臓腑の鬱滞 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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 私が若いころにグラビア・アイドルをしていて、いまは美容食の専門家をしているという人のお話を聴きました。

 そちらの道に進んでいたきっかけは、現役の時代にした経験にあったのだといいます。

 売れっ子ではたいていた頃、どうもいつも疲れていて顔色も悪いと思っていたそうなのですが、東洋医学の門をたたいたときに、そこの先生から「あなたは食べ過ぎだから断食をしなさい」と言われたと言うのです。

 美容には気を付けていたはずなのにそういわれたこともあったのでしょう、いまほどカジュアルにファスティングなどということがされていない時代です、彼女は当然反発を覚えたそうなのですが、それでもえらいことに先生の言葉にしたがって三日間の断食に挑戦したそうなのです。

 もちろん絶食には専門家の指導が必要です。彼女もその先生の元に三日間通ったと言っていました。

 結果、やってゆくうちに疲労感は高まるどころかみるみるなくなり、活力に満ちてすがすがしい気分になったと言うのです。肌の感じも回復したそうです。

 これは、気功学で考えると非常に納得のゆくことです。

 彼女は、時間の不規則で拘束の長い仕事をしていたためにお腹が減って居なくても食べられるときに食事を摂っていたそうなのですが、その結果、体内に食べ物が詰まってしまっていたというのです。

 この、身体が詰まってしまうことを鬱滞といいます。

 気功の考えでは、あらゆる力のことを気と言います。オカルト好き気を引くように思わせぶりないいかたをする商売人が多いですが、気という気はありません。

 すべての物が気です。 

 その気は、五行相生や相克という変化をしながら世界を巡っています。これはつまり、化学変化ということです。

 この考えの元、気功では人間の身体を気の通る道だとみなします。

 酸素を吸って二酸化炭素に変化させて吐き出したり、太陽の光(陽の気ですね)を浴びてビタミンを生成したりしています。

 そういった一連の自然科学的な営みの中で、食べ物を取り入れている訳ですが、そのようにして入れた食べ物の栄養のことを水穀の気と呼びます。

 体内にある内臓のことを、東洋医学では五臓六腑と言いますが、この臓とは入れた物を貯めるところ、腑というのは通り過ぎるところです。

 食べ物は腑で消化され、臓で吸収されます。

 そして人体と言う通り道の最後では排泄される訳ですが、上のタレントさんのように体内の道を食べ物が通過する前に詰め込み過ぎると渋滞が起きます。鬱滞ですね。

 こうなると、臓器が疲弊するのはもちろんなのですが、それ以前に体内に沢山の腐敗した物が詰め込まれた状態にあるということに注意が必要です。

 人体を道を見なすと言いましたが、こうなるとまるで腐敗物をパンパンに詰め込んだ袋です。

 そうなると、本来は排泄されるはずの物からにじみ出た物を吸収し続けることになる訳で、それは体内から毛穴と言う出口に向かってゆき、皮膚に至ります。

 この結果、彼女は慢性疲労と肌通艶の悪さを覚えていたということです。

 このケースでは、食べ物を詰め込み過ぎると言う原因を辞めたことで、自然に詰まっている物が出てゆくようにしています。

 同様のことを、気功ではいくつかの方法で行うことが可能です。

 鍼を用いることもあるでしょうし、導引によって排泄を行うことも可能でしょう。洗臓功という物もあります。

 我々の看板にもなっている、内臓の気功マッサージ、気内臓では直接外部からこれに触ってアプローチが出来ます。

 臓器にはホルモンの分泌機能があり、その働きによって快楽物質などの分泌が変わります。

 大腸の働きがセロトニンの分泌に繋がっているというのはよく言われることです。

 そのような役割もある臓器が鬱滞して働きが悪くなると、ホルモン分泌によって情緒も不安定になります。

 女性の場合は特にそのようなことは実体験でよくお判りいただける方が多いのではないかと思われます。

 気内臓療法や気功法はそのような臓器へのアプローチから体内に取り入れた物の通りを良くし、身体と心が健やかに居られる毎日をもたらします。