私たちが苦しみから離れてゆく過程というのは、悪をした時に、これではいけないと思って、悪いことをしないようにしないようにしてゆく道ではありません。
なぜなら悪いことをしないようにしないようにしても、悪をやめることができず、やってしまうからです。
じゃあ、どうしたらいいか。それは悪をした時に、この悪い種まきによって苦しみを生み出してゆくのだなと受け入れることです。
そうすることで、悪の種まきの報いで苦しみがやってきた時に、私は日頃、悪を造っているから、それが跳ね返ってきて、今このように感じるのだなと因果の道理真だなと知らされます。
この因果の道理が知らされることが、自然と悪の種まきから離れてゆくという結果となるのです。
だから、悪を離れるのは、やめよう、やめようとする努力ではなく、如何に自分の種まきが現実の心の世界となって現れるのだということを知らされるかが大事なのです。
因果の道理が知らされたら、本当にこの種まきによって苦しんでいることが知らされます。
だから、苦しみたくないから、苦しみを生み出す種まきから離れてゆこうと思うのです。
それは力むことなく、自然な心の働きで悪をやらなくなる。
だから、いつも自然体で、悪をやらなくなるのです。
悪はやめようとしてやめられるものではありませんが、因果の道理が分かることで自然と離れてゆくのですね。