人生好きなだけ欲を満たすことができたら、幸せだと思う人がいます。
確かに欲を満たすことは楽しいし、時間ができたら、少しでも欲を満たしたいという気持ちも分かります。
でも、欲を満たしてみると、時は瞬く間に流れ、気がついたら、やらなければならないことがあっても、後回しにして、本当にやらなければならない状態にならないとやりません。
そして、心の中では、豊かになったら、やらなければならないことがある人生から解放されると思っています。
でも、もしやらなければならないことが全部無くなり、好きなだけ欲に流れることができたらどうでしょうか?
そうなったら、毎日が流れるように過ぎ去り、一年でも十年でも、瞬く間に過ぎ去ってしまうでしょう。
一度欲に流れると、どれだけでも欲に流れることができるのは、欲に流れている間は、時間が早送りされて、時間を過ごしたように感じないからです。
だから、自分の中ではちょっと欲に流れただけのように感じても、実際には、膨大な時間が過ぎてしまっているのです。
時間の感じ方は一定ではありません。
欲に流れる時間が長ければ長いほど、実感として、人生の長さは短くなります。
だから、好きなだけ欲に流れることができる人生は、あっという間に老人になって、死んでゆかなければなりません。
生きている人間にとって、死ぬことほど恐ろしいことはありません。
欲はその死に早送りのように、どんどんと近づいてしまうのです。
死にたくないからこそ、限られた人生を大事に時間を過ごさなければ、悔いが残ります。
もうはまだなり、まだはもうなり。
人生はまだまだ沢山あると欲に流れていたら、気がついたらもう臨終がやってきます。
でも、もう間もなく死がやってくると時間を大事に生きたならば、まだまだ臨終まで使える時間は沢山あります。
人生には限りがあると思って、残された時間を大事にしてこそ、悔いのない過ごし方ができるのです。