第21回東京セミナーが終わりました。
世話人としての南風は、けっこう疲れました。
無事終わって、ホッとしているところです。
基本が主で、形はあまりやらなかったのですが、
トルクの説明過程で、
形の挙動が例になることがありました。
それが「すべての挙動にトルクをかける」です。
形は、全て同じなので、どれでも一緒です。
ナイファンチでもピンアンでもネ。
前後か、左右か、の違いはありますが、
初動は全て同じですよね。
手が先で、股関節カックンを使って半々で落ちます。
この初動の一手にトルクを掛けます。
ナイファンチ初段は、前交差なので、この形だけ違いますが、
他の形は、全て、押忍のクロスが入るか入らないかの違いか、
クーシャンクーの観空様式が入るかどうかだけで、
初動は、手が先で、股関節カックンを使って半々で落ちます。
ナイファンチ(原型)は、半々じゃないかも?
だけど、マアマア同じです。
半々に落ちなくても、全ての形の初動は、トルクをかけます。
なるほどそうか!
こう考えると、ナイファンチ初段とナイファンチ(原型)だけは、
股関節カックンを使って半々で落ちてないんですね。
なるほど、なるほど。
さてさて、次の挙動からも、同じ様に全ての挙動にトルクをかけます。
トルク?覚えてますか?
回転することで生じる力でしたね?
力学において、トルクとは、
ある固定された回転軸を中心にはたらく、
回転軸の周りの力のモーメント(物理量)です。
一般的には「ねじりの強さ」のこと。
要するに、ねじって力を作用させることです。
上腕のトルクと前腕のトルク覚えていますか?
上腕は、肘を正中線に激突させることでトルクを掛けます。
肘を支点にして肘窩を上に向けた状態で、そこから、
前腕は、尺骨を支点にして、橈骨を被せることで掛けます。
そこから逆回転すると、上腕のトルクが更に掛かります。
右手も左手も、内回しでトルクをかけ、外回しでもトルクがかかります。
喉輪も、裏拳も、鉄槌も、正拳も、首折り(頭部捻り)も、
全て同じ身体操作で、トルクをかけます。
それが「すべての挙動にトルクをかける」です。
ピンアンでは、左から始まります。
トルクをかけて2~3挙動行った後、
右側に転身します。
転身するときにも、トルクをかけながら、
前腕に捻りを加えながら転身します。
ピンアン初段は、鉄槌にトルクを掛けますし、
ピンアン二段は、正拳もあたりまえにトルクで突きます。
半身の前腕打ち三回、トルクトルクトルクです。
ピンアン三段も、左右の手がトルクで上下に交差します。
転身も、トルクをかけながら、持ち上げ差し込み上下交差です。
あっ!ここで思い出した!
正中線だ!
肩に力が入ると両手が短くなって、形が小さいと感じるのは、
両手が、両肘が、どんどん正中線から離れてしまうからです。
両手が短くなると、肘が、掌が、正中線まで届かなくなる。
そうすると、トルクが掛かり難くなって、
力感やスピード感が出なくなって、美しくなくなります。
これが、審査を受けた仲間の形を見て感じたことです。
逆に言うと、両手が、両肘が、正中線を通ってトルクが掛かると、
力感やスピード感が出て、形が美しくなります。
幸いにも、我々には、仲間も居るし、映像もあるので、
形の挙動を覚えている人に、チェックしてもらいましょう。
しかも、自分の映像を仲間に撮影してもらって、
自分でチェックすることも、可能です。
是非是非、縮こまった形から脱却して、
形の全ての挙動にトルクを掛けましょう。
これが、第21回沖縄空手セミナーの内容の一つでした。
お読みいただき有難うございました。
それから、
無想会会員諸兄には、謝っておきます。ゴメンナサイ。
今回の映像は、残念ながら、固定カメラ回しっぱなしなので、
良い映像は、撮れていないと思います。