ハリウッド・コメディ映画 第33作「モダン・タイムス」 チャップリンの代表的風刺コメディ! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「モダン・タイムス」

(原題:Modern Times

 

モダン・タイムス - Wikipedia

 

「モダン・タイムス」 予告編

 

1936年2月5日公開。

チャップリンの前期代表作のひとつ。

公開時は不評で、受賞ゼロとなった作品。

興行収入:1.8百万米ドル:

 

キャッチコピー:

「人間は機械じゃない - ハートを忘れた〈現代〉の悲哀を痛烈な笑いで描く世界映画史上不朽の名作!」

 

監督・脚本:チャールズ・チャップリン

 

キャスト:

  • 工員 - チャールズ・チャップリン
  • 浮浪少女 - ポーレット・ゴダード
  • キャバレーの主人 - ヘンリー・バーグマン
  • 工場の技師 - チェスター・コンクリン
  • 製鉄会社社長 - アラン・ガルシア
  • ビッグ・ビル(チャップリンと同じ工場で働く工員、後にデパートの強盗) - スタンレー・サンドフォード
  • J・ウィデコム・ビローズ(自動給食マシーンの開発者) - マードック・マクアリー

 

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あらすじ:

巨大な製鉄工場で働く主人公の男は、ベルトコンベアーを流れる部品のナットをスパナで締め続けるという単純作業を繰り返していた。

その様子はテレビモニターで監視され、トイレで煙草を吸っていてもすぐにばれてしまう。

ある日、男は労働者の食事時間を節約するために作られた自動給食マシーンの実験台となり、散々な目に遭わされる。

やがて単純作業の連続に耐えられなくなって男は精神的におかしくなり、トラブルを起こして精神病院送りになってしまう。

ようやく退院を迎えた日、トラックから落ちた赤旗を拾い、運転手に返そうと追いかけていくうちに、いつの間にか労働者のデモ隊の先導をきってしまい、そのリーダーと間違われて逮捕され、拘置所に入れられてしまう。

ひょんなことから脱獄囚を撃退した功績で模範囚として放免され、造船所の仕事を紹介されるものの、ちょっとしたミスから造りかけの船を海に沈めてしまい、職を失ってあてもなく街をうろつく生活に陥る。

そんな中、男は少女がパンを盗もうとして警察に逮捕される現場に居合わせる。

少女は貧しい父子家庭の長女だったが、父親が死んだため孤児となり、妹たちが施設に送られてしまい、逃げ出して路上生活をしていたのだった。

拘置所が恋しくなっていた男は彼女の窃盗の罪をわざとかぶり護送車に乗せられるが、結局、通りがかりの人の証言で少女が後から乗せられてくる。

護送車が対向車をよけるため急に方向転換した拍子に外へ投げ出された男と少女は、そのまま逃亡する。

少女と意気投合した男は、二人のために家を建てるという夢を胸に働くことを決意。

デパートの夜警の仕事では泥酔したあげく売り場で寝込んでしまってクビ。

うち捨てられた川べりのあばら屋を見つけて、そこで二人で暮らすようになった。

そして男は工場の技師の助手の仕事を得るが、直ぐにストライキにより工場は閉鎖される。

一方、少女はダンスの才能を見込まれてキャバレーで働き始め、彼女の推薦で男もウェイターの職を得る。

ショウタイムには店長に命じられ、「ティティナ」という歌を即興で歌って大受けするが、その直後、施設から逃げ出した罪で少女を捕まえるために官憲が踏み込んでくる。

何とか逃げ出し、道端に座り込んだ2人だが、やっと手に入れた幸せすらも許されない無情な現実に少女は悲嘆の涙を流す。

そんな姿を見た男は、あきらめないで強く生きれば道はきっと開けると強く励まし、少女はその言葉に希望を見出す。

こうして、現代社会の冷たさと束縛に囚われない自由な生活を求め、2人ははるか向こうに続く一本道へと歩き去っていくのだった。

 

映画チャップリンの 『モダンタイムス』(Modern Times) - 小父さんから

 

コメント:

 

