるんでしょうか」

そこで、占い師に言われた言葉が衝撃的だったのです。

その占い師の言葉で…
視えないものを見えるように、
一休さんの真似をして、感情をとめて、冷静を装い試行錯誤していたお行儀の良い姿勢は元の姿に戻り我に返ったのでした。

続く…いままでの記事①〜③