「三人の兄弟」
原題:Tre fratelli)
1981年3月19日公開。
日本未公開。
イタリア南部の農家の息子たちの現状と未来を見据えた社会派映画。
監督:フランチェスコ・ロージ
キャスト:
ミケーレ・プラシド - ニコラ・ジュランナ
ヴィットリオ・メッツォジョルノ - ロッコ・ジュランナ
アンドレア・フェレオル - ラファエレの妻
マッダレーナ・クリッパ - ジョヴァンナ
ロザリア・タフリ - ロザリア
マルタ・ゾフォリ - マルタ
ティノ・シリンツィ - ラファエレの友人
シモネッタ・ステファネッリ - ロッコの妻
ピエトロ・ビオンディ - 第一裁判官
シャルル・ヴァネル - ドナート・ジュランナ
あらすじ:
イタリア人一家の家長である年配の女性が、イタリア南部の農家で亡くなった。
夫のドナートは、現在住んでいる都市からそれぞれ難しい個人的な問題に取り組んでいる成人した 3 人の子供たちを農家に呼び戻す。
長男でローマの判事をしているラファエレは、暗殺の危険にさらされるテロ事件の裁判を担当することを検討している。
ナポリに住む次男のロッコは、問題を抱えた若者を支援したいという願望を貫くため、少年刑事施設でカウンセラーとして働いている敬虔な人物である。
三男のニコラはトリノに住んでおり、破綻した結婚生活と両立しながら、労働紛争に巻き込まれた戦闘的な工場労働者として働いている。
男性たちはそれぞれ独自の方法で悲しみに対処し、同時に他の感情的な問題と闘う。
息子たちは過去を振り返り、将来について空想する。
ラファエレは自分の死を思い描き、ロッコはナポリの若者を犯罪、麻薬、汚職から救うことを夢見て、ニコラは別居中の妻を抱きしめる自分の姿を思い浮かべる。
ドナートと彼の小さな孫娘、ニコラの子供は一緒に悲しみながら、農場のことを探る。
コメント:
イタリア南部の農家を舞台に、妻を失った夫と、母親の葬儀に集まった三人の息子たちそれぞれの悩みや希望を感動的に描き出したドラマ。
イタリアきっての社会派監督であるフランチェスコ・ロージが新境地を見せた傑作である。
日本未公開で、レビューも少ない作品だが、欧米では好意的に受け入れられた映画で、ロージ監督の円熟味が味わえる作品になっているという。
キネマ旬報には掲載されていない隠れた名作である。
この映画は、以前スターチャンネルで放送され、Amazon Primeでも一時動画配信されたようだ。
現在は配信されていないが。