「泥棒を消せ」
(原題:Once a Thief)
1965年4月27日公開。
MGM制作のハリウッド映画。
サン・セバスティアン国際映画祭OCIC賞受賞(監督:ラルフ・ネルソン)。
原作:ゼキアル・マルコ「Once a Thief」
脚本:ゼキアル・マルコ
監督:ラルフ・ネルソン
キャスト:
エディ:アラン・ドロン
クリスティーン:アン・マーグレット
ビドー警部:ヴァン・ヘフリン
ウォルター:ジャック・パランス
あらすじ:
サンフランシスコのチャイナタウンで、白昼、人妻殺人事件が起こり、犯人の一味としてエディ(アラン・ドロン)がビドー警部に逮捕された。
エディはまもなく釈放されたが、勤め先の貴金属商オヘアの店を首になった。
エディは何年か前、強盗を働いて捕まったことがあり、その時ビドー警部(ヴァン・ヘフリン)は弾傷を受けた。
そして傷はエディが負わせたものだと、確かな証拠もないままに固く信じこんでいた。
それ以来、エディはビドー警部の邪魔だてのために次々と仕事を失ってきた。
エディの妻クリスティーン(アン・マーグレット)は幼い娘カシーを養いながら、ナイトクラブで働いていた。
その頃エディのやくざな兄ウォルターは2人の子分と共に、オヘアの店から、100 万ドルのプラチナを盗み出す計画をたて、店の事情にくわしいエディを10万ドルの報酬で仲間にさそった。
盗みは成功したが、最後の段階で子分たちが裏切り、ウォルターは殺され、カシーは誘拐された。
そして、人妻殺人事件も、子分たちの仕業であることがわかった。
ビドー警部はすべてを理解し、エディと協力してカシーを救出し、悪党たちを窮地に追い込んだが、激しいうちあいで、エディもまた凶弾に倒れた。
コメント:
原題の「Once a Thief」には、「一度泥棒になったら、一生泥棒だ」という意味がある。
「嘘つきは泥棒の始まり」に似ている。
ますますドロンが海外映画にはまり込んでゆく様子が伺える。
しっかり英語でハリウッド映画に出演している。
アラン・ドロンは、サンフランシスコの中華街で暴れん坊のチンピラを演じている。
アン・マーグレットと共演している。
この物語は、原作・脚本を担当したゼキアル・マルコの個人的な経験に基づいているという。
マルコは別の小説『ビッグ・グラブ』も執筆しており、これはドロンの大ヒット「地下室のメロディ」に脚色されている。
マルコはこの映画の撮影中は刑事告発で刑務所にいた時期があったらしい。
アン・マーグレットは、スウェーデン系アメリカ人の女優・歌手・ダンサー。『バイ・バイ・バーディー』(Bye、Bye Birdie)、『ラスベガス万才』(Viva Las Vegas)、『シンシナティ・キッド』(The Cincinnati Kid)、『愛の狩人』(Carnal Knowledge)、『トミー』(Tommy) などが代表作。
ゴールデン・グローブ賞を通算5回受賞したほか、アカデミー賞、グラミー賞にそれぞれ2回、全米映画俳優組合賞1回、エミー賞6回のノミネートを誇る。
アン・マーグレットは、何といっても、エルビスと共演した『ラスベガス万才』でのシーンが日本では有名。
当時若手の女優の中では、彼女が最高にエロかった印象がある。
この映画は、おふざけの映画ではなく、けっこうマジなギャング映画で、エンドではドロンが射殺される最悪のシーンとなっている。
この映画の英語版がネットで全編無料視聴可能: