弥陀の回向成就して 往相還相ふたつなり これらの回向によりてこそ 心行ともにえしむなり
阿弥陀仏に救われるとは、阿弥陀仏から慈悲の心を頂くということ。そうしたならば、煩悩一杯の私の心に慈悲の心が起きる。でも、この慈悲の心は私の心ではなく、阿弥陀仏の御心。だから、この心に動かされてやることは、すべて他力。
私には慈悲の心はないが、慈悲の心に動かされて、相手と向き合い、二河白道を進んでゆく。これが往相回向。そうやって、二河白道を進んでゆくことによって、私の心が慈悲の心になるときが来る。これが還相回向。
だから、阿弥陀仏の御心を頂いたならば、往相還相の二つが収まっている。だから、阿弥陀仏に救われるとは、ただ自分が救われて嬉しいというだけでなく、現実と向き合う力を頂く。これが心行であり、この力があるから、私たちはたくましく悟りの道を進んでゆくことができるのです。