「ビバリーヒルズ・コップ」
(原題:Beverly Hills Cop)
1984年12月5日公開。
若い黒人の刑事が麻薬組織を相手に大活躍するアクション・コメディ。
エディ・マーフィの大出世作。
興行収入:$316,360,478。
監督・脚本:ダニエル・ペトリ・Jr
キャスト:
- アクセル・フォーリー(Axel Foley)
- 演 - エディ・マーフィ
- デトロイト警察の刑事で、少年時代にはビリーたちと悪ふざけばかりしていた。腕は確かだが独断専行をする悪癖がある。自分に都合が悪いことには強引にねじ伏せようとするなど、質の悪い一面があるが、自分の家に不法侵入したうえに勝手に冷蔵庫の中を漁ったマイキーにも怒るようなことをしなかった。また自分の態度に問題があったとはいえ、ジョンに殴られたことを根にもたず、むしろ大人の対応で済ませるなど友達や同僚には寛容である。
- “ビリー”ウィリアム・ローズウッド
- 演 - ジャッジ・ラインホルド
- ビバリーヒルズ警察の刑事。真面目で素直で気は良いが、勤務中に仕事に関係のない話をするなど、能天気で少々抜けており、取り調べの際に机に座るなど非常識な部分がある。
- ジョン・タガート
- 演 - ジョン・アシュトン
- ビバリーヒルズ警察の巡査部長で、ビリーの相棒。ビリー同様に真面目な性格だが、当初は立場が強い人間の話を優先し、態度に難があったとはいえアクセルの腹を殴り付けるなど少々横暴で暴力的な一面があった。共に行動していく内にアクセルと信頼関係を結ぶ。
- “ジェニー”ジーネッテ・サマーズ
- 演 - リサ・アイルバッハー
- アクセルとマイキーの旧友。美術商でビバリーヒルズに画廊を開いている。マイキーに仕事を紹介するなど面倒見が良いが、無断で他人の車を借りるなどの非常識な一面がある。
- アンドリュー・ボゴミル
- 演 - ロニー・コックス
- 警部補。規則ずくめのビバリーヒルズ警察を体現したような生真面目な人物。アクセルを殴ったジョンを咎めて謝らせる一方で、彼を起訴するかどうかを確認して、アクセルを呆れさせた。物語の終盤にメイトランド邸で銃撃発生との通報を受けると、アクセルたちの仕業と気付きつつも、「潜入捜査官たちがいる」として応援を手配した。
- ヴィクター・メイトランド
- 演 - スティーヴン・バーコフ
- 実業家。ジェニーいわく、アメリカでは5本の指に入る画商だが、その正体は麻薬の密売人。
- マイキー”マイケル・タンディーノ
- 演 - ジェームズ・ルッソ
- アクセルの親友。かつてアクセルをかばって少年院に入り、その後も服役歴がある。仮出所後にビバリーヒルズの美術品倉庫で働くが、職場で見かけた無記名債権をくすねたり、アクセルの家に勝手に入り食べ物を漁って食べるなど、手癖の悪い面がある。
- ザック
- 演 - ジョナサン・バンクス
- メイトランドの部下で右腕的存在。マイキーを殺害した人物。
- ハバード
- 演 - スティーブン・エリオット
- ビバリーヒルズ警察本部長。ボゴミル達にアクセルをデトロイトに帰すように命令する。
- ダグラス・トッド
- 演 - ギルバート・R・ヒル
- デトロイト警察の警部。アクセルの上司。無茶苦茶な捜査をするアクセルを疎ましく思っているが優秀な刑事であることは認めている。現場を見ての推測が当たっているなど、推理力がある。
- フォスター
- 演 - アート・キンブロ
- ビバリーヒルズ警察の刑事。マケイブと行動を共にする。
- マケイブ
- 演 - ジョエル・ベイリー
- ビバリーヒルズ警察の刑事。フォスターと行動を共にする。
- セルジュ
- 演 - ブロンソン・ピンチョット
- ジェニーの画廊で働いている従業員。少々、おネエが入っている。
- ジェフリー・フリードマン
- 演 - ポール・ライザー
- アクセルの同僚。独断専行をするアクセルのやり方に辟易しているが、そんなアクセルを心配する友人でもある。
- ケイシー
- 演 - マイケル・チャンピオン
- メイトランドの部下。ザックと共にマイキー殺害に立ち会う。
あらすじ:
優秀だが問題ばかり起こし、上司のトッド警部からも見放されたような状態の、デトロイト市警察本部に所属する若手刑事のアクセル。
ある夜、アクセルが帰宅すると、仮出所後にしばらくビバリーヒルズで働いていた幼馴染のマイキーと再会する。
マイキーは勤務先の倉庫で失敬してきたという一束の無記名債権を持っていた。
二人は酒を飲みに外出するが、戻ってきたところで二人組の男たちに襲われ、マイキーが殺害される。
マイキーの仇討ちを決意したアクセルは、犯人を追って単独でビバリーヒルズに乗り込み、画商を営む幼馴染みのジェニーに接触する。
アクセルは、マイキーがジェニーの紹介で大物画商メイトランドに雇われていたことを聞き出し、メイトランドに会いに行くが一蹴され、駆け付けたビバリーヒルズ警察に連行される。
アクセルはボゴミル警部補から勝手な行動を起こさないように釘を刺されて釈放されるが、お目付け役として尾行してきた刑事のビリーとタガートを振り切り、ジェニーとともにメイトランドの倉庫に潜入し、大量の無記名債権が運び込まれるのを目にする。
倉庫から戻ったアクセルは、ビリーとタガートを連れてストリップ・バーに向かい、メイトランドが犯罪を行なっていることを伝えるが、そこに怪しい二人組の男が現れる。
