ハリウッド・スリラー映画 第4位 「北北西に進路を取れ」ケーリー・グラント主演のサスペンス映画! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「北北西に進路を取れ」

(原題:North by Northwest

 

Go 'North by Northwest' in this 1959 Hitchcock classic

 

「北北西に進路を取れ」 プレビュー

 

1959年8月6日公開。

スパイに間違えられた男の逃亡サスペンス作品。

興行収入:$13,275,000

 

キャスト:

ロジャー・ソーンヒル:ケーリー・グラント

イヴ・ケンドール:エヴァ・マリー・セイント

タウンゼントと称する男:ジェームズ・メイスン

(偽の)タウンゼント夫人:ジョセフィン・ハッチンソン

フィリップ・ヴァンダム:ジェームズ・メイソン

 

NORTH BY NORTHWEST French Movie Poster MGM 1959. Directed by Alfred  Hitchcock Stock Photo - Alamy

 

あらすじ:

広告代理店の社長ロジャー・ソーンヒル(ケーリー・グラント)は、ジョージ・カプランなる男と間違えられ、2人の男に拉致された。

広大な邸宅に連れ込まれた彼は、タウンゼントと称する男(ジェームズ・メイスン)に、どこまで情報を知っているのか話すように強要される。

訳の分からないロジャーが、人違いだと主張しても信用されず、無理やり酒を飲まされたあげく、車に乗せられて海へ突き落とされそうになった。

危ういところを、巡回中のパトカーに見つかって命は助かったが、飲酒運転の罰金刑に処せられてしまった。

無実を証明するため、例の邸宅に赴くと、タウンゼント夫人は、彼をパーティに招いたと証言した。

次に国連総会に出席しているというタウンゼントに会うために、国連本部に向かうと、そこにいたタウンゼントは昨夜の男とは別人だった。

そのうちにタウンゼントは、昨夜の男たちの手によって殺されてしまう。

なんとロジャーは、殺人犯として追われる身になってしまったのだ。

昨夜の男の正体は、敵国のスパイのヴァンダム(ジェームズ・メイソン)という男だった。

政府のスパイ機関は、ヴァンダム一味の中に送り込んでいるスパイを守るため、カプランという架空のスパイを仕立てていたのだが、ロジャーをそのままカプランの身代わりとしておくことに決めた。

そうとは知らないロジャーは、カプランを追ってシカゴ行きの寝台列車に乗り込んだ。

車内で出会ったイヴ・ケンドール(エヴァ・マリー・セイント)という美女が、自分が指名手配犯と知りつつかくまってくれた。

ふたりは惹かれあい、一夜を共にする。

ところが彼女はヴァンダムの仲間だったのだ。

イヴの罠によって、郊外の広大な平原におびき出されたロジャーは、そこで軽飛行機に襲われる。

逃げ回るロジャーを追う飛行機は、通りがかったタンクローリーと衝突して炎上。

逃げ延びたロジャーが、カプランが宿泊しているはずのホテルに到着すると、そこにはイヴがいた。

こっそり彼女の後を追った先のオークション会場では、ヴァンダムがある美術品を落札していた。

改めてヴァンダムと対面するロジャーだが、出口を手下たちに阻まれてしまう。

とっさにオークション会場を混乱させ、警官に連れ出されるという手法で脱出したロジャーは、そのまま空港に連れていかれた。

そこにいたのはスパイ機関の「教授」と呼ばれる男だった。

教授はこれまでのいきさつをすべてロジャーに話し、改めて協力を要請した。

実はヴァンダム一味に送り込んでいるスパイは、イヴだったのだ。

ロジャーの出現によって彼女の命が危うくなったために、一芝居打つことになった。ラシュモア山のふもとの食堂で、ロジャーはイヴに空弾で射殺される芝居を打った。

芝居は成功したが、彼女が使命のために、ヴァンダムと共に国外へ脱出することを知ると、ロジャーは彼女を助けるために、アジトである山荘に忍びこんだ。

そこではヴァンダムの部下が空弾のトリックを見破り、イヴを飛行機から突き落とす計画が話されていた。

さらに彼らが盗み出したマイクロフィルムが、落札した美術品の中にあることを知った。

なんとか彼女に連絡をつけたロジャーだったが、手下に見つかって銃を突きつけられてしまう。

銃声が鳴り響いた隙に、イヴは美術品を奪って逃走、ロジャーと共に巨大モニュメントまで追い詰められる。

だが、危機一髪のところをかけつけた教授たちに助けられた。

そうして2人は想い出の寝台列車でニューヨークへ向かうのだった。

 

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コメント:

 

本作は、1959年のアメリカ合衆国のスパイ・スリラー映画である。

監督はアルフレッド・ヒッチコック。

ケーリー・グラント主演の、恋とスリルに満ちたサスペンス・ドラマ。

 

原題 「North by Northwest」について、以下のような解釈がある:

 

「North by NorthWest」という方位は現実には存在しない。

全周を32方位に分割した時の方位の呼び方では、北北西(北からの角度・中間値337.5度)は、North-NorthWest(NNW)である。

 

北西微西(同303.75度)は NorthWest by West(NWbW)、北西微北(同326.25度)は NorthWest by North(NWbN)、北微西(同348.75度)は North by West(NbW)である。

 

1960年に来日したヒッチコックは「そんな方向はないのだから、そうしたことを言い出すほど主人公はとり乱している」という意味だと、当時「ヒッチコック・マガジン」に掲載された座談会で語っていた。

 

また、ヒッチコックはピーター・ボグダノヴィッチによるインタビューの中では、

「『三十九夜』のアメリカ版を撮ろうとずっと考えていた。

一種のファンタジーだ。

タイトルがこの映画の全体を象徴している …コンパスには“north by northwest”などというものは存在しない。自由な抽象芸術に近いことを映画製作でやろうとすると、思うままにファンタジーを用いることになる。それこそ私が扱っている分野だ。私は現実の一面を扱うようなことはしない。」

と語っている。

 

シェイクスピアの『ハムレット』第2幕第2場のハムレットの以下のセリフ、

I am but mad north-north-west: when the wind is southerly, I know a hawk from a handsaw.
(私は北北西の風の時に限って理性を失ってしまう。南風の時には判断力があるのだ)

—Hamlet,Hamlet, ACT II

に由来しているという説がある。

 

何度観てもおもしろい作品だ。

見せ場が多く、先が読めない展開はスリルに満ち、サスペンスとしても超一級だ。

 

アーネスト・リーマンによるオリジナル脚本がよく練れており、ヒッチコック監督の演出のうまさが光る。

そのヒッチコックは冒頭のカメオ出演で、ユーモラスな演技を見せてくれる。

 

キャストもすばらしい。

主演はヒッチコック作品の常連ケーリー・グラント、ヒロインはブロンド美女のエヴァ・マリー・セイント、渋いジェームズ・メイスンがクールな悪役に徹している。
 

North by Northwest, review: 'magnificent'

 

東西冷戦下のスパイの暗躍が背景にあるが、派手なアクションシーンが飛び出すスパイ映画ではなく、サスペンスに重きを置いている。

ビジネスマンのロジャーがスパイに間違えられ、敵の組織に誘拐される。

いくら人違いだと主張しても信じてもらえない。

彼は「間違えられた男」なのだ。

大量の酒を飲まされ、事故に見せかけて殺されそうになる。

あげくのはてに殺人犯にされ、警察に追われる身となる。

現れた美女のイブが警察からかくまってくれるが、彼女は敵の組織のバンダムと通じているようだ。

ロジャーとイブのロマンスがサスペンスにからみ、話がふくらむ。
 

イブの罠で平原におびき寄せられたロジャーが空から飛行機に狙われる。

建物も何もない平原で背の高い草の中に横たえて身を隠す。

アメリカの広大さがビジュアルに伝わる。

 

圧巻は何と言っても、歴代大統領の巨大な彫像があるラシュモア山での追跡劇だ。

人間が彫像を降りて行くことで、彫像の巨大さがビジュアルに伝わる。

映画史上、屈指の名シーンだろう。
 

広大な自然と巨大な建造物を取り入れることで、映画全体をスケールアップさせている。

マッチラベルの使い方に見られる細かいことから巨大なものまで、ヒッチコックの魔術が楽しめる。

 

 

映画に出てくる巨大な彫像があるラシュモア山。

サウスダコダ州のブラックヒルズにラシュモア山という岩山にある。

そこには、巨大な4人の大統領の顔が刻まれている。

 

岩山に刻まれたあの米国大統領群像は 資金が続けば違う姿になっていた? | 今日の絶景


左から順に、ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、エイブラハム・リンカーン。
ジョージ・ワシントンの顔、顎から頭までの高さは18m30cm、ジェファーソンの鼻の長さは6m、ルーズベルトの口髭の幅は6mもあり、おどろくほど大きなものだ。
この巨大な彫刻は、アメリカ人彫刻家 ガッツォン・ボーグラムが彫ったものだという。
ラシュモア山の岩盤は非常に硬質なので、ダイナマイトで砕きながら作業を進め、14年間の歳月(1927年から1941年10月31日まで)をかけて彫られたという。


このマウント・ラシュモア国立モニュメントは、自由の女神と並び、アメリカの民主主義のシンボルとして知られており、1925年3月3日に国定記念建造物に指定された。


1959年のヒット映画「北北西に進路を取れ」のクライマックスシーンで使われて有名になり、今では年間で25万人以上の人が訪れる人気の観光スポットだ。
ラピッドシティから南西へ18マイル/30分のドライブで行けるという。

 

北北西とは、ラシュモア山へ向かう方向ということかと思えるが、ニューヨーク→シカゴ→ラシュモア山は、地図で見ると西北西という感じらしい。

やはり、このタイトルは、ハムレットのセリフから発想されたのだろう。

 

この映画は、Amazon Primeで動画配信可能:

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