「かぼちゃ大当たり」
(原題:It's a Gift)
1934年11月17日公開。
戦前の米国の一攫千金を夢見る一家の物語!
戦前のスターだったW・C・フィールズのコメディ。
監督:Norman Z. McLeod
キャスト:
ハロルド・ビソネット:W.C.フィールズ
アメリア・ビソネット:キャスリーン・ハワード
ミルドレッド・ビソネット:ジャン・ルヴェロル
ジョン・ダーストン:ジュリアン・マディソン
ノーマン・ビソネット:トミー・バップ
タマニー・ヤング : エベレット・リックス、
ベイビー・エルウッド・ダンク:ベイビー・ルロイ:
あらすじ:
いくらかの財産を相続した後、ハロルド・ビソネットは食料品店を辞め、カリフォルニアに移住し、オレンジ牧場を経営することを決意する。
買った土地には価値がないという情報があったが、ビソネットは、家族の反対を押し切って、口うるさい妻・アメリア、自分勝手な娘・ミルドレッド、面倒な息子・ノーマンらと共に荷物をまとめてカリフォルニアへ車で向かった。
豊かなオレンジ畑を通り過ぎると、妻の表情は柔らかくなり、この土地は良い買い物だったと思ったようだ。
だが、ミカン畑の情報が確認され、そこが不毛な地で、倒れた小屋と回転草しかないことが分かると、うんざりした彼の妻と家族は彼を追い出してしまう。
彼が車に座ると、車は彼の体重で崩壊してしまう。
しかし、彼がすべての希望を失いかけたとき、彼の運命は劇的な変化を遂げる。
近所の人から、ある開発業者が競馬場のグランドスタンドを建設するために彼の土地を取得しようとしていると知らされたのだ。
自分自身と口うるさい妻のために立ち上がったハロルドは、多額の金(友好的な隣人への手数料を含む)を要求し、パンフレットにあるようなオレンジ畑を開発業者に買ってもらうよう要求する。
ハロルドは、屋外の朝食テーブルに座ってオレンジジュースをグラスに絞り、幸せな家族が新しい車に乗って出発するのであった。
満足したハロルドは、グラスに入った少量のオレンジジュースにフラスコの酒を注ぐ。
コメント:
W.C. フィールズ主演の 1934 年のアメリカのコメディ映画。
物語は妻の尻に敷かれている雑貨屋の店主がカリフォルニアのオレンジ農園を購入して一家でやってくるが、広告とは似ても似つかない代物だった、というもの。
これは完全にアメリカンドリームの再現とその終焉であり、大恐慌を経験したアメリカの状況をよく表している。
戦前の米国では、カリフォルニアに移住して一攫千金を獲得しようという大きな流れがあった。
そんな男とその家族の物語を描くコメディ作品がこれだ。
これはW.C. フィールズの16本目のサウンド映画であり、1934年だけでも5本目だった。
W.C.フィールズとして知られるウィリアム・クロード・デュケンフィールドは、アメリカの俳優、コメディアン、ジャグラー、作家。
ショービジネスにおけるフィールズのキャリアはボードビルで始まり、そこでサイレントジャグラーとして国際的な成功を収めた。
カリフォルニアで一山当てようとする男が、抜け目ない妻、無能なアシスタント、迷惑な子供たち、顧客、セールスマンと戦う試練と苦難の旅を描いている個性的なコメディ映画である。
名作『怒りの葡萄』のコメディ版といっても良い作品。
この映画は家庭内での反対勢力と戦う庶民というテーマを扱った最良のサンプルであると評価されている。
この作品は、フィールズが子役のベイビー・リロイと競ったパラマウント・ピクチャーズ作品のうちの1つである。
この映画は、日本未公開かも知れない。
「かぼちゃ大当り」という邦題はあるが。
英語版DVDはアマゾンで販売中:
(日本語字幕は期待できないが)