『看護学生のための社会福祉読本』の内容を一部公開しています。
『看護学生のための社会福祉読本』は、
「看護師国家試験」の「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題の解説を文章化したものです。
この2022年版では、第94~111回の過去18年間の看護師国家試験問題の中から
「社会福祉士」と「介護福祉士」に共通する問題を約1400問選んで、それを解説し文章化してあります。
ですから、この本を一通り読むと、社会福祉士や介護福祉士と共通する過去18年間の看護師国家試験問題
約1400問を体験したことになります。
さらに、第100~108回の過去9年間の保健師国家試験問題990問のうち
統計学の計算問題等を抜いて800問程度、文章化して加筆してあります。
「看護師国家試験」と「保健師国家試験」の受験生の方に活用していただけると嬉しいです。
今回のテーマは、「セルフケア行動」です。
セルフケア行動
セルフケアとは、自分自身で健康管理をすることです。「セルフケア行動」を継続させるための医療職の役割は、正しい知識の獲得を支援することです。また、それを促すための援助は、本人の自己決定を支援することです。
セルフケア行動には、行動変容ステージモデル(変化ステージ理論)があります。行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、①無関心期、②関心期、③準備期、④実行期、⑤維持期の5つの段階を通ると考えます。対象者の行動変容の段階に合った保健指導が有効です。禁煙の②関心期における言葉かけで適切なのは「禁煙のための知識を学びませんか」という提案です。
慢性患者に対する自己管理の支援で適切なのは、自分の身体徴候を把握するように指導することです。
自己管理を行う上で自己効力感(セルフ・エフィカシー)はとても重要な要素です。自己効力感を高める支援として適切なのは、目標を高くすることでも、知識をたくさん提供することでもなく、自己管理で改善できた点が少しでもあればそれを評価することです。また、不適切な点を指摘すると自己効力感は低下します。
目標や計画も、自分自身で立てることが望ましいありかたです。また、その行動を継続し定着させるためには、習慣化が不可欠です。「行動の習慣化」が重要であることを伝えるのは自己管理を促進するために適切な支援です。成人の健康行動では、自尊感情(自分を大切に思う)が低下すると、健康に対する自己概念が揺らぐことがあります。成人のセルフケア行動に関する学習を促進するのは自己効力感です。自己効力感は成功体験により培われます。無力感を起こさないように、「エンパワメント(力づけ)」する必要があります。
『看護学生のための社会福祉読本』はこちらで購入できます。