ハリウッド・スリラー映画 第44位「E.T.」 | 人生・嵐も晴れもあり!

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「E.T.」

Prime Video:E.T. The Extra-Terrestrial

 

「E.T.」 予告編

 

1982年6月11日公開。

スピルバーグの大ヒットSF映画。

興行収入:$792,910,554

 

脚本:メリッサ・マシスン

監督:スティーヴン・スピルバーグ

 

キャスト:

エリオット
演 - ヘンリー・トーマス
10才の少年。得体のしれないE.T.を偏見なく受け入れる分け隔てのない性分。兄にゲームに入れてもらえなかったり、それでいてパシリにされるなど立場が悪い。一方では結構気が強く、兄たちに対して強い口調で言うこともある。またE.T.が怪獣扱いされたことで「怪獣ではなく宇宙人」と冷静に言い返すなど皮肉屋な部分もある。
メアリー
演 - ディー・ウォレス
エリオットの母。夫がいるが、その夫はメキシコに愛人とともに出かけている。気の強い部分もあり、エリオットを「あほんだら」呼ばわりしたタイラーを軽くだが小突いた。
マイケル
演 - ロバート・マクノートン
エリオットの兄。母のことは慕っており、母が気にしていることを言ったエリオットを非難したこともある。弟を小馬鹿にする一方、弟の言うとおりに動いてあげるなど面倒見よく接することがある。E.T.を伴っての逃走では子供ながらに車を運転する活躍を見せる。
ガーティ
演 - ドリュー・バリモア
エリオットの妹。少し生意気。
グレッグ
演 - K・C・マーテル
マイケルの友人。
スティーブ
演 - ショーン・フライ
マイケルの友人。
タイラー
演 - トム・ハウエル
マイケルの友人。アンチョビは苦手の模様。
E.T.
声 - パット・ウェルシュ
宇宙人。名前は「エキストラ・テレストリアル」を略したもの。言葉は話せないが念力でボールを浮かせることなどが出来る。また、自分の描いたイメージ通りに現実の人間を操ることもできる。

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あらすじ:

アメリカのとある杉の森に球形の宇宙船が着陸し、中から数人の小さな宇宙人が現れた。彼らの目的は地球の植物を観察し、サンプルを採集する事だった。その内の1人は宇宙船から遠く離れ、崖の上から光の海を見て驚く。それは郊外の住宅地の灯だった。その時、宇宙船の着陸を察知した政府機関の人間達が車で近づいてきた。宇宙船は危険を察知して離陸するが、遠くにいた宇宙人1人は地上にとり残されてしまう。取り残された宇宙人は叫び、近づいてくる人間から逃げ出した。

その頃、住宅地のある家では、少年達がテーブルトークRPGをしていた。10歳のエリオットは小さいという理由から、兄マイケルやその仲間から馬鹿にされてTRPGに混ぜてもらえず、嫌気がさしていた。彼らが注文したピザの出前を受け取りに外へ出たエリオットは物置小屋で音がしたことに気付いて怖くなり、みんなを呼びよせた。しかし中には誰もおらず、見慣れない足跡が残されていただけであった。その日の深夜、エリオットは隣のトウモロコシ畑に物音の正体を探りに行き、宇宙人を目撃する。翌日、家族と夕食を食べながら、エリオットは宇宙人を見たことを話すが誰も信じない。「パパなら…」というエリオットの言葉に母のメアリーは動揺する。メアリーと折り合いが悪いパパは、愛人とメキシコに行っていたからだ。

夜もふけ、エリオットがポーチで見張っていると、ついに宇宙人が彼の前に姿を現わす。エリオットはReese's Piecesのキャンディで、空腹だった宇宙人を部屋に導きクローゼットに隠した。翌日、エリオットは仮病をつかって学校を休み、宇宙人とのコミュニケーションを試みる。そして帰宅した兄マイケルと妹ガーティに宇宙人を紹介する。宇宙人は念力でボールを宙に浮上させて、太陽系を遠く離れた星からやって来たことを説明した。次の朝、エリオットはマイケルの友達から「怪物がいたか」と尋ねられ、宇宙人だという答えを信じてはもらえないものの、「ではエキストラ・テレストリアルだな」と聞かされる。こうしてその宇宙人は以後、「エキストラ・テレストリアル」を略して「E.T.」と呼ばれることになる。

