「ソドムとゴモラ」
(原題:Sodom and Gomorrah/Sodoma e Gomorra)
1962年10月4日公開。
旧約聖書に登場するソドムとゴモラの物語を映画化。
興行収入:$2,500,000。
脚本:ヒューゴ・バトラー、ジョルジオ・プロスペリ
監督:ロバート・アルドリッチ
キャスト:
- ロット:スチュワート・グレンジャー
- ベラ女王:アヌーク・エーメ
- イルディス:ピア・アンジェリ
- アスタロス王子:スタンリー・ベイカー
- シュア:ロッサナ・ポデスタ
あらすじ:
広大なイスラエルの砂漠。
遊牧民族ヘブライ人達の一行で、指導者ロット(スチュワート・グレンジャー)に率いられ、永住の地を求めて苦渋の旅の結果、ヨルダン川の辺に住居造りを始めた。
ソドムとゴモラの女王ベラ(アヌーク・エーメ)は弟アストロフ(スタンリー・ベイカー)の反対を押えて彼等に領土を与え、友好を結んだ。
外敵に対する深慮遠謀である。
イルディス(ピア・アンジェリ)という女奴隷まで与えられた。
ある日、数名の奴隷がロットの所へ保護を求めて来た。
アスタロフと追手が来たが逆に傷つけ捕えてしまった。
ロットの娘シュア(ロッサナ・ポデスタ)が彼の看病をしたがある朝、馬を奪って逃亡、奴隷をも奪い返した。
ロット達はベラにその返還を抗議、アスタロフがかねてから王座を狙っていることを感知していた女王はロットを殺すべきと主張するアスタロフを退け同盟を結んだ。
その日ロットとイルディスとの結婚式が祝福に包まれて行われていたが、宴たけなわの頃、密約を交わしていたアスタロフとヘラム族の夥しい軍勢の奇襲をうける。
直ちに女子供をソドムとゴモラに避難させ、一気に宮殿にまで攻め込んだヘラム族を途中の谷間で石油作戦を展開、有利な戦果をみたが、ロットの腹臣メルカー(リック・バッタリア)の裏切りでヘラム族の陣容を立て直すことになった。
ロットはすぐに苦心して作ったダムを自ら破壊、その激流によって完全な勝利を修めた。
住む家を焼かれた彼等は、女王の申し出を受けて宮殿に移り住むことになった。
数年が過ぎた。
ヘブライ人は豊かになり、あれ程奴隷制を否定していたロットまでが黙認してその生活に慣れきってしまっていた。
意見をする部下の言葉に自分の姿を反省したものの女王から宰相の位を与えられたときだったので黙殺してしまった。宰相の位を遂われたアスタロフは嫉妬にかられ、彼に果し合いを申し込んだ。
ロットはアスタロフにとどめをさして初めてハッと我に帰った。
愛と慈悲を説いていた自分が衆目の前で殺人を犯したのだ。
一人牢獄で悔恨の念を祈りで和らげようとした。
エホバの神よ、どうか私の道をお示し下さい。
祈りが届いたのか、奇跡が起こり、ソドムとゴモラの宮殿から逃れることを、神が許した。
そして再びヘブライ人達の長い旅が始まった。
コメント:
旧約聖書の『創世記』に登場する都市、ソドムとゴモラの堕落から神の怒りによって滅亡するまでをロト(ロット)を主人公に描く。
堕落の都ソドムとゴモラが神の怒りによって崩壊する運命、そこを舞台に謀略や戦闘シーンなど交えながら描かれたロバート・アルドリッチ監督による娯楽作。
冒頭タイトルロールでは、「監督…ロバート・アルドリッチ、セルジオ・レオーネ」との表記あるが、実際にはアルドリッチ監督作。
旧約聖書に登場する繁栄と淫行で乱れた都市ソドムとゴモラ。
それを象徴するように「大勢の男女が怠惰に横たわっている場面」から始まる。
女王を演じているのは、アヌーク・エーメ。
安定の存在感だ。
美しいのみならず、すごい威厳を感じさせる高貴な雰囲気が素晴らしい。
そして、都市を捨てて遊牧民族となったヘブライ人たちの指導者ロト(スチュワート・グレンジャー)は、奴隷女イルディスに惚れて妻とする。このイルディスを演じたピア・アンジェリは、本作にたくさん出て来る女優たちの中で、最も輝いた美しさ。
