還相の回向ととくことは 利他教化の果をえしめ すなわち諸有に回入して 普賢の徳を修するなり
還相回向というのは何かと言えば、二河白道を進み、目の前の相手が苦しむのは、愛欲が原因であり、この愛欲が歪んだ形で現れるのが煩悩であり、苦しみなんだと知らされ、自分も愛欲が根本で動いているように、みんな愛欲が根本で動いているのだと知られる。そして、このことによって相手と自分は何も変わらないものであり、相手が自分のように思えるようになる。だから、相手の苦しみを放っておくことは自分を放っておくように感じて、人々の苦しみを取り除く為に、苦しみの中に飛び込んで、自分が責められても馬鹿にされても、それをしなければ、相手を育てることができないと忍び、利他を実践するようになる。