エリオットとE.T.は交流を続けるうちに感覚も共有するようになり、留守宅のE.T.が冷蔵庫からビールを取り出して飲むと、学校で授業を受けているエリオットも酔っぱらう。さらにE.T.がテレビで「静かなる男」を見て、ジョン・ウェインとモーリン・オハラのキスシーンに見とれていると、学校ではエリオットが好意を抱いていた女の子にキスをする。E.T.は「セサミストリート」を見たり、ガーティに教えてもらいながら英語を覚える。また新聞に載っていたSFコミック『バック・ロジャース』の1シーンを見たことで、家に電話したいと言い出す。E.T.はエリオットとマイケルが集めてきた様々なガラクタを使って通信機を作り上げる。

ハロウィーンの日、エリオットとマイケルはE.T.に白い布をかぶせてガーティに見せかけ、メアリーの目を欺いて外出させる。エリオットは自転車でE.T.を郊外の森に連れ出す。E.T.はエリオットと自転車ごと浮遊し、森に到着。通信機で故郷の星に連絡をとる。道に迷ったE.T.は、川に落ち流されてしまい翌朝瀕死の状態となり、マイケルが彼を家に運ぶが、エリオットも体調を崩してしまった。E.T.を初めて見て驚くメアリー。突然、宇宙服を着た政府機関の科学者達が家に押しかけてきた。科学者達はエリオットの家にE.T.がかくまわれていることを察知し、監視していたのだ。エリオットの家に仮設研究所が作られ、防護服を着た科学者たちはエリオットとE.T.の治療を始める。NASAの科学者の男は、エリオットに「私も10歳の時からE.T.を待っていた。助けたい」と語りかけた。

翌朝、エリオットは回復したものの、E.T.は器官が停止し、科学者たちから死亡したと判断され冷凍コンテナに納められる。対面したエリオットが悲しみに暮れて語りかけると、突然E.T.の胸が赤くなり蘇生する。E.T.は迎えが来ると言う。マイケルはE.T.を乗せたバンに乗り込み逃走。途中エリオットの自転車に乗り換え、マイケルとガーティ、マイケルの友人であるグレッグ、スティーブ、タイラーの協力を得て、郊外の森へ急ぐ。たちまち警察や大人達から追跡されるエリオット達。だが追い詰められる寸前、E.T.は念力で自転車ごと子供達を浮遊させた。唖然とする大人達を眼下に起き空を飛ぶエリオット達はついに森の中へと辿り着く。やがてE.T.が連絡を取った場所に宇宙船が現れた。エリオット達とE.T.は最後の別れをし、E.T.は宇宙船に乗り込む。離陸した宇宙船が見えなくなった後、空に美しい虹がかかるのであった。

 

 

 

 

コメント:

 

スティーヴン・スピルバーグの最大のヒットとなったSF映画。

地球に取り残された地球外生命体(E.T.)と少年エリオットとの交流を描いた物語。

 

タイトルの「E.T.」とは、「extra-terrestrial」の略称で、地球外生物。 地球外生命を表わしている。

日本語の「宇宙人」とほぼ同じだが、「人間」とは限らないのが「地球外生命体」なのだ。

 

映画 「E.T.」 劇場予告 - YouTube

 

コンセプトは、スピルバーグが両親の離婚後に作った空想上の友人が元になっているという。

1980年、スピルバーグは女流脚本家メリッサ・マシスンと出会い、失敗したプロジェクト『Night Skies』から新たなストーリーを展開した。

 

撮影は1981年9月から12月にかけて、1,050万ドルの予算で行われた。

他の映画とは異なり、若いキャストが感情を込めた演技をしやすいように、大まかな年代順に撮影された。

E.T.のアニマトロニクスは、カルロ・ランバルディがデザインした。

 

約1,000万ドルという予算で製作されたが、公開後にはアメリカ国内でおよそ3億ドルという当時の映画史上最大の興行収入を記録する。

『スター・ウォーズ』(1977年)の全世界興収記録を抜いて、世界歴代興行収入1位の記録を更新し、『ジュラシック・パーク』(1993年)に抜かれるまで記録を保持した。

 

