私たちはお金があると、そのお金を使って何を買おうかなと思うものです。
しかし、仏教から言ったならば、お金を使って物に買えたならば、その物を大事に使わなければなりません。
それは自分のものをどう扱うかによって自分の存在価値が決まるからです。
だから、大事に使えば、存在価値が上がるし、粗末に扱えば、存在価値が下がる。
そして、存在価値が高いか低いかによって、自分の幸福度も変わってゆきます。
だから、お金があるからと言って、何を買ってもいいと言う訳では無い。大事に使えるかどうか、それを考えて使わなければなりません。
そう考えてみると、人生の中で本当に大事にできるものは少ないなと感じます。
私たちがお金を使う時は、ほとんどの場合、それを本当に大事に使えるかどうか考えることなく、ただ欲しいと欲を起こして買います。
そして、欲で買ったものは大して大事にすることなく、一度自分のものになると関心がなくなり、放っておいてしまいます。
そんなものが家に溜まってゆき、欲で買う限り、次から次へと欲しくなり、お金がいくらあっても足りなくなります。
そして、ものが増えれば増えるほど、自分の存在も大事に思えなくなり、自分の人生を大事に思おうと思わなくなる。
そういう意味で、幸せになりたいと思ったならば、買ったものを如何に大事にするか、それが大切だと感じます。
買いたいものは無限にあっても、使う時間には限りがある。だから、どんなに欲しくても使う時間が取れないから買えないのです。
また、何かを新たに使うと、今まで使っていたものを使わなくなる。だから、今まで大事にしてきたものをこれからも大事にしてゆきたいから、やっぱり新たなものを買う時は慎重になる。
そうやって、ものを大事にする習慣が身につくと、自分の人生も大事にしたいと思うようになります。
幸せとは自分を大事にすることによって生み出される。その出発点がまずものを大事にすることなのです。