私たちの魂は死んだらどうなるか知っている。それがあまりにも不安で恐ろしいので、それを闇で覆い隠し、死んだらどうなるか分からなくさせることで安心している。
だから、死という恐ろしい未来があったら、今も心が不安で居ても立ってもおれないのに、死んだらどうなるか分からないから、死んだら死んだ時だと安心して、死を考えることを先へ先へと追いやってゆく。
この死んだらどうなるか分からなくさせる心を無明の闇といい、無明の闇があるから、本当に死ぬその瞬間まで死を考えることなく、死はいつも突然やってくる。この無明の闇こそ、死を一大事にさせている心。何故なら何の準備もせずに、死んでしまうからだ。
この無明の闇がある限り、人はみな臨終で後悔と恐れを起こしながら死んでゆかなければならないのです。