「ダイ・ハード」
(原題:Die Hard)
1989年2月4日日本公開。
「ダイ・ハード」シリーズ第1作。
R指定映画。
興行収入:$140,767,956。
脚本:スティーヴン・E・デ・スーザ、ジェブ・スチュアート
監督:ジョン・マクティアナン
出演者:
ブルース・ウィリス、ボニー・ベデリア、アラン・リックマン、レジナルド・ヴェルジョンソン、クラレンス・ギルヤード・ジュニア、アレクサンダー・ゴドノフ、ジェームズ・シゲタ
あらすじ:
ニューヨークの刑事ジョン・マックレーン(ブルース・ウィリス)は、クリスマス休暇を妻ホリー(ボニー・ベデリア)と2人の子供たちと過ごすためロサンゼルスへやってきた。
ホリーは日本商社ナカトミ株式会社に勤務し、夫と離れこの地に住んでいるのだ。
ジョンは、クリスマス・イヴの今日、ナカトミの社長タカギ(ジェームズ・シゲタ)の開いている慰労パーティに出席している妻を訪ね、現代ハイテク技術の粋を極めた34階建ての超高層ナカトミビルに向かう。
ホリーは単身赴任によって、結婚と仕事の両立に苦しんでいたが、再会したジョンを目にすると改めて彼への愛を確認する。
ところがパーティも盛りあがりをみせた頃、13人のテロリストがビルを襲い、事態は混乱を極める。
テロのリーダーのハンス・グルーバー(アラン・リックマン)は金庫に眠る6億4000万ドルの無記名の債券を要求するが、タカギがそれに応じないのを見てとると、彼を射殺してしまう。
そしてその現場をジョンが目撃したことにより、彼とテロリストたちの息詰まる戦いの火ぶたが切って落とされるのだった。
ジョンは機転をきかせ、パトロール中のパウエル巡査部長(レジナルド・ヴェルジョンソン)に事件の重大さを知らせ、援軍を求める。
その頃テロリストの一味であるテオ(クラレンス・ギルヤード・ジュニア)が金庫の暗号の解読に成功し、債券はハンスたちの手に握られた。
また彼は、ホリーがジョンの妻であることをTV放送によって知り、彼女を人質にビルからの脱出を企てる。
愛する妻を捕えられたジョンは、2発しか残されていない銃を片手に決死の覚悟でハンスと対決し、一瞬のアイデアの巧みさで彼を撃ち倒す。
しかし安堵するジョンとホリーを、1度は彼が叩きのめしたはずのテロリストの1人、カール(アレクサンダー・ゴドノフ)が執念に狙い撃つ。
1発の銃声が響き、地面に倒れたのは、しかしカールであった。
彼を撃ったのは、かつてある事件で誤射して以来、拳銃を放つことができなかったパウエルだった…。
事件は終結し、ジョンは今、彼との友情に、そして何より妻との愛に包まれ、クリスマスの朝を迎える喜びを噛みしめるのだった。
コメント:
ブルース・ウィリスが世界にその名を知らしめた名シリーズの第1作。
まだ髪の毛、ふさふさだ!
これぞ、AFIの「スリルを感じる映画」のテーマにピッタリの作品である。
ブルース・ウィリスといえばダイ・ハードであり、マクレーン警部と言ってもいいぐらいの彼の代名詞である。
正体を隠しながら、無線のサポートを受け、ときに無能な警察やFBIのミスリードに妨害され、ボヤきながらもテロリストと戦う。
口は悪いがやる時はやるタフガイは90年代のクリスマスのヒーローだった。
ロサンゼルスの商業ビルがテロリストに占拠されて、運良く難を逃れたジョンはたった1人でテロリストに立ち向かう。
テロリストに占拠された系映画の走りでありながらも、何度見返しても面白い。
敵役の魅力も強く初代にして至高の出来。
イピカイエーは言いたくなる魔法のセリフなのだ。
「ダイ・ハード」の全作を通して、ブルース・ウィリスが演じるマクレーンは、「Yippee-ki-yay, motherfucker.」という決め台詞を発している。
この 「yippee-ki-yay」(イピカイエー)というの は、アメリカでは主にカウボーイがロデオの時に発する口癖で、本来の意味で使わない場合が多い。
本来はウルドゥ語で「これでも食らいやがれ」という意味らしい。
「motherfucker」(マザーファッカー) は相手を侮辱するときに使う俗語で、作中では「クソったれ」「イカれ野郎」などと訳される。
2作目以降の日本語吹替版では「イッピカイエー、くそったれ!」と定着して訳されている。
タイトルは、日本語、原題共に「ダイ・ハード」(Die Hard)。
直訳は、死にもの狂い、死にぞこない、不死身。
おそらく「しぶとい奴」という感じかも。
- ビル内の一カ所だけで2時間もの映画を作りあげている力量に脱帽。
- テロリストという名の冷血な泥棒を相手に1人闘うジョン(ブルース・ウィリス)と人質の中には彼の妻が(ボニー・ベデリア)。
- 完全装備のテロリスト泥棒のリーダーはハンス(アラン・リックマン)。
- これがまた冷静で経験豊かで冷血という代物。
冷静でないのは子分たちとマスコミ、功を焦るニューヨーク市警の警部、そしてFBIだ。 - 特にマスコミは何でもバラしてしまい、テロリストたちに筒抜け。
- そして妻の上司の部長は英雄気取りでジョンをテロリストに売り渡す。
スカッとするのはあるトラウマで銃が撃てなくなった警官。 - 彼が上司に反抗しつつ状況を正しく判断していること。
- そしていつしか2人には友情が。
上出来のアクション映画。 - 愛妻ホリーを演じるボニー・ベデリアが美しい。
- テロリストのリーダー・ハンスに拘束された彼女のシーンがこれ:
- ハンス役のアラン・リックマンも敵ながらカッコいい。
- このシリーズが、なぜ受けたかを日本人は良く理解していないようだ。
- 米国の情報によると、本作の特異性に関していくつかの注意がなされている。
- それは、子供がいる家庭への忠告だ。 家庭でこの映画を視聴する場合、子供に見せても良いのだろうか。
- この映画のオリジナル版は、R指定になっているのだ。
- まず、映画に含まれている言葉使い。
- Fワードが、何度も出てくるのだ。
- Fワードというのは、性的差別用語だ。
- なんとこの作品中に、60回以上も出てくるようだ。
- 具体的に言うと、「SHIT」(くそ)が35回。
- 「ASS」(尻)、「ASSHOLE」(尻の穴)、「BITCH」(雌犬)「BASTARD」(ひとでなし)、「DICKHEAD」(男の性器)、[FUCK」(性交)が計30回程度。
- ただし、かっこ内の訳は直訳で、実際には全て「クソッ」とか「馬鹿野郎」と言いたいときに使うのだ。
- 「motherfucker」も同じだ。
- こちらがFワードの特集映像:
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- 次は、性描写。
- 胸を露出した成人女性が室外に走り出るシーンがある。
- キスシーンや胸の画像がすでにポスターに貼付されている。
- 次は、暴力シーンだ。
- 多くの殴り合いのシーン、銃撃のシーン。爆発のシーンがある。
- 登場人物の頭が銃撃されるシーンがある。
- おおぜいの人たちが死ぬシーンや出血のシーンがある。
- ある人物が何度も殴られる。
- ある人物は首をロープで吊られる。ある人物がビルから落ちるシーンもある。
- 無実の人々が交差臆されて、恐怖に震えているシーンがある。
- アルコールやコカインなどが使われていることがほのめかされる場面がある。
- こちらは、射殺シーンの特集:
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- その日の終わりに、家庭でこの映画を観る場合は、18歳以下の子供たちには見せない方が良いだろう。
- ただし、子供たち自身が、全く問題ないというなら、大丈夫。
- という、最後のコメントが、米国らしい。
- つまり、相当ヤバい内容だけど、それを承知で見るなら、あとは本人の責任で観ろという事だ。
- 以上のように、普通はあり得ない言葉や映像がどんどん出てきて、それが面白かったから、大ヒットしたということなのだ。
- 米国人が毎日使っている悪い言葉が出てくる、伝統的な映画とは正反対の新しい映画だったというわけだ。
- もちろん本シリーズが始まってからは、これに負けじと、多くのぶっ飛んだ映画がハリウッドで大量制作され始めたのはいうまでもない。
- 東映ヤクザ映画が、様式美を重んじた任侠映画から「仁義なき戦い」や「極道の妻たち」のような実録路線になったような変化であろう。
- いずれにしても、「ダイ・ハード」はハリウッドを変えた作品であることを疑いようがない。
- 新しい時代の「スリラー映画」なのだ!
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