「ブロードキャスト・ニュース」
(原題:Broadcast News)
1987年12月16日公開。
ワシントンのテレビ局を舞台に、そこに働く男女3人の三角関係を描く。
興行収入:67.3百万米ドル。
監督・脚本:ジェームズ・L・ブルックス
キャスト:
- トム・グルニック - ウィリアム・ハート
- ジェーン・クレイグ - ホリー・ハンター
- アーロン・アルトマン - アルバート・ブルックス
- ジェニファー・マック - ロイス・チャイルズ
- アーニー・メリマン - ロバート・プロスキー
- ポール・ムーア - ピーター・ハックス
- ブレア・リットン - ジョーン・キューザック
- ボビー - クリスチャン・クレメンソン
- ビル・ロリッシュ - ジャック・ニコルソン
あらすじ:
ワシントンのテレビ局のプロデューサー、ジェーン・クレイグ(ホリー・ハンター)は、若いが切れ者の女性。
気鋭のニュース・ライターでレポーターのアーロン・アルトマン(アルバート・ブルックス)とは、親友であり、絶妙な仕事のコンビでもある。
ニュース放送者会議で、ジェーンは地方局のアンカーマン、トム・グルニック(ウィリアム・ハート)と出会い、お互い反発しながら、ひかれ合う。
そして、トムはワシントン支局にレポーターとして起用された。
ワシントン支局長アーニー(ロバート・プロスキー)主催のオフィス・パーティ。
その最中、シシリーのアメリカ海軍基地が爆撃されたという一報が入り、急きょ、トムが特番のレポーターに抜擢された。
放送日、くさるアーロンの協力と、ジェーンの働きで、トムのデビューは大成功。
その夜、トムは同じ局のレポーター、ジェニファー(ロイス・チャイルズ)と関係をもってしまう。
レイプされた女性へのインタビューで涙するトム。
インタビューは大反響をよび、ジェーンも彼のやさしさにますますひかれていく。
局内の人員整理で窮地に立ったアーロンは、キャスターとして出演。
当日、ジェーンは、アーロンを元気づけ、トムとオフィス・パーティヘ。
アーロンの本番は、緊張のため流れる汗で大失敗。
ジェーンはトムを家で待たせ、アーロンの家へ。
落ちこむアーロンを慰めてるうち、彼の愛の告白をうける。
心乱れるジェーン。
結局トムとのデートは御破算。
人員整理が本格化し、周囲のスタッフは次々と辞めさせられた。
ジェーンは支局長に昇進。
トムは、ロンドン支局に栄転。
アーロンは、ポートランドのニュース局へ移る決心をする。
トムは、ロンドン行きの前に南の島で休暇を過ごそうとジェーンに提案。
OKするジェーン。
旅立つ前日、ジェーンはアーロンの忠告で、例のインタビューでのトムの涙は、ヤラセだと知る。
幻滅したジェーンは、旅行をキャンセル。
7年後--ワシントン。
桜咲く中、それぞれの道を歩むジェーン、トム、アーロン。
彼ら3人は、久しぶりの再会を喜ぶのだった。
コメント:
ジェーン・クレイグは、才能にあふれる女性ニュースプロデューサー。
彼女の親友であるアーロン・アルトマンは、社交スキルに欠けるが才能のある作家兼記者。
二人は全国テレビネットワークのワシントンD.C.支局で働いている。
そこに登場するのが、地方局のアンカーマンだったが、ワシントン支局にレポーターとして起用されたトム・グルニック。
この三人による奇妙な三角関係の物語になっていくのだが、仕事シーンも入り混ぜての公私にわたるドラマが描かれる。
「青春ってイイな…」と思ってしまうテレビ局を舞台にしたロマンス映画。
個性の強い3人がぶつかり合うことが多いので、スクリューボール・コメディの様にも見える楽しい映画だ。
人好きのする甘いマスクのウィリアム・ハート、思ったことを口に出す行動する迫力ある女性のホリー・ハンター、自分の知識や原稿書きに自信たっぷりのアーロン、この3人の個性がぶつかり合って、先が想像できない展開が本当に面白い!
敏腕女性プロデューサーのジェーン・クレイグを熱演しているホリー・ハンターが実にカッコいい。
これぞアメリカのニュースチャンネルだと思わせる。
「アンカーマン」というのは、マスコミの取材記者の原稿をもとに、最終的にまとめる人。
また、ラジオ・テレビのニュース番組のメーンキャスターでもある。
アンカーパーソン。 女性の場合はアンカーウーマンともいう。
「オフィス・パーティ」というのは、会社や組織が、従業員のために催すパーティーのこと。
必ずしもオフィスや社内の一角で行われるとは限りらない。
レストランやホテルなどで行われる場合もある。
本作は、アカデミー賞の主要部門のほとんどすべてにノミネートされたが、『ラストエンペラー』や『月の輝く夜に』という大魚がライバルにいたためか、無冠に終わった。
しかしベルリン国際映画祭の女優賞をハンターが受賞。
作品自体もニューヨーク映画批評家協会賞で複数部門受賞した。
この映画は、Amazon Primeで動画配信可能: