この世で何を手に入れても、死んでゆく時には何一つ持ってゆくことはできません。しかも、持っていた時の記憶さえも失います。
だから、この世のことはすべて死んでゆく時には夢幻と消えてゆくのです。
そういう意味で、真実から言えば、何を手に入れても、無いのと同じ。それによって自分の価値にすることはできません。
これを仏教で空と言います。
私たちは空という真実を知らない為に、最後は置いてゆくものの為に人生の多くの時間を使います。
でも、求めることに苦労すればするほど、失ってゆく時は後悔しかなりません。
しかし、私たちは自分が死ぬとは思えないので、死ぬその瞬間まで求めてしまうのです。
だから、多くの人の人生は後悔で終わるのです。
死んでゆく時には何一つ持って行けない。それを頭で分かっていても、本当には分かっていない人ばかり。
みんな無意味な人生を意味があると思って生きているのですね。