『看護学生のための社会福祉読本』の内容を一部公開しています。
『看護学生のための社会福祉読本』は、
「看護師国家試験」の「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題の解説を文章化したものです。
この2022年版では、第94~111回の過去18年間の看護師国家試験問題の中から
「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題を約1400問選んで、それを解説し文章化してあります。
ですから、この本を一通り読むと、社会福祉士や介護福祉士と共通する過去18年間の看護師国家試験問題
約1400問を体験したことになります。
さらに、第100~108回の過去9年間の保健師国家試験問題990問のうち
統計学の計算問題等を抜いて800問程度、文章化して加筆してあります。
「看護師国家試験」と「保健師国家試験」の受験生の方に活用していただけると嬉しいです。
今回のテーマは、「病気の予防(一次予防、二次予防、三次予防)」です。
病気の予防(一次予防、二次予防、三次予防)
一次予防、二次予防、三次予防という分類があります。このなかで、純粋に予防(予め防ぐ)という意味で使われているのは、「一次予防」です。「一次予防」には、「健康増進・疾病予防」と「特異的予防」があります。「健康増進・疾病予防」は、健康教育による正しい知識の普及、栄養指導や啓発活動、生活改善、体力増強、ストレスの軽減、心の健康づくり、安心して受診できる体制づくりや性感染症予防のためのコンドームの使用等があります。
特異的予防は、予防接種、事故防止、職業病対策、公害防止対策になります。高齢者の肺炎の一次予防では、口腔内の衛生管理が健康増進・疾病予防に該当し、肺炎球菌ワクチンの接種が特異的予防に該当します。結核に対する特異的予防はBCG接種になります。
生活習慣病の防止のための、適切な食生活や健全な生活習慣づくり、不健康な生活習慣の改善などは、病気になる前の段階では「一次予防」ですが、病後の場合は「三次予防」になります。
「二次予防」は、疾病の早期発見と早期治療(プライマリ・ヘルス・ケア)を意味しており、健診や検診のことです。「健診」は総合的な健康診断のことで、「検診」は特定の病気について検査することです。
「三次予防」は、既に顕在化している疾病への対応策です。悪化や再発、続発症の予防、合併症の防止やリハビリテーションのことを言います。リハビリテーションは、社会復帰への支援までを含みます。生活習慣病の三次予防は、社会復帰のためのリハビリテーションです。呼吸リハビリテーションは、高齢者の肺炎の三次予防です。
施設でのノロウイルスの感染拡大の防止としては、換気と汚染区域への立ち入り規制、殺菌力の強い塩素系の消毒剤での消毒などです。二次感染拡大防止のために必要なことは、石鹸と流水による手洗いとタオル等の患者との共有を避けることです。これらは、インフルエンザ等他の疾病にも当てはまります。
『看護学生のための社会福祉読本』はこちらで購入できます。