人はみんな愛されたいという愛欲を持っているから、前向きな自分、元気な自分、どんな問題も乗り越えられる自分でいたいと思うし、そういう自分でなければ愛してもらえないと思っている。
そして、いつの間にか後ろ向きなクヨクヨ僻む自分を否定してしまう。
でも、自分が自分だと思っている前向きな自分こそ、理性によって作られた自分。
だから、本当の自分ではありません。
本当の自分とは、後ろ向きなクヨクヨ僻む自分。それはまだ心が育っていないから、そんな弱い自分になっているのです。
私たちはこの自分を自分の心の中に押し込め、前向きな自分こそ自分なんだと思って生きています。
でも、家族ができて、幸せになろうとすると、この後ろ向きな自分が、私も幸せになりたいと思って顔を覗かせてきます。
そんな時、私たちはその後ろ向きな自分が見えると否定してしまう。こんなのは自分じゃないと思いたいからです。
でも、否定されると心は傷つき、苦しむ。だから、私たちはこんな後ろ向きな自分が見えなければ、苦しむことはなかったと、後ろ向きな自分を見せた縁になった人を否定し、この人と一緒だから苦しむのだと思ってしまう。
人は幸せに近づくと苦しむ。それは自分の中にある本当の自分が見えるからであり、その自分を否定することなく、受け入れなければ、本当の意味で幸せになることはできないのですね。