煩悩とは、まわりと比べて自分が上か、下かを問題にする心。それは自分が上になることで、価値のある人間と思えるからです。
では、なぜ価値にとらわれるのでしょうか?
それは価値があれば、まわりの人は自分のことを大事にしてくれると思うからです。
私たちの心には、言いしれない程の寂しさを抱えています。
じゃあ、寂しいなら自分から近づいてゆけばいいじゃないかと思うのですが、近づいて否定されたら苦しいと思っているので、自分から近づくことができず、他人の方から近づいて欲しいと思ってしまうのです。
そして、近づいてもらうには、価値のある人間にならなければならないと思っているから、他人と比べていつも自分が上でいたいと思うのです。
でも、どんなに上に立って価値のある人間に立ったとしても、自分が思うように他人が近づいてきてくれる訳ではありません。
真実から言えば、他人から近づいてもらうよりも、他人に近づいていった方がいいに決まっています。
でも、否定されることが怖くて、自分から近づくよりも、他人に近づいてきて欲しいと思ってしまうのです。
煩悩から離れるには、勇気を出して自分からいつも近づいてゆくことが大切です。そして、関係がこじれても、何度も謝って修復してゆく。
そうすることで、自分の心の中にある寂しさを癒してゆくことができるのです。