我他彼此とは、自分と他人を分けて、自分と他人は関係ないと思う心です。
たとえば、相手が悪いと思ったならば、相手が傷つくことを言ったりすることがあります。この時、相手を傷ついても、それは相手が悪いのだから、傷つくのは当然の報いだと思っています。
じゃあ、自分が傷つけられるようなことを言われたら、それは自分が悪かったのだから、当然の報いだと思えるでしょうか?
もしそんなことをされたら、腹が立って相手のことを許すことはできないと思います。でも、自分がされたら嫌なことなのに、他人に対しては平気でできる。これが我他彼此の心なのです。
相手が傷ついても、それは自分とは関係ないと思うから、平気でおれる。相手は傷ついているのに、可哀想だとは思わないのです。
私たちは自分と他人は違うと思うから、無慈悲になれる。平気で傷つけられるし、苦しんでいても何とも思いません。
でも、真実から言ったならば、相手に対してやったことは自分へと跳ね返る。相手を傷つけたら、自分の心も傷つくのです。
だから、相手と自分は関係ないと思って、傷つけることは真実が分かったらできません。
この真実が分かる方を仏と言うのです。