「プロデューサーズ(1968)」
(原題:The Producers)
監督・脚本:メル・ブルックス
キャスト:
- マックス・ビアリストック:ゼロ・モステル
- レオ・ブルーム:ジーン・ワイルダー
- フランツ・リープキン:ケネス・マース
- ウーラ:リー・メレディス
- ホールド・ミー・タッチ・ミー:エステル・ウィンウッド
- ロジャー・デ・ブリー:クリストファー・ヒューイット
- カルメン・ギア:アンドレアス・ヴシナス
- ロレンツォ・セント・デュボワ:ディック・ショーン
あらすじ:
かつてはブロードウェイの大物プロデューサーだったが、今はすっかり落ち目のマックス・ビアリストック(ゼロ・モステル)は、裕福な老婦人たちのご機嫌取りで金銭を稼ぐ日々。
ある日、マックスの事務所へ気弱な会計士のレオ・ブルーム(ジーン・ワイルダー)が訪れる。
彼は帳簿を調べている内に、ミュージカルを当てるより失敗させた方がより大儲けできることに気付く。
マックスはこれはいいアイデアだと、レオを誘い最低なミュージカルを作って一攫千金の詐欺を企む。
確実に失敗させるためにはまずは最低な脚本を、と探し当てたのはナチシンパのドイツ人フランツ・リープキン(ケネス・マース)が書いた『ヒトラーの春』(Springtime for Hitler)だった。
首尾よく上演権をとりつけたマックスは早速金集めに奔走、高額の配当をエサに愛人の老婦人たちから莫大な出資金を騙し取る。
続いて最低な演出家として、ゲイで女装趣味の演出家ロジャー・デ・ブリー(クリストファー・ヒューイット)を起用。そして最低の役者として主役のヒトラーに選ばれたのは、別のオーディション会場と間違えて来たヒッピーのイカレ男・ロレンツォ・サン・デュボワ(イニシャルからLSDと呼ばれる)(ディック・ショーンで)ある。
これで万全、上演は失敗間違いなし!とほくそえむ2人だったが、やがて初日を迎えると予想外の反応が待っていた。
最初こそ馬鹿げた内容に腹を立てる客が続出したものの、LSDが怪演するオカマ風ヒトラーに観客は爆笑につぐ爆笑。
ナチ党員が手に手をとって陽気に歌い踊るあまりにも俗悪極まる内容に、ヒトラーを笑い者にした反ナチの風刺コメディだと観客に勘違いされる。
結果はなんとミュージカルは大ヒットしてしまうのだった。
すっかり窮地に追いこまれたマックス達は、最後の手段としてついに劇場の爆破を決意する。
コメント:
本作は、「ブレージング・サドル」で有名なメル・ブルックスの監督・脚本による映画デビュー作。
主演はゼロ・モステルとジーン・ワイルダー。
アカデミー脚本賞を受賞した。
この映画は、意図的に失敗するように設計されたミュージカル舞台の権益を不正に売り飛ばして金儲けを企てる、詐欺師の劇場プロデューサーとその会計士の物語である。
TV界の才人メル・ブルックスの本格的映画進出第一作で、ブロードウェイの裏側を皮肉と愛をこめて描いたコメディ。いきなりアカデミー脚本賞を受賞した。
以降ブルックスは「ヤング・フランケンシュタイン」「メル・ブルックスの大脱走」など、映画界でも快進撃を続けていく。
演劇プロデューサーのマックスと神経質な会計士レオをはじめ、脚本家、演出家、美人秘書など、キャラクターはみんなひとくせある人物ばかり。
ブルックスが作詞・作曲した主題歌『Springtime for Hitler』で始まる劇中ミュージカル『ヒトラーの春』が、また爆笑もの。
1996年、この映画は「文化的、歴史的、または美的に重要」であるとして米国議会図書館によって米国国立フィルム登録簿に保存する対象に選ばれ、「AFIの100年…」のコメディ・リスト100の11位にランクされた。
日本ではビデオリリースのみで幻の作品だったが、2001年に製作から32年の時を経て劇場公開された。
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