主要人物の設定は明確にされているものの、本作には登場人物が山のように出て来るので、指導者ロトの娘2人などは個性を描ききれない感じあり。
とにかく大勢出て来るから、人間関係は程々に分かればイイかな……という雰囲気が惜しい気がする。
ただ、炎や水を大量に使ったスペクタクルシーン、伝説都市の崩壊などを描きたかったのかも。
それであれば、なかなか見応えはあったのではないか。
アクション&スペクタクル場面で、アルドリッチ監督の手腕が光る。
「ソドム(ヘブライ語:סדום、英語:Sodom)とゴモラ(עמורה、Gomorrah)」というのは、旧約聖書の『創世記』19章に登場する、天からの硫黄と火によって滅ぼされたとされる都市(商業都市)の名前である。
後代の預言者たちがソドムとゴモラに言及している部分では、例外なくヤハウェの裁きによる滅びの象徴として用いられている。
中東では珍しく男性同士の性行為が公に行われていたらしい。
「ソドムの罪」と呼ばれるこの言葉は恐ろしい意味があるようだ、
「ホモ・セクシャル」ときに「ソドミー」ともいわれるようだ。
諸説ある中で主に他者への不寛容さや同性愛が語られているとされる。
旧約時代からの伝承を受け継いで編纂された新約聖書においても、「ユダの手紙」において「ソドムやゴモラ、またその周辺の町は、この天使たちと同じく、みだらな行いにふけり、不自然な肉の欲の満足を追い求めたので、永遠の火の刑罰を受け、見せしめにされています 」との記載がある。
ソドムやゴモラが「不自然な肉の欲」によって罰されたことを古代のユダヤ地方が伝承していたことが確認できる。
イスラム教の聖典クルアーンにも町の名前は出てこないものの、ほぼ同じ物語が述べられており、クルアーンにおけるルート(ロト)は預言者として認識されている。預言者ルート(ロト)に従わなかったために、彼に従ったわずかな仲間を除き滅ぼされた。その際、神に滅ぼされた他の民(ノアの洪水で滅んだ民や、アード族やサムード族など)とは異なり、ルートの民(すなわちソドムの住民)は、偶像や他の神を崇拝する罪ではなく、男色などの風俗の乱れの罪により滅ぼされたとされる。
神は『創世記』で罪深い都市に怒り滅ぼしたのち、次の書物『出エジプト記』でモーセに「十戒」を言い渡し、殺人や姦淫を禁じた。神は「十戒」の中で同性愛への具体的言及はしていないが、『出エジプト記』の次の書物『レビ記』18章は性の規定であり、神はモーセに近親者を「犯してはならない」こと(18章前半)、「隣の妻と交わり」の禁止(18章20節)、「女と寝るように男と寝てはならない」こと(18章22節)、「獣と交わり」の禁止(18章23節)などを言い渡し、「あなたがたはこれらのもろもろの事によって身を汚してはならない。わたしがあなたがたの前から追い払う国々の人は、これらのもろもろの事によって汚れ、その地もまた汚れている。ゆえに、わたしはその悪のためにこれを罰し、その地もまたその住民を吐き出すのである。」 (18章24節-25節)と警告している。
なお創世記19章と士師記19章には多くの共通点のあることが指摘されている。
預言者エゼキエルの預言や象徴行動を記した異質の預言書エゼキエル書においてもソドム(エルサレムの妹)の罪に関する記述がある。
つまり、この映画は、「同性愛を行う人間は、神によって滅亡させられる」という聖書の掟を映像化した作品なのだ。
改めて、「ジャニー喜多川」という昨年のワースト芸能人第1位の人物の罪の深さを再認識すべきではないか。
とにかく、日本の芸能界における最も恥ずかしい性加害問題を引き起こした極悪人であることを再度日本の国民すべてが肝に銘ずるべきだろう。
東山紀之が昨年記者会見で述べた「鬼畜の所業」こそ、「同性愛」を強要し続けた悪徳芸能社長「ジャニー喜多川」を決して忘れてはならない。
この映画はYouTubeで全編無料視聴可能。
(ただし英語)
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