沖縄空手の正拳突き | 南風のブログ

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脳梗塞患者で闘病生活中です。
介護福祉士国家試験受験指導始めました。
社会福祉士国家試験受験指導やってます。
看護学生のための社会福祉読本作成してます。
沖縄空手道無想会世話人に復帰しました。
https://southernwind.stores.jp/

体調不良の脳梗塞患者である南風ですが、

仕事が一年中で最も忙しいシーズン。

筋トレも形もできません。

ですが、今日は休日です。

久々に、自宅のパソコンでブログを書いてます。

またまた久々に、沖縄空手の正拳突きについて。

 

現代空手と沖縄空手の違いは判りますか?

現代空手も沖縄空手も、一応引手はとります。

現代空手は、正拳をつくって、引手をとります。

沖縄空手は、正拳をつくらず、開手のまま引手です。

ですから、引手が正拳なのが現代空手、引手が開手なのが沖縄空手です。

引手が正拳の沖縄空手は、現代沖縄空手です。

 

現代空手の正拳は、小指の第一関節から順々に指を畳みます。

隙間なく握って親指でストッパーを掛けます。

これは、正しく伝わっています。

江戸時代の沖縄空手も、同じです。

引手が開手ですが、突きを出す過程で、同じことを行います。

 

違いは、隙間です。

現代空手の正拳は、隙間なく握ります。

沖縄空手の正拳は、隙間を空けて握ります。

うずらの卵を潰さない隙間です。

 

南風のの読者の皆さんは、耳に胼胝でしょうが、

安全性重視で、江戸時代の沖縄空手は近代空手に変化しました。

 

一般的には、近代空手の父は、船越義珍先生です。

今野敏先生の名著『義珍の拳』の主人公ですぞ。

 

 

船越義珍先生は、1935(昭和10)年に、沖縄式から日本式に苗字を変更しているので、

1935(昭和10)年以前が富名腰(冨名腰)義珍先生で、以降が船越義珍先生です

 

しかし、本当の「近代空手の父」は、

糸洲安恒先生です。

 

 

糸洲安恒先生が、それまで一人ひとりに個別に指導されていた「唐手」を、

1905(明治38)年から沖縄の中学校で集団に指導することになりました。

沖縄空手を集団指導化(大衆化)するにあたって、

糸洲安恒先生は、安全性を重視した変更を行いました。

 

突き指等し難いのが、現代空手の正拳です。

そのかわり、現代空手の正拳は屈筋を使用したまま、

ブレーキを掛けた状態から始めて終えますから、

速さ(スピード)は犠牲にされました。

 

現代空手の正拳は、握った正拳自体を鍛えます。

沖縄空手の正拳は、過程を鍛えます。

伸筋のみで突いて、指を畳む小指と薬指の屈筋すら、

人差し指と中指を送り出すのに使用します。

拳頭が目標(相手)に中ってからも、うずら卵の隙間を潰して、

相手にエネルギーを差し込みます。

 

逆に言うと、相手に拳頭が当たりさえすれば、

そこからまた、自由自在になります。

あとは、関係なく、好きな様にコントロール可能です。

 

 

もちろん、現在空手の突きが安全なのと比較して、

沖縄空手の突きは危険です。自分にも、相手にもね。

突き指の可能性は高いし、指も手首も、脱臼や捻挫する可能性もあります。

ですから、沖縄空手を集団指導化(大衆化)するにあたって、

糸洲安恒先生が、安全性を重視した変更を行うのは、当然のことですし、

大変効果があったのだと思います。

 

でもねぇ。江戸時代の沖縄空手の突きは、面白いし、

奥が深いです。

けっこう楽しいです。

拳頭が当たりさえすれば、あとはどうでも良いんだから。

極端なことを言えば、握っても握らなくても良い。

上下左右、自在に変化して良い。

上下左右だけでなく前後ですら自由です。

引いても引かなくても良い。

落としても捻っても良い。

 

もちろん、南風の相手をしてくれるのは、

愛用の巻き藁だけで、

人間を相手に突くことはないのですけどもね。

 

 

 

お読みいただきどうもありがとうございました。