チャップリンがユナイテッド・アーティスツで製作した5作目の映画。

「街の灯」に次ぐチャールズ・チャップリン主演映画で、例の如く自ら脚本を書き、監督・制作したもので、作曲も彼自らしている。

初期におけるチャップリンの代表作である。

 

資本主義社会や機械文明を題材に取った作品で、労働者の個人の尊厳が失われ、機械の一部分のようになっている世の中を笑いで表現している。

自動給食マシーンの実験台にされるシーンや、チャップリンが歯車に巻き込まれるシーン、ラストのチャップリンとヒロインが手をつないで道を歩いてゆくシーンなどが有名である。

 

映画】「モダン・タイムス(Modern Times)」(1936年) 観ました。(オススメ度) -  「言葉こそ人生」読むだけ元気お届け人の"今ここを生きる心"の裏側

 

この作品は前作の『街の灯』(1931年)に続いてのサウンド版で、一部にセリフが入る以外は音楽の伴奏と効果音のみによるパート・トーキー映画となっている。

また、チャップリンが初めてスクリーンで肉声を発した映画であり、キャバレーでインチキ外国語による「ティティーナ」を歌うシーンで、チャップリン自身の歌声を聴くことができる。

自作の映画音楽も映像にのせており、「ティティーナ」とラストシーンで印象的な「スマイル」を作曲し、その音楽的才能も開花させている。

 

公開当時はすでにトーキー映画が普及していたため、この作品は「時代遅れ」と呼ばれて、あまり高い評価は得られなかった。

 

しかし、後年になって本作の良さが評価されるようになり、チャップリンの代表作の一つとして認知されるに至っている。

 

「ティティナ」は、1917年にフランスの作曲家レオ・ダニデルフによって「Je cherche après Titine」(意訳「ティティーナを探して」)というタイトルで作曲されたが、この映画で使用されて世界的に有名なメロディとなった。

このシーンも大いに受けた。

 

 

この歌はチャップリンがアドリブで歌っているらしい。

歌詞の意味は以下の通り:

 

チャップリンがアドリブで歌ったフランス語「風の」デタラメ歌詞による『Titina』の意味。

Se bella giu satore
Je notre so cafore
Je notre si cavore
Je la tu la ti la twah

<大意>

(女性について)私は美人でスタイルも良い。素敵なネックレスもしてる。

La spinash o la bouchon
Cigaretto portobello
Si rakish spaghaletto
Ti la tu la ti la twah

<大意>

(紳士について)りっぱな口ひげ、タバコをくわえて、宝石の指輪を持ってる。

Senora pilasina
Voulez vous le taximeter?
Le zionta su la seata
Tu la tu la tu la wa

<大意>

(紳士が女性を誘って)お嬢さん、タクシーはいかが?席にお座りください。

Se muntya si la moora
La sontya so gravora
La zontya comme sora
Je la poose a ti la tua

<大意>

(紳士)可愛い娘だ、好きだよ
(女性)そんな気はないわ、やめて

Je notre so lamina
Je notre so cosina
Je le se tro savita
Je la tossa vi la twah

<大意>

(女性)キスしたいなら 指輪をちょうだい
(紳士)分かった 君にあげるよ

Se motra so la sonta
Chi vossa l'otra volta
Li Zoscha si catota

Tra la la la la la la.

<大意>

うれしいわ
でも恥ずかしいから
今日はキスだけよ
さよなら

 

 

 

「スマイル」は、本作のラストシーンで印象的チャップリンが作曲したもので、彼が作曲した音楽の中では特に有名である。

この曲は映画の中盤、少女(ポーレット・ゴダード)とチャーリーが警察の護送車から飛び降りて逃亡した後に断続して2回流れる。

次に、少女がチャーリーに住むところ(粗末なロッジ)を見つけた報告をする場面、少女がおしゃれをしてチャーリーを待つ場面、さらに映画の最終局面、絶望してふさぎ込む少女をチャーリーが元気付け希望へといざなう場面で流れ、曲の盛大なフィナーレと共に映画は幕切れする。

 

 

 

 

この曲は、のちに歌詞がついて多くの歌手が歌って大人気となった。

その代表作が、ナット・キング・コールのこの歌声だ:

 

 

 

 

この映画は、TSUTAYAでレンタル可能: