どうもこんにちは!
ある時は暇な主婦、ある時は元教員、
ある時は腐女子、ある時は漫画オタ、
ある時は妊婦、ある時は栄養士、
ある時は売れない結婚相談所代表の妻、
そよ風うららです!
元中学校教員がお送りします、『二月の勝者』2話の感想です。1話の感想はこちらです。
2話の感想として、まず1個、めちゃくちゃ反省したというか、イタかったことなのですが
私は親目線であり、たまに教師目線としても観てしまうのですが、今回は教える立場での感想メインになります。
黒木「私は誰ひとりとしてできない生徒だなんて思っていません」
この台詞にはもう、ハッとさせられました。
正しく、勉強ができなかった私だからこそ、できない子の気持ちを分かってあげられるなどと思って教師をやっていました。でも、実際は
ああー……私も、佐倉先生みたいなどちらかというと
この子には荷が重いんじゃないか
なんて勝手に心配してしまうような教師であったな、と素直に胸が痛かったです。
これって、母親のような気持ちなのです。頑張らせすぎて、期待させて出来なかったら可哀そう……とか思ってしまう。自分の自信の無さも問題だと思うのですが。
そういえば、私が最初に赴任した学校でもこんなことがありました。
A君というちょっと変わった男の子がいました。
勉強はいつもクラスで最下位。10年前のことなのでご両親のことはちょっと忘れましたが、行事や迎えなどにはいつもお婆ちゃんが来てくれ、お婆ちゃんと大の仲良し。
「先生って、若いし○○先生と比べたら全然ダメだよね~」なんて無邪気に言ってくるような子です。空気のよめないというか、皆が気を使って言わないようなことを平気で言う子です。構って欲しくて言うのか、本当に分からなくて言うのか、当時の私は分からずに「そうなんだよ~全然ダメなんだけど、でも一生懸命頑張るよ
」と、ダメと事実を言われて傷つきながらも彼の言葉を受け止めていました(こういう所はちょっと橘先生っぽいかもしれませんが、若さと勢いで乗り切った感じです)


田舎の中学生だし、彼に悪気があるようにも見えず、私もニコニコと話を聞いていたのですが
(今だったら、田舎だからこそ、そういうことをあけすけに言うのは悪いことじゃないけど自分が不利になるかもしれないよと教えてあげるのが優しさなのか、迷うところです。個性という意味では全く問題ないんだけど、世渡りという意味ではどうなのか……東京に来て、まぁゴマスリの上手い子達、コミュ力の高い子達と接する機会が増えて絶句しましたしね)
でも職員室での彼の評判は結構悪かったようで、学年で最下位な彼にもっと勉強を教えてあげようとか、こうしたら出来るようになるんじゃないか、なんて言いだす先生は一人もいませんでした。その時、新人の私としても、佐倉先生のように彼にどうにか勉強をできるようになって貰うには……と悩むことも何度かありました。
しかし困ったことに、私がバカすぎて自分の教科しかできないので物理的に教える事が出来ないのです

それで何度かジレンマを抱えたことはあるのですが、ま、じ、で、物理的に教えられないからどうすることもできず


彼に教える為に私が他の先生に教えを請わないといけないという状態。私が苦労や恥をかくことは全然厭わないくらいのやる気はあったのですが、それだと他の先生に時間と手間をとらせてしまうんですよね……私に教える時間をとらせてしまう










それで彼への個別指導などの計画は全然進まないままだけど何とか気合いと若さで乗り切った1年目だったわけですが。
その次の年にいらした新しい先生が、私と同じ教科で且つめちゃくちゃ勉強のできる優しい方だったのです。
ちょっと神がかって見える程、他の先生とは一線を画した感じにデキる先生でした。
その先生をN先生とします。N先生は、来てすぐにA君という問題を抱えた生徒に気付き、「私が勉強を放課後に見るわよ」と早速他の先生達に根回ししてマンツーマンで放課後に授業をしていました。(他にも見て欲しい子がいたらいつでも見ると言って指導をしていましたが、他の子たちは教科の先生にも質問できるし、田舎なので99%の子達はそのまま近くの公立高校に進学するので、大勢の生徒が詰めかけるとか、カレンのようにマンツーマンを妬むなどということはありません)
この話を聞いたとき、その学校に長くいるベテランの他の先生達は
「あのA君ができるようになるわけない」
「そんな指導は無駄ですよ」
とN先生に言ったそうです。
酷い先生達です。
子どもの可能性を信じてあげないなんて。
(自分達もやってみようとしたけど出来なかったのだから、という意味が含まれているのか、それとも何もやらないでA君の状況を見ただけで無駄と言ったのかどうかは定かではありません。)
そして、自分もそうだったかもしれない、と胸が痛かったです。
私はどんなに自分の教科で頑張っても、興味を持たせたり、この授業楽しかった~と思わせてあげられたとしても、他の教科まで見てあげられないジレンマを感じていたのにそれでも、私もどこかでそんな風に、彼には勉強を酷使させない方が良いんじゃないか、彼にはできないんじゃないか、などと諦めていたんだな、と思います。
何故なら、そのN先生が勉強を見るようになってから、A君の成績はぐんぐん上がっていったからです。
可愛げのないことを言う変わった子だから面倒な子だからという理由で彼に勉強させようとか、ちゃんと説明しようと思う先生が今までいなかっただけだったのです。
3学期、高校入試が近づいた頃にA君は言ったそうです。
A君「N先生がいなかったら、あのままだったら俺は今、勉強が全然分からなくてすごく困っていただろうな」と。
A君がいかに勉強を理解し、自信がついたかが分かる、彼が変化したことが分かる言葉だと思います。
ちなみに「先生」モノといえば、私の世代は「金八先生」よりもこっち👇👇ですよね
黒木「私は誰ひとりとしてできない生徒だなんて思っていません」
この台詞は、言われると本当に痛い言葉です。
正しく、勉強ができなかった私だからこそ、できない子の気持ちを分かってあげられるなどと思って教師をやっていました。でも、やはりそういう子に勉強の楽しさを教えられるのも、勉強の楽しさを知っている「できる先生」なのかもしれません。
※佐倉先生は私のように勉強ができないから…という理由で教師になったわけではないと思いますが
でもそれじゃスキルやテクニックのない私達は立つ瀬がないじゃないか
いやいや、しかし佐倉先生が匠くんの力になりたいと諦めなかったから「鉄道好き」というキーワードを突き止めたわけで、今回の「塾辞めるかも問題」が解決したのです。
N先生がいなかった前年度、他の先生からは「変わった子」としか見られていなかったA君が、何でも好きに言える気の置けない私と言う先生が一人いたことで、少しでも気持ちが楽になっていたら良いなと思います。「soyoみたいに何もできない人でも先生やれてんだから俺も大丈夫だな」くらい思ってくれてたら嬉しい
言われたわけじゃないからただの願望だけど。


黒木先生みたいに
勉強を完璧に教えられて且つ「できない子は一人もいない」と心から思ってる先生って、最強だな





と思いました。
そんな先生に出会いたいものです。
「ドクターX」もそうだけど、完璧な主人公が流行りでしょうか。殆どの人は完璧じゃないから、完璧な人に憧れるのよね。
でも何か完璧な主人公の弱点って、口が悪いとか素行が悪いとか金にうるさいとか、そういうキャラが多いですよね

そこが愛嬌なのかな?



閲覧ありがとうございました。