「いんちき商売」
(原題:Monkey Business)
1931年公開。
マルクス兄弟のハリウッド作品第1号。
脚本: アーサー・シークマン、 ウィル・B・ジョンストン、 S・J・ペレルマン、 ナット・ペリン
監督:ノーマン・Z・マクロード
キャスト:
グルーチョ・マルクス:グルーチョ
ハーポ・マルクス:ハーポ
チコ・マルクス:チコ
ゼッポ・マルクス:ゼッポ
ロックリフ・フェローズ:「ビッグ・ジョー」ヘルトン
ハリー・ウッズ:ブリッグス
テルマ・トッド:ルシール・ブリッグス
ルース・ホール:メアリー・ヘルトン
あらすじ:
ニューヨークに向かって航海中の大西洋定期航路の大旅客船で、二等運転士は密航者が4人いることを船長に報告した。
彼は密航者の姿を見たわけではないが、ニシンを詰めてあるはずの樽の中から男性合唱の「スイート・アデライン」が聞こえるから、4人に相違ないと主張した。
船長の命でひっとらえに来ると樽は空っぽになっていた。
4人の密航者というのは言うまでもなくマークス4人兄弟で、彼らは大胆にも堂々と船長室に乗り込んで、グルチョは船長になり済ました。
だがにせ船長もついにボロを出してしまったので逃げ込んだのが、アルキイ・ブリッグスという富豪の船室。
そこにはアルキイの妻ルシルだけしかいないのでたちまちギターをひいて恋をしかけた。
とたんにアルキイが戻ったが、グルウチョはうまく丸めて富豪実は欧米を股にかけている怪盗アルキイの用心棒の役を引き受けた。
そしてゼッポはアルキイの仇敵ジョー・ヘルトンを射殺しろと命ぜられた。
ところがチコとハルポはヘルトンの用心棒に雇われたし、ゼッポはヘルトンの娘メアリーに首ったけになったので、ひどくこんがらがってしまった。
その後ハルポとチコは理髪師に化けて船長をとっちめた。
ハルポはマニキュア屋に惚れた船長を追っかけまわしたりしていうるちに、ニューヨークの検疫所に着いた。
そこで肥満したオペラ女優が気絶したので、4人は彼女に化けて担架に乗って上陸した。
上陸後もアルキイとジョー・ヘルトンの喧嘩は続いて4人兄弟もその渦中にまき込まれたが、頓知のマークス兄弟はゼッポとメアリーをめでたくさせることに成功した。
コメント:
マルクス4兄弟のおふざけを眺める映画。
樽の中に隠れて密航するが、ばれて船内を逃げ回る。
相変わらずおしゃべりで皆を煙に巻くグルーチョ。
ピアノを独特の奏法で弾くチコ。
ハーポは悪ふざけ担当でしっかりハープを弾く見せ場もある。
ゼッポは色男で美女といい仲に。
マルクスブラザースのハリウッド進出第1作の記念すべきヒット作品。
機関銃のように連発されるギャグ。
マルクス・ブラザースは役割分担がはっきりしていて、コスチュームもほぼ変わりなくこの後の数多の作品に出演しているが、シナリオの整理が奏功し、以降の作品はストーリーが解りやすくなった。
AFIが選んだコメディ100作において、AFIお気に入りのトップ3は何かと問われたら、間違いなく以下の3つだろう。
1.マルクス兄弟のシリーズもの。
2.ケーリー・グラントのお洒落・コメディもの。
3.バスター・キートンの古典コメディもの。
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