この映画はRotten Tomatoesで129件のレビューに基づいて98%の「認定された新鮮さ」支持率を得ており、平均評価は9.23/10となっている。

同サイトの批評家の意見はこうだ。「スティーブン・スピルバーグ監督の感動的な宇宙人の物語は、老若男女を問わず映画の魔法のような作品である」。

Metacriticでは、30件のレビューをもとに加重平均91/100点を獲得しており、「普遍的な評価」を示している。CinemaScoreは、公開週末に行われた観客の投票では、この映画が知られている映画の中で初めて、珍しい「A+」の評価を得たとした。

 

第55回アカデミー賞では、作品賞を含む9部門にノミネートされ、作曲賞、音響賞(ロバート・クヌッドソン、ロバート・グラス、ドン・ディジローラモ、ジーン・カンタメッサ)、音響効果編集賞(チャールズ・L・キャンベル、ベン・バレット)、視覚効果賞(カルロ・ランバルディ、デニス・ミューレン、ケネス・F・スミス)の4部門を受賞した。 

作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞・編集賞5部門は『ガンジー』が受賞したが、同作を監督したリチャード・アッテンボローは「E.T.が勝つというだけでなく、勝つべきだと確信していました。独創的で、パワフルで、素晴らしい作品でした。私はもっと平凡な映画を作っている」と述べた。

 

第40回ゴールデングローブ賞では、ドラマ部門の作品賞と作曲賞を受賞し、監督賞、脚本賞、ヘンリー・トーマスの新人男優賞にもノミネートされた。

サターン賞のSF映画賞、脚本賞、特殊効果賞、音楽賞、ポスターアート賞を受賞し、ヘンリー・トーマス、ロバート・マクトン、ドリュー・バリモアはヤング・アーティスト賞を受賞した。

作曲家のジョン・ウィリアムズは、ゴールデングローブ賞とサターン賞に加え、グラミー賞2部門、BAFTAを受賞した。

また、日本のブルーリボン賞、スペインのシネマライターズサークル賞、フランスのセザール賞、イタリアのダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最優秀外国語映画賞を受賞するなど、海外でも高い評価を受けた。

 

当初予定されていた台本はジョン・セイルズが執筆したもので、「グレムリンのような地球外生命体が、とある農家を恐怖に陥れる」という内容であった。

これは1955年8月21日にケンタッキー州ホプキンスビル郊外のケリーにおいて起きたとされる事件(ケリー・ホプキンスビル事件)に基づいているが、当事者から「事件を映画化するのなら訴える」と脅かされたため断念したという(なお、この事件については目撃者以外の証言や物証が無く、存否さえ怪しいものである)。

 

本作のテーマはスピルバーグ監督自らが経験した「両親の離婚」であり、SFは表面的な要素にすぎないという。

ラストで少年がE.T.に別れを告げるシーンは、両親の離婚を受け入れるメタファーでもある。

なお、監督が一番気に入っているのは自転車で空を飛ぶシーンである。

 

監督のスピルバーグは、アクターズ・スタジオ・インタビューで、本作をフランスの映画監督のフランソワ・トリュフォーに捧げたと公言している。

『未知との遭遇』でトリュフォーを出演者としてアメリカに招いた際、撮影時に「これから、あなたは子どもたちに向けた映画を創りなさい」と、クリエイターとしての将来の助言を受けた出来事が本作を作る強いモチベーションになったと述懐している。

 

本作の終盤、子供達がE.T.を乗せた車両を盗み出し自転車で森に向かいE.T.が帰って行くまでのシークエンスは、通常の手順通り編集済みのフィルムに合わせて演奏していたものの「画面と感情的になかなか同調しない」というウィリアムズの意見を聞いたスピルバーグが、映写機を止めた状態で行われた演奏を気に入って音楽に合わせ再編集した経緯がある。

地球に迷い込んだ地球外生命体という設定であるE.T.は「甲羅らの晩年の写真に見られる「落ち着きのない目」というコンセプトを元に製作された。

 

E.T.の動きは12人のオペレーターの手によって操作された。

またE.T.の中にはPat Bilon(パッド・バイロン)、Tamara De Treaux(タマラ・ド・トロー)、当時12才だったMatthew De Meritt(マシュー・ド・メリット)の三人が入り演じられている。

 

E.T.やエリオットを治療していた医師団は、南カリフォルニア大学病院に勤務する医師と看護師である。

スピルバーグによれば、リアルさを出すためには本物でなければと思い、スピルバーグの主治医に頼んで、その主治医の同僚に出演してもらったとのこと

 

 

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