アクセルは一方の男に近付き、銃を手にした男を取り押さえる。二人組の「強盗犯」を逮捕したアクセルはボゴミルに事情を聞かれ、「ビリーとタガートが強盗を逮捕した」と嘘を伝えるが、規則を重視するタガートは正直にアクセルが逮捕したことを報告する。
ボゴミルはビリーとタガートを尾行から外し、アクセルに再度警告する。
翌日、アクセルは新しい尾行役を振り切りふたたびメイトランドのまえに現れ、マイキーの仇を討つと宣言する。
ビバリーヒルズ警察本部に戻ったアクセルは、ボゴミルたちにメイトランドが麻薬(コカイン)の密輸入を行なっていることを伝え捜査協力を求めるが、「令状を取るには証拠が足りない」として断られ、騒ぎを聞きつけたハバード警察本部長から、公務執行妨害を不問に付す引き換えとしてデトロイトに帰るように命令される。
アクセルは監視役のビリーを説得して仲間に引き入れ、ジェニーを含めた三人でメイトランドの倉庫に向かう。
倉庫に到着したアクセルはジェニーとともに倉庫に潜入して、海外から到着した貨物の中に証拠品の麻薬を発見するが、メイトランドの部下に捕まる。ジェニーはメイトランドに連れ去られ、残されたアクセルはリンチを受けるが、そこに外で待機していたビリーが駆け付け助け出される。
ふたりはタガートに応援を要請してメイトランドの屋敷に向かい、合流したタガートとともに屋敷に突入し、メイトランドの部下たちと銃撃戦になる。
通報を受けたボゴミルはパトロール中の警官にメイトランド邸に急行するように命令し、自身もメイトランド邸に向かう。
アクセルはビリーとタガートがメイトランドの部下たちを引き付けている隙に屋内に入り、マイキーを殺した男を見付け出し射殺するが、ジェニーを人質にするメイトランドに隙を突かれ撃たれる。
メイトランドはアクセルにとどめを刺そうとするが、アクセルと、駆け付けたボゴミルによって射殺される。
証拠品の麻薬を押収し、生き残ったメイトランドの部下たちを逮捕したアクセルたちの前にハバードが現れて説明を求め、ボゴミルは「アクセルと麻薬密輸の合同捜査を行い、ビリーとタガートが事件を解決した。
事態が事態なので絶対部外秘で捜査した」と説明し、事実かどうかを聞かれたタガートもボゴミルの説明に同調したため、ハバードは彼らの説明を受け入れる。
事件を解決しマイキーの仇を討ったアクセルは、ビリーとタガートに見送られてビバリーヒルズをあとにする。
コメント:
これぞエディ・マーフィーの大出世作であり、代表作である。
この作品の大ヒットにより、シリーズ化もされたハリウッド映画界における黒人俳優のトップに君臨することになった記念すべきコメディである。
デトロイト市警の熱血刑事アクセル(エディ・マーフィ)は、スゴ腕のエネルギッシュな男だが、度がすぎるあまりいつも上司からは激怒をかっている。
ある日、カリフォルニアのビバリーヒルズで働いている幼な友だちのマイキー(ジェームズ・ルッソ)が来訪し喜び合った。彼は高額の債券の束を持っており、それは盗品のようだった。
その夜、マイキーは何者かに殺された。
休暇願いを出した彼は、その事件の単独捜査に乗り出した。まず幼な友だちで高級画廊に勤務するジャネット(リサ・エイルバッチャー)に会い、マイキーの雇い主で、ジャネットのボスでもある大実業家メイトランド(スティーヴン・バーコフ)のことを聞き出した。
メイトランドに会いに行くが、ガードマンに放り出され不法侵入罪で捕まるアクセル。
身分が明らかになったため釈放された彼は、しかし、タガート(ジョン・アシュトン)ローズウッド(ジャッジ・ラインホールド)の2人の刑事に行動を見張られるはめになった。
2人をうまくまいて、ジャネットの協力で、メイトランドが、麻薬の密輸にからんでいることを掴む。
しかし、メイトランドを追跡しているうちに高級クラブで乱闘をひきおこし、再び警察の世話になってしまい、ローズウッドに護送されるアクセル。
その途中、その日が密輸品の到着日であることを知ったアクセルは、ジャネットと共に現場に急行した。
2人は大量のコカインを発見するが敵に見つかってしまう。
危機一髪の2人はローズウッドに助けられ、逃げようとするメイトランドにアクセルの銃口が火を吹いた。
翌日、事件解決で、アクセルは晴ればれとビバリーヒルズを後にしたのであった。
ところで、この映画のタイトルにある「コップ」(原題:Cop)というのが「警官」だということは今の日本人なら皆知っているが、なぜ「警官」という意味なのかご存じだろうか。
「cop」というのは「copper」を略したものだという。
この「copper 」には「銅」という意味もあるのだが、ここで使う「copper」は動詞の「cop」に接尾辞「 -er」 (~する人)を付けたものなので、"銅"の copper とは同綴異義語、つまり、つづりが一緒で意味が違うのだという。
英和辞典には "copper【名】《英俗》巡査" と載っている。
《英俗》というのは英国の俗語, 非常にくだけた話し言葉の意味だ。
つまり、「cop」は 「copper」、 「捕まえる人(警官)」の省略形というのが結論だ。
まあ、どうでもいいことだけど。
とにかくこの映画は、単純明快なストーリー。
エディ・マーフィーとタガート&ローズウッドのコンビが素晴らしい。
このテーマ曲がまた良い。
いまだに頭にこびりついていて、はなれない。
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