ハリウッド・スリラー映画 第41位「ダーティハリー」 クリント・イーストウッドの大人気作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「ダーティハリー」

(原題:Dirty Harry

 

 

 

ダーティハリー プレビュー

 

1972年2月26日公開。

人気映画「ダーティハリー」シリーズの第1作。

興行収入:$35,976,000。

 

 

脚本:

ハリー・ジュリアン・フィンク
R・M・フィンク
ディーン・リーズナー

監督:ドン・シーゲル

 

 

キャスト:

ハリー・キャラハン刑事:クリント・イーストウッド

アル・ブレスラー警部補:ハリー・ガーディノ  

スコルピオ(サソリ):アンディ・ロビンソン

チコ・ゴンザレス刑事:レニ・サントーニ

 

 

あらすじ:

ビルの屋上からプールサイドの女が銃撃され、その後、犯人からの脅迫の手紙がサンフランシスコ警察に届いた。

10万ドルの要求に応じなければ、次の犠牲者を同じ手口で殺す、狙うのは牧師か黒人だ、とあり“サソリ座の男”とサインされてあった。

シスコ市警殺人課のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、少し前に強盗との銃撃戦で脚に重傷を負っていたが、事件を知ると、上司のブレスラー警部補(ハリー・ガーディノ)や市長(ジョン・ヴァーノン)らの意向を無視して、犯人追跡に向かった。

ハリーの意志に反して付けられた相棒のチコ(レニ・サントーニ)は快活な青年で、何事にも反抗的なハリーをいぶかしく思ったりした。

またしても第2の犠牲者に屋上から照準を合わせている犯人(アンディ・ロビンソン)を警察のヘリコプターが発見したが取り逃がし、ハリーとチコも犯人らしい男を尾行したが、逆に町の与太者たちに袋だたきにあってしまった。

再び犠牲者が出た。

“サソリ座の男”の予言どおり黒人であった。

ハリーは、犯罪者心理から、犯人はもう一度現場に現れるとにらんで屋上で待ち伏せを開始した。

案の定、現れた犯人と激しい銃弾の応酬となったが、うまく逃げられてしまった。

再び警察に脅迫状が舞い込んだ。

14歳の少女を誘拐して生き埋めにし、少量の酸素を送り込んでいる。

すぐ20万ドルの身代金をよこさないと殺す、としたためてあった。

ハリーは20万ドルを持って、犯人の指定したマリーナへ急ぎ、ひそかにチコを背後につけさせた。

突然、毛糸のマスクをした犯人から声をかけられたハリーは、銃を奪われ、いきなり脳天を一撃され、更に蹴りあげられて、殺されそうになった。

草むらから飛び出したチコはピストルを乱射してハリーを助けたが、犯人との銃撃戦で負傷した。

しかしハリーの飛びだしナイフは犯人の太ももを傷つけた。

重傷にもめげず、必死に逃げる犯人をケザー・スタジアムで捕らえたハリーは、犯人を拷問にかけた。

これが、思いがけなくハリーを窮地に追い込んだ。

傷を負っている男をきびしく拷問したとして地方検事から告発されてしまったのである。

更に、すぐに釈放された犯人の狂言でハリーは訴えられ、遂に市長とブレスラー警部補から謹慎を命じられた。

やがて犯人は、更に大胆な犯行に移った。

スクール・バスを襲い、乗っていた6人の子供と女の運転手ともども空港へ直行し、不敵にも警察へ、逃走用の飛行機を、燃料満載、操縦士付きで用意するよう命じてきた。

謹慎の命を無視して先回りしたハリーは、空港へ近づくバスに鉄道の陸橋から飛び降りた。

運転手が失神してバスは採石会社の構内へ突っ込んだ。

 

遂に犯人を追い詰めたと思った時、犯人は卑怯にも、そばで釣りをしていた少年を楯にとって逃げ延びようとした。

間髪をいれずハリーの必殺の銃口が火を吹いた。

狙いたがわず、弾は少年の頭をかすめ、犯人の肩に食い込んだ。

犯人は泥沼の中に転倒した。

ハリーは近づくパトカーのサイレンをよそに、胸のポケットから警察のバッジを取り出して水中に投げ捨てると、ゆっくり歩き出した。

 

 

 

コメント:

 

イーストウッドを本当の世界トップクラスのハリウッドスターにしてしまった歴史的な「ダーティハリー」の第1作。

ドン・シーゲル監督とイーストウッドのタッグによる痛快刑事ドラマだ。

 

AFIの「スリルを感じる映画100」の第41位である。

ちょっと順位が低すぎるのでは思えるが。

 

とにかく、この映画によってハリウッドの刑事ものが一気に変わったと言われる、革命的な、スリルとサスペンスが際立つ作品である。

 

ダーティと呼ばれる刑事が、スコルピオと名乗る連続殺人犯と対峙する刑事物語。
ドン・シーゲルとクリント・イーストウッドが「マンハッタン無宿」に引き続いてタッグを組んだ刑事映画。


ハンバーガーを飲み込みながら銀行強盗に対峙する有名なシーン。

ハリーは足を開いてやや腰を落とし気味で、マグナム44をぶっ放す。

このカッコよさ。


本作のメッセージは、法の執行による正当な暴力とそうではない暴力(リンチ)の対峙だ。

現代の警察権力執行と西部劇でのガンファイトの対峙である。
ラストシーンで、ハリーはほぼリンチに等しい行為で締めくくる。

違法を覚悟したハリーは、潔くバッジを投げ捨てたのだ。
だが、ハリーが違法を承知で自白を迫った行為は、誘拐された少女の命を救うためであり、あえて、犯人の有罪判決を放棄したのは正しい。
これを理解できない上司や検察当局に嫌気がさしたというハリーの気持ちを、バッジを捨てるラストで表しているのだ。

 

 

途中でいっさい恋愛を絡ませないハードボイルドの秀作である。


クリント・イーストウッドが若い。


良い映画の常套手段として、敵役が徹底した無法者で、残酷さが半端ない。
主人公が敵役にいたぶられて最後の最後に反撃する。
見ている人のカタルシスが満足する展開になっている!


名監督ドン・シーゲルの職人技が光る。
50年前の映画だが、決して古くないのだ。

 

何度見ても楽しめる。

 

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