「ターミネーター」
(原題: The Terminator)
1984年10月26日公開。
「ターミネーター・シリーズ」第1作。
未来から地球に送り込まれた殺人ロボット・ターミネーターの物語。
興行収入:$78,371,200。
脚本:ジェームズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード
監督:ジェームズ・キャメロン
キャスト:
- ターミネーター(T-800)- アーノルド・シュワルツェネッガー
- 2029年、スカイネットにとって脅威となるジョン・コナーの出生を阻止すべく、1984年へタイムスリップした潜入型ターミネーター。ジョンの母となるサラ・コナーの抹殺を命令されており、ロサンゼルス在住の同姓同名の女性を次々と抹殺していく。
- カイル・リース - マイケル・ビーン
- 人類抵抗軍の指揮官ジョン・コナーの部下。サラ・コナーをT-800から守るため、志願して1984年へタイムスリップする。抵抗軍では技術情報部隊に属する軍曹で、認識番号はDN38416。スカイネット側に捕らえられ、強制労働に従事した経験がある。
- サラ・コナー - リンダ・ハミルトン
- ジョンの実母。大学に通っており、レストランのウェイトレスとしてアルバイトしていたが、未来から来たT-800に狙われたところをカイルに助けられる。
- エド・トラクスラー - ポール・ウィンフィールド
- ウエストハイランド警察署の警部。「サラ・コナー連続射殺事件」にて、最後に残ったサラ・コナーの身柄を署で保護するが、T-800の襲撃により、重傷を負う。
- ハル・ブコビッチ - ランス・ヘンリクセン
- ウエストハイランド警察署の警部補。逮捕されたカイルの話を真に受けない。署がT-800の襲撃を受けた時には自動小銃で応戦するが、反撃で死亡する。
- ピーター・シルバーマン - アール・ボーエン
- 犯罪心理学者。カイルの話をまったく信用しない。尋問を終えてウエストハイランド警察署を去る際にはT-800とすれ違うが、ポケットベルの着信に目を向けていたために直接その姿を見ることはなく、狙われずに済む。
あらすじ:
1984年のロサンゼルス。
閃光とともに、全裸の男が出現した。
彼こそ2029年の未来からやってきた殺人機械ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)であった。
チンピラを襲って服を奪い、銃砲店で銃を調達したターミネーターは、電話帳でサラ・コナーの載ったぺージを引き裂き、サラ・コナーという名の女性を2人射殺。
ウェイトレスのサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)は恐くなり、テクノワールなるディスコから警察に電話を入れる。
一方、家ではルーム・メイトのジンジャー(ベス・マータ)が男友達のマット(リック・ロッソヴィッチ)とセックスをしていた。
そこへ、ターミネーターが侵入して2人を射殺。
サラからの電話を聞いてターミネーターはテクノワールに行く。
サラはあやうく殺されそうになるが、リース(マイケル・ビーン)に救助された。
逃げ出す途中、リースが説明する。
「今から数年後、核戦争が勃発し世界は壊滅。コンピューターが権力を握り、人間はほとんど全滅しかかっている。だが、ジョン・コナーという男がリーダーとなって人間側が優勢になった。機械側は殺人機械を作り、ジョンの誕生を阻止するため、タイム・マシーンで1984年に送り出した。僕はジョンの母親の貴女を助けるために来た」。
リースとサラをターミネーターが執拗に追ってきた。
カイルとサラは警官隊に囲まれ、署に連行された。
トラクスラー警部(ポール・ウィンフィールド)とヴコヴィッチ刑事(ランス・ヘンリクセン)は、リースの話を信じようとしない。そこヘターミネーターが襲撃して来た。
必死でリースとサラは逃亡し、とあるモーテルにとまる。
リースは「ジョンから君の写真をもらい、君に恋した。だから、この作戦に志願したんだ」という。
2人は抱きあった。
ターミネーターがここにもやってきた。
また2人は逃げ出す。
倒されても倒れても起きあがってくる夕ーミネーター。
2人は工場に逃げ込んだ。
リースはついに力つき死亡。
サラは圧延機でターミネーターを押しつぶした。
リースの子をみごもったサラは、やがて生まれてくるジョンのため組織作りのやり方、戦法を学ぼうと思うのだった。
コメント:
未来からやって来た殺人機械「ターミネーター」と、生命を狙われる女性と、彼女を助けようとする戦士を描くSFアクション。
主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは、2029年から1984年にタイムスリップして、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を殺すために送り込まれたサイボーグの暗殺者「ターミネーター」を演じている。
マイケル・ビーンは、サラを守るために過去に送り込まれた兵士、カイル・リースを演じている。
物語の駆動力は当然アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるターミネーターだが、ドラマの中核はリンダ・ハミルトンが演じるサラ・コナーの変身だろう。
女優が平凡な女性を演じることは本来難しい。
地味な眼鏡を着用させるなど工夫とは呼べない工夫をしている作品もある。
この点、本作にとっては幸いなことにリンダ・ハミルトンは余り美人ではなく平凡なウェイトレス:サラ・コナーを無理なく演じられた。
ただ、ここからは特別な演技力が要求される。
平凡なウェイトレスから伝説の母:サラ・コナーに変身する過程を示すことが求められる。
ターミネーターに執拗に狙われるにつれ徐々に伝説のサラ・コナーの片鱗を示し始めることが本作の見所である。
この過程が実に自然で触媒となったマイケル・ビーンが演じるカイル・リースのナイーブな演技とともに本作を傑作にしている。
ターミネーター側の描写だけならSFアクション映画の枠組みを超えられなかっただろう。
続編はジュームス・キャメロン監督の最高傑作である。
公開前の予想に反して、『ターミネーター』は2週間にわたって米国の興行成績のトップに立ち、640万ドルの少ない製作費に対し、最終的に7,830万ドルの興行収入を記録した。
この映画の成功により、いくつかの続編、テレビシリーズ、コミック、小説、ビデオゲームなどのメディアミックスが生まれた。
ストーリーは、なんだかわからないサイボーグ・ターミネーターの存在がやたら怖すぎて、どういう意図でこの映画が出来上がったのかはっきりわからないまま、ヒロイン・サラ・コナーの命は守られたということでエンドになる。
そのため、興行収入は78百万米ドルという、中ヒットだった。
未来からやってきたこの物体の意味とそれに対抗する人間たちの姿がようやく理解できるのは、第2作と第3作だ。
最後にターミネーターが人間の心を知るところまで連続して観ないと本当の感動は得られない。
ちなみに、第2作と第3作の興行収入は以下の通り:
第2作:$520,881,154。
第3作:$433,371,112。
だが、こんな機械があるのかと思わせる、「ターミネーター」という屈強の未来殺人ロボットであるサイボーグの存在とその独特の機能は、間違いなく「スリルを感じさせる映画」にしているのだ。
特に、滅亡したかと思うと、必ず復活してくるというこの不死身のロボットの恐ろしさは、スリラーそのものだ。
戦いで傷ついた自分の手や目を自ら修理するシーンは笑える:
SF映画にもこんなとんでもないスリルを観客に与えるものが制作できたことに驚きを禁じ得ない。
やっぱりハリウッド映画はすごい!
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