ハリウッド・スリラー映画 第31位「未知との遭遇」 人類が初めて異星生命体と接触するSF大作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「未知との遭遇」

(原題:Close Encounters of the Third Kind

 

Close Encounters of the Third Kind (Two-Disc 30th Anniversary Ultimate  Edition) [Blu-ray]

 

「未知との遭遇」 プレビュー

 

人類が初めて異星生命体と接触する姿を描くSF。

1977年11月16日公開。

興行収入:$306,889,114。

 

受賞歴:

アカデミー賞:撮影賞、特別業績賞(音響効果編集)

英国アカデミー賞:プロダクションデザイン賞

 

監督・脚本:スティーヴン・スピルバーグ

 

キャスト:

ラコーム:フランソワーズ・トリュフォー

バリー:ケイリー・グッフィ

ジリアン:メリンダ・ディロン

ロイ:リチャード・ドレイファス

ロニー:テリー・ガー

 

Close Encounters Of The Third Kind (Director's Cut) - Google Play の映画

 

あらすじ:

砂漠。

砂塵の中に第二次世界大戦に使われたらしい戦闘機の姿がみえる。

それは真新しく、20数年前の消失当時と同じ姿だ。

調査団一行のリーダー、ラコーム(フランソワーズ・トリュフォー)により、発見の様子が語られる。

インディアナポリスの交信コントロール・センターのスクリーンに未確認飛行物体の姿が写し出され、TWA機より、不思議な物体を見たという連絡が入る--。

同じ頃、インディアナ州のある人里離れた一軒家に奇妙な事が起こる。

バリー(ケイリー・グッフィ)という少年が、周囲の物が震動するので目をさまし、何物かに引かれるように家をとびだしていったのだ。

母親ジリアン(メリンダ・ディロン)は、彼のあとを追う。

そして、一方、同じ町に住む電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)は、この一帯の停電を調べるため車を走らせていた。

そこへ恐ろしい光が……。

ロイは、この光を追い、バリーやジリアンに出会う。

そしてUFOらしき光が空を横切った--。

やがて、ロイは怪光に夢中となり、会社もクビとなり、妻ロニー(テリー・ガー)と子供達にまで逃げられる。

またラコーム達は、UFOとのコミュニケーションの可能性を見い出す。

ジリアンは失踪したバリーをさがし、一方ロイはこの異常なミステリーの原因を解こうとした。

そして、ロイのイメージは『山』にひっかかり、その山の模型を作るようになる。

ジリアンも自らのイメージの山の絵を描き、それは、ワイオミング州にあるデビルズ・タワーであることがはっきりした。

そして今、その山は、毒ガス発生のため付近の住民に避難命令が下されていたのだ。

そしてその山こそは、今までこの怪事件に出会った人々のイメージの中の山だった。

そう、これこそがUFO、つまり異星人との接触が予定されていた地点なのだ。

政府はこれを隠そうとしている。

この出来事をひろめてはならない。

だが、ロイとジリアンは追手をふりきり、ついに、このデビルズ・タワーに登る。

そして、そこで見たものは。

そして、ここで彼らが経験したものは、今まで人類が誰一人として経験したことのないことであった--

大きなUFOの母船(マザー・シップ)が降りてくる。

その輝くばかりの船体。

そして、今まで行方不明であった人々がその中より降りてくる。

あの戦闘機の乗員が、あのバリーが降りてくる。

やがて、ぼんやりとした中から、手の長い異星人が降りてくる。

そして異星人は、今しずかに人類に向かってほほえみかける--。

人類史上初の異星人との触合--、この一瞬に人々はたちつくす。

やがて、ロイも含めた地球人の代表団は、母船に乗りこむ。

彼ら異星人の星へ行くために--。

間もなく、光り輝く母船は静かに上昇していく。

そして今、人類は新たなる世紀の時へ歩もうとしているのだった--。

 

Close Encounters of the Third Kind (1977) - IMDb

 

コメント:

 

世界各地で発生するUFO遭遇事件と、最後に果たされる人類と宇宙人のコンタクトを描いた、大ヒットSF大作。

 

原題の「Close Encounters of the Third Kind」とは、「第三種接近遭遇」の意。

これは、ジョーゼフ・アレン・ハイネックの著書で提唱された用語であり、人間が空飛ぶ円盤に接近する体験のうち、搭乗員とのコンタクトにまで至るものを指す。

 

フランスの映画監督フランソワーズ・トリュフォーが出演しているが、それまでトリュフォーは自作の映画にしか出演せず、またSF嫌いで「宇宙だのロボットだのは生理的に嫌悪感がする」とまで公言していた。

そのため、本作への出演は驚かれた。

監督のスピルバーグとはアメリカに行くたびにパーティ等で会い、出演を打診されていた。

当初コロンビア ピクチャーズは、リノ・ヴァンチュラかジャン=ルイ・トランティニャンを起用する予定だったが、スピルバーグがトリュフォーに出演を懇願し続けて実現したものである。

 

Close Encounters of the Third Kind – Film Concerts Live

 

あの五音階の電子音が夜空の暗闇に響くなか、徐々に姿を現す巨大なマザーシップの壮麗な美しさに圧倒される。

宇宙人との接触を描いたミステリアスな物語とともに、そんな臨場感いっぱいのラストシーンが心に残る出色のSFファンタジーだった。

俳優として出演したF・トリュフォーの役に馴染んだ好演も見応えあり。

 

Close Encounters of the Third Kind and Devils Tower, Wyoming |  Intermountain Histories

 

本作のストーリーは『十戒』を基にしている。

劇中でも「山」に向かうことになる主人公の家族が家のテレビで『十戒』を観ているシーンがある。

 

また、宇宙船が現れる前ぶれとしての雲の動きは、まさに紅海が割れる場面の雲の動きとそっくりなのである。

そして、宇宙船が地球に到着する感動は、モーゼが紅海を割る奇蹟と、意識の中でつながってくるのだ。

 

Close Encounters of the Third Kind 1977 Japanese Commercial Movie Poster -  Posteritati Movie Poster Gallery

 

欧米のキリスト教を信じる人々にとっては、こういうシーンが心に残ったのだろう。

子供のころから、神の存在や、モーゼの教えや、キリストの説教などの逸話を聞かされて育った人たちには、自分たちの精神世界に近い映像が観られたことで、この作品への賛同の気持ちが沸き起こったのだろう。

 

Rotten Tomatoesでは、批評家の肯定的評点が90%、観客の肯定的評点が85%となっている。

 

Close Encounters of the Third Kind

 

オリジナル版の他に、マザーシップ内を公開した1980年の『特別編』、さらに再編集や修正がされた2002年の『ファイナル・カット版』がある。また、アメリカABCテレビで143分の版が放映されたことがある。

 

この映画は、以下のサイトで動画